花言葉で「死」や「死別」の意味を持つ花はなに?

1つ1つの花には花言葉がついており、その花言葉を添えて花を贈る人もいるでしょう。

しかし、花言葉は良い意味のものだけでなく、「死」や「死別」「不幸」など悪い意味の花言葉を持つ花もあります。

そのため、花言葉を知らずに渡してしまうと、お花をプレゼントするときに失敗してしまうかもしれません。

そこで今回は悪い意味の花言葉の中でも「死」や「死別」に関する花言葉を持つ花についてご紹介していきます。花言葉を学んで女子力を上げていきましょう。

「死」の花言葉を持つ花について

では実際に「死」の意味を持つ花言葉の花についてご紹介していきます。

百合

ユリ科ユリ属の百合は種類がとても多く、百合全般の花言葉は「威厳」「純粋」「無垢」と良い意味を持っているのですが、その中でも黒百合は「死」に関係する花言葉を持っています。『クロユリ団地』というホラー映画の題名にも使われた黒百合の花言葉は、「恋」と「呪い」で戦国時代の武将の佐々成政(さっさなりまさ)と小百合にまつわる「黒百合伝説」が由来だと言われています。

黒百合伝説

佐々成政は侍女である小百合を寵愛していました。成政が小百合をとても可愛がるがゆえに他の侍女から小百合は妬まれてしまいました。そして成政が佐良越えで留守をしている間、他の侍女たちが、小百合と小姓の岡島金一郎と密通したと嘘の噂を広めました。それを聞いた成政は激怒し、真偽を確かめることなく小百合を斬り殺してしまいました。

そのときに小百合は無実なのに殺されてしまう無念から「立山に黒百合の花が咲いたとき、佐々家は滅亡する」という呪いをかけ亡くなりました。

そして立山に黒百合の花が咲くと、小百合が亡くなった数年後に、豊臣秀吉に一揆の責任を負わされた成政は一族ともども自害することとなりました。

スノードロップ

スノードロップはヒガンバナ科ガランサス属の花で、「慰め」「希望」という花言葉があるのですが、「あなたの死を望みます」という花言葉もあります。これはイギリスで古くから伝わる言い伝えが由来だと言われています。

戦いで恋人を失くした娘ケルマが横たわる彼の傷の上にスノードロップをそっと置くと、彼の肉体は一瞬にして雪の片(スノードロップ)になってしまいました。

この言い伝えから、スノードロップは「死」の花となり「希望」という花言葉と合わせて「あなたの死を望みます」という花言葉がつけられました。

そのため、もしどうしてもスノードロップを贈りたい場合は誤解を与えないように「希望」というメッセージを添えることをおすすめします。

アネモネ

アネモネはキンポウゲ科イチリンソウ属の花で西洋での花言葉は「期待」「見放される(見捨てられる)」、日本での花言葉は「儚い恋」「見放される(見捨てられる)」「恋の苦しみ」などになります。

全体的にあまり良くない花言葉なのですが、これは「アネモネの悲しい伝説」が由来となっています。

ギリシャ神話・美少年アドーニスの物語

愛と美の女神アフロディーテと冥府の女王のペルセポネーは美少年のアドーニスを愛していました。しかし、アドーニスはアフロディーテと一緒にいることを望み、それに対してペルセポネーは不満を持っていました。

そこでペルセポネーはアフロディーテの恋人の軍神アレースに「あなたの恋人であるアフロディーテはアドーニスに夢中になっている」と告げ口します。

アレースは激怒し、姿を猪に変えて、狩りをしていたアドーニスを殺してしまいました。アフロディーテはアドーニスの死をたいそう悲しみ、そのうちアドーニスの流した血から、アネモネの花が咲いたと言われています。

彼岸花

彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属の花で、別名曼殊沙華と呼ばれています。西洋ではリコリスという名で親しまれています。彼岸花の花言葉は「情熱」「再会」「独立」「あきらめ」「悲しい思い出」「転生」「あなただけを想う」「また会う日を楽しみに」などがあります。

花言葉には「死」を意味するものはありませんが、ちょうどお彼岸の時期に咲くことや、彼岸花の姿が炎を連想すること、そして毒性の強い植物であること、そして恐ろしい迷信があるなどから、死や不吉なイメージを持つ花です。

「彼岸花を家に持って帰ると火事になる」「彼岸花を摘むと人が死ぬ」「彼岸花を摘むと手が腐る」などと日本では古くから言われていました。

杉はヒノキ科スギ亜科スギ属の針葉樹で数多くの種類がありますが、特にイトスギは「哀悼」「死」「絶望」という花言葉があります。このイトスギはギリシャ神話のキュパリッソスの物語から、死の象徴となったのです。

ギリシャ神話・キュパリッソス

ケオース島にキュパリッソスという美少年が住んでいました。島には人々からとても大切にされた金色の角を持った雄鹿がいました。キュパリッソスはこの鹿と一番仲良しだったのですが、ある時投げ槍で鹿を誤って殺してしまいました。

キュパリッソスは雄鹿を殺してしまったことをたいそう悲しみ、神々に永遠に嘆き悲しむことをお願いしたところ、神々はキュパリッソスを悲しみの象徴であるイトスギに変えてしまいました。

また、キリスト教の始祖イエスキリストが磔にされた十字架は、イトスギで出来ていたという伝説があり、文化や宗教と深い関係を持った木だと言えるでしょう。

日本の花として挙げられるは「純潔」「優れた美人」「淡白」「精神美」です。桜の花はとても美しいというイメージを持つ人が多いことや、桜が咲くのは一瞬ですぐに散ってしまうという潔いところから、このような花言葉になったとされています。

桜の花言葉は品種によって異なり、ソメイヨシノは「優れた美人」「純潔」、山桜は「あなたに微笑む」。枝垂桜は「ごまかし」「優美」、八重桜は「豊かな教養」「しとやか」「理知の富んだ教育」です。

桜には「死」を意味する花言葉は特にないのですが、「同期の桜」という日本の軍歌の歌詞に「咲いた花なら散るのは覚悟、みごと散りましょ国のため」というものがあり、桜が一瞬で咲いて散る姿は「死」をイメージさせるのでしょう。

白バラ

白バラは「純潔」、「深い尊敬」、「私はあなたにふさわしい」という花言葉を持ち、キリスト教の聖母マリアを象徴する花として知られています。

しかし、白バラが折れてしまうと花言葉が変わり、「純潔を失い死を望む」となり、さらに萎えてしまうと「つかの間の印象」、そして17本のバラの花束には「取り戻せない絶望の愛」というマイナスな印象を与える花言葉もあります。

元々の花言葉から、結婚式のブーケにもよく使われるのですが、花言葉が気になるのであれば、花の本数や花の状態で意味も見ていきましょう。また、花言葉とは関係ないのですが、西洋では病人が白バラの夢を見るともうすぐ死ぬという言い伝えがあるため、病室に白バラを置かないという伝統があります。

死別の花言葉を持つ花について

花言葉の中にはギリシャ神話が由来となっているものが数多く存在しています。ギリシャ神話の中には悲しいエピソードもあり、死や別れを意味している花言葉も多く存在しています。

アネモネ

アネモネがキンポウゲ科イチリンソウ属の花です。日本ではボタンイチゲやハナイチゲ、ベニバナオキナグサなどとも呼ばれています。花言葉は「見放された」「見捨てられた」「恋の苦しみ」「儚い恋」、キンセンカでは「悲嘆」「失望」「悲しみ」です。

アネモネはギリシャ神話のあるも物語が由来となっています。

ギリシャ神話・アネモネと西風の神ゼピュロスの物語

花と春の女神フローラにはアネモネという2番目の娘がいました。西風の神ゼピュロスはアネモネを深く愛していたのですが、ゼピュロスは自分を最も愛していると思っていたフローラがこのことを知り、怒り狂ってアネモネを追い出してしまいました。

女神フローラとの関係を良くするため、西風の神ゼピュロスは仕方なくアネモネを見捨てて花に変えてしまったのです。

ギリシャ神話・キンセンカにまつわるお話

クリムノンという少年がシシリア島に住んでいました。栗むのんは太陽神のアポロンを深く崇拝しており、アポロンが昼間日輪の馬車に乗って大空を駆け回る姿を見るのが幸せで、アポロンの姿が見えないと寂しく思っていました。

アポロンがそれを知ると、クリムノンの対して愛情を感じましたが、2人の間に嫉妬した雲の神がアポロンを8日間雲で隠してしまいました。9日目にようやくアポロンが姿を現すと、寂しさと悲しみに耐えることが出来ずクリムノンは亡くなり、それを可愛そうに思ったアポロンはクリムノンをキンセンカに変えたのです。

「死」の花言葉を持つ花一覧

ここまで「死」に関する花言葉をいくつかご紹介していきましたが、ここでは「死」の花言葉を一覧でご紹介します。

「死」の花言葉をまとめました

「死」の花言葉をまとめると以下になります。

  • スノードロップ:「あなたの死を望む」
  • イチイ:「慰め」「死」「高尚」「悲しみ」「残念」「悲哀」
  • タツナミソウ:「私の命を捧げます」
  • イトスギ:「死」「絶望」「哀悼」
  • スグリ:「あなたに嫌われたら私は死ぬ」
  • ガマズミ:「無視したら私は死ぬ」
  • ドクニンジン:「死を惜しまず」「あなたは私を死なせる」
  • パセリ:「死の前兆」

以上のように「死」が花言葉の花は比較的多く、可愛らしい花もありますので、誰かに贈り物にするときは気をつけて贈りましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は「死」の花言葉を持つ花や由来となった物語などについてご紹介していきました。花はとても綺麗なので、良い意味ばかりだと思っている人も多いかもしれませんが、花の中には「死」や「不幸」などネガティブな花言葉を持つ花もありますので、もし贈り物にする場合は注意しましょう。

また、本数によっても良い意味だったのが悪い意味になってしまう場合がありますので、特別な人に贈る場合は事前に花言葉を調べてから贈るようにしましょう。

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