ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを恋愛や仕事に使う方法!

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」という言葉を知っていますか?営業や人と人とのコミュニケーションなどでよく使われる言葉で、心理学用語の一つになります。

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」は言わば交渉術の一つで、何か頼み事をするとき、物事を聞くときなどに役立つ考え方の一つです。営業マンは営業ノウハウを学ぶときに必ずこの考え方を学ぶと言います。また、恋愛の場などでもうまく活用することができるため、好きな人と距離を縮めたいときなどにぜひうまく距離を「交渉」できると良いでしょう。

今回は、「ドア・イン・ザ・フェイス」を使ったテクニックをご紹介していきたいと思います。

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」とは?

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」とは、譲歩的要請法、もしくは譲歩的依頼法とも呼ばれる交渉テクニックの一つです。

人が誰か別の人に何かをお願いしたり頼んだりする際の「ギャップ」をうまく利用して、相手に要求を呑んでもらうようにするテクニックになります。

ではこの「ギャップ」とは何でしょうか?これは要求する物事の大変さや大きさのことを言い、まず最初に相手がとても受け入れられないような大きな要求をし、その後要求の大きさのレベルを下げていきます。

そうすることで、普通にAと頼むよりは、C(最も難しいこと)→B(次に難しいこと)→A(CとBと比べると難しくないこと)と頼んだ方が相手も要求を受け入れやすくなるのです。

こちらが「譲歩」をしていることになるので、いきなり要求されたらOKしなそうなことでもOKしてしまうというわけですね。

営業トーク、値下げ交渉、恋愛の駆け引きなどでもよく使われる考え方になります。

「返報性の法則」を利用した考え方?

これも心理学的考え方になりますが、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、「返報性の法則」というものの考え方を利用しているものだとも言われています。

返報性の法則とは、「何かしてもらったら返さなければいけない」という人が本来当たり前に持っている考え方です。貰ったら与える、つまりギブ&テイクです。

こちらがドア・イン・ザ・フェイス・テクニックで譲歩を繰り返して相手に交渉をすると、相手は自然と「これだけ譲歩してくれているから、それに応えなければ…」という心理になる傾向があります。

この心理の核を利用したのがドア・イン・ザ・フェイス・テクニックというわけです。譲歩して要求レベルを下げていくことで、相手は自然と断りづらくなってしまうのです。

ちなみにこのようなドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、上手い営業テクニックとしてよく知られていますが、巧妙な悪徳商法や宗教勧誘などにもよく使われると言います。

このような考え方があることを死っていれば、騙されずに済むことも多いので、実際に使わない人でも知識として理解しておくことは大事です。

ドア・イン・ザ・フェイスの由来

ちなみに「ドア・イン・ザ・フェイス」の由来とはどんなものがあるのでしょうか。

ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックは営業のみならず人とのコミュニケーションや恋愛などでもよく活用されていますが、やはりもともとは営業テクニックとして広く知れ渡ってきました。特に訪問販売などの訪問営業こそが、ドア・イン・ザ・フェイスの由来になったと言われています。

訪問販売などのセールスでは、営業マンがその家のドアが開くと同時に顔を中に突っ込もうとします。だからこそ「ドア・イン・ザ・フェイス」と訪問販売はよく言われているのです。

しかしいきなり顔を突っ込まれたら家の人はびっくりしますよね。「帰ってください」と拒否しようとしますが、「せめてお話だけでも良いんで…」と「譲歩」されたら、なんとなく受け入れてしまう人も多いのではないでしょうか。

こういった流れから、譲歩していく要求の仕方は「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」と呼ばれるようになったのです。

ちなみに「お話だけでも」と言われてOKしてしまうのは、「このように譲歩してくれる人を追い返すのは、さすがに申し訳ない」という返報性の法則の心理も無意識のうちに働くからですね。人の気持ちや心理をうまく活用している交渉術というわけです。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使うために

では、実際にドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用していくためにはどのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。

大事なポイントとしては、まずは到底相手が受け入れられないような大きな要求をすることです。

最初に高い要求や頼みごとをされれば、さすがに相手には断られるでしょう。そうなったら、今度はその要求を少し下げた内容で話を進めてみるのです。

そして最終的には要求の難易度をさらに下げた要求をしてみましょう。相手は心理トリックに引っ掛かり、「それなら受け入れてもいいかも…?」という気持ちになります。

例えば、「プロジェクトのリーダーをやってほしい」というお願い事をまずしたとして、そこでまず断られましょう。

そして今度はリーダーをして欲しいという頼み事から「リーダーの補佐をして欲しい」という要求に変えます。すると要求の難易度が下がり、この時点でもOKしてしまう人も出てきます。

それでも相手が難色を示すようなら、「この分野だけリーダーの補佐をして欲しい」などの要求にしていくと、さらに相手は要求を受け入れやすくなってきます。相手は「こんなに譲歩してお願いしてくれてるしなあ…」という気持ちから、断ることに対して罪悪感を覚えやすくなるのも事実です。

大事なのは「関連した要求」であること

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用して要求の高さを下げていく際、要求の内容は基本的に関連したものである必要があります。

例えば上のリーダーをやってほしいという要求に対して、いきなり5万貸して欲しいと要求の種類を変えてしまうと、全く意味をなさなくなってしまいます。二つのことに関連性がないため、譲歩されてもそれは相手的に譲歩だと感じないからです。

そもそも「リーダーをして欲しい」→「5万貸して欲しい」の流れ自体がおかしいですよね。相手からしてみれば「??」となってしまうようなことなので、ビジネスシーンや恋愛の場などでドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使う際は、関連した要求にすることに気をつけましょう。

知っている人は知っているのでバレる可能性も

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、交渉や営業の場ではよく知られたテクニックです。営業、ビジネス交渉やマーケティングなど、仕事をするうえでビジネスマンならよく学ぶ交渉術になるからです。

何しろ営業は人間心理を利用した「心理戦」のようなものなので、特に営業をバリバリやっている人は、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックの方法をよく知っています。

そのため、あまりにいろいろなところでドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを活用しようとするとさすがにバレてしまうことも多いです。要求のハードルを下げていきすぎるとバレる可能性があることと、営業力やコミュニケーション能力に長けている人には気づかれやすい傾向があることは理解しておきましょう。

ドア・イン・ザ・フェイスで恋愛をマスター!

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」の考え方を活用すると、恋愛や出会いの場でも有利に物事を運ぶことができる場合があります。ドア・イン・ザ・フェイスの考え方は人の心理やコミュニケーションを利用した交渉術なので、上手く使えば好きな人をご飯に誘ったり、気になる人の連絡先を聞き出したりすることにも使えるというわけです。

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」を使いこなせば、もしかすると好きな人と自在に距離を縮めていける恋愛強者になれる可能性大です。

好きな人の連絡先を聞き出す活用例

いきなり相手の連絡先を聞き出すというのも難しいですよね。特に何か出会いの場などでその日のうちに出会った人と、いきなり連絡先を交換するのはハードルが高く感じる人も多いのではないでしょうか。

そんなときは、ドア・イン・ザ・フェイスの考え方を利用します。

「今度二人に出かけよう」

「今度みんなで出かけよう」

「機会があったら誘うから連絡先教えて」

という流れで、連絡先を聞き出すようにもっていきます。いきなり二人でデートというのは相手も戸惑ってしまうでしょう。そこにみんなで出かけようという提案をし、最後に機会があったら誘うという名目で連絡先だけでも教えて、という流れに持っていくというわけです。

相手も「まあ連絡先だけなら…」という心理になり、いきなり連絡先を聞かれるよりは連絡先を自然と教えても良いという気持ちになるのです。

好きな人をご飯に誘うときの活用例

では、好きな人をご飯に誘うときはどうすれば良いのでしょうか。活用例としては以下のような流れになります。

「一緒に旅行に行きたいなあ」

「一緒にデートがしたい」

「せめてご飯だけでも一緒に行かない?」

このような流れで誘われたら、なんとなく相手もOKしてしまう心理になりますよね。二人きりでの旅行やデートはさすがにハードルが高いものの、ご飯ならまあいいか、という心理にも陥りやすくなるものです。

このような事例から、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、ビジネス、コミュニケーション、恋愛など、さまざまな場面で使える心理技法の一つだということが分かりますね。

まとめ

いかがでしたか?実際にドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用して、たくさん契約を取ったり、商品セールスの成績を上げている営業マンはたくさんいますし、さまざまな場面で効果的な心理技法として活用されているのは事実です。

ドア・イン・ザ・フェイスの考え方を理解すれば、仕事でも恋愛でも自分の成功をつかむ可能性を広げることができます。

今日から使える交渉テクニックの一つなので、ぜひ多くのシーンで活用していけると良いでしょう。恋愛でも仕事でも、相手の心理をつかむということは非常に重要なことなのです。

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