ダブルバインドとは?否定的ダブルバインドと肯定的ダブルバインドを知ろう!

ダブルバインドと言う言葉を知っていますか?このダブルバインドはいろんなシーンで巧みに使われているのですが、実はとても危険で怖いコミュニケーションだとも言われています。

しかし、正しく理解して応用していけば、ビジネスや恋愛で上手く活用する事も出来るようです。ではダブルバインドとは一体どのような物なのか具体的に解説していきます。

ダブルバインドとは?

世の中では知らないうちにこのダブルバインドにより、洗脳されてしまう事もあるようです。ダブルバインドは英語でdouble bindです。

これはメッセージとメタメッセージが矛盾していると言うコミュニケーションの状況に置かれる事を言います。もう少し細かく見て行きましょう。

日本語で「二十拘束」

ダブルバインドは日本語で二十拘束と翻訳されます。

二つ以上の矛盾しているメッセージを受け取った人が、その矛盾している事を指摘する事が出来ないにもかかわらず、返答しなければならない事で、精神状態が拘束されてしまい身動きが取れなくなってしまう事を意味しています。

精神医学の研究者による造語

「ダブルバインド」とは精神医学の研究者グレゴリー・ベイトソンによる造語です。1956年に「精神分裂病の理論化に向けて」と言う論文を発表しました。これは統合失調症の子どもを持っている家庭を調査して提唱されたものです。

グレゴリー・ベイトソンによると、ダブルバインドが繰り返されることで統合失調症、精神分裂症の発症リスクが高まる仮説を立てたのです。このダブルバインドが現代の精神病理学で統合失調症の原因としては認められていないのですが、心理的なストレスがある事は確認されているのです。ダブルバインドは人間本来の正常な心を壊してしまう危険性のあるコミュニケーションとされています。

具体例

  • 例えばあなたはステーキが好きだったとします。しかし、「焼き肉が好きですか?しゃぶしゃぶが好きですか?」と聞かれたとします。どちらの回答もあてはまらないにもかかわらず、「どちらかと言えば焼き肉かな。」と答えてしまう。
  • 幼少の頃いたずらをした時、ママから「どうしてこんなことしたの?怒らないから話してごらん。」と言われたので正直に話したらものすごく怒られた。
  • レストランに食事に行ったら「あなたの好きな物何でも頼んでいいよ」と言われたので、好きな物を頼んだら「それは体に良くないからやめなさい」や「こっちにした方が美味しい」と言われてしまう。

上記のような経験はありませんか?好きな食べ物ではないのに、出された選択肢の中から答えてしまったり、矛盾したメッセージが発せられたりする事で思考停止になり、大きなストレスを抱えてしまう危険なコミュニケーションパターンなのです。

同じ対象の物事に対して「これにしなさい」と言ったのに「これはするな」と矛盾したメッセージを言われ、どちらを答えたとしても正解ではなく、「あなたの為に言ってるのよ」と言われてしまう事で逆らえなくなり、心を閉ざしてしまいます。これがダブルバインドなのです。

ダブルバインドの理論

では科学研究において、明確に定義されたダブルバインドの理論を見て行きましょう。

理論の内容

  • 2人以上の人間関係
  • ダブルバインドを繰り返し経験しストレスを受ける
  • 最初に出されたメッセージを否定し次のメッセージが発生
  • 矛盾している否定的な命令が違う水準で出されてしまう
  • どちらのメッセージに従っても罰せられる為混乱
  • 矛盾している状況から逃げ出せない状況に追い込まれてしまう
  • ダブルバインド状態を認識する

例えば親が「こっちにおいで」と子供に言っておきながら、子供が近寄るとドンっと突き飛ばしてしまう。

最初は言葉で言い、行動で突き放すことでその矛盾に気が付きにくいでしょう。親から呼ばれて無視してしまうと怒られ、近寄っても拒絶されてしまうのです。その矛盾に子供は疑心暗鬼になり、日常化してしまう事でそれが常識の事だと間違った認識をしてしまうのです。

そして外の世界でも、その間違った常識をしてしまう傾向にあるのです。子供の頃からこのような環境で育ってしまうと、次のような症状が出てしまいます。

  • 妄想型…言葉で表されていない意味にばかり執着して偏った考え方になり、他の意見に耳を傾けなくなる
  • 破瓜型(はかがた)…言葉の文字通りの意味だけにしか反応しない
  • 緊張型…他者とのコミュニケーション自体から逃避してしまう。

また、メッセージの矛盾は言葉だけの矛盾ではなく、メタメッセージとの矛盾もあります。

メタメッセージとは

メタメッセージとは伝えるべき本来の表面的な言語メッセージを超え、実際は別の意味があるメッセージを伝えることを言います。このメタメッセージも精神医学の研究者グレゴリー・ベイトソンの概念です。

具体例

このメタメッセージの具体例ですが、わかりやすく表現すると、日本人ならではの「本音と建て前」にあてはまります。京都で有名なエピソード、「ぶぶ漬け」の話です。ぶぶ漬けとは簡単に作れるお茶漬けの事を言います。京都の人は本音を出さない、言葉には裏があると言われることが多いのです。

京都の友人のお宅にお邪魔して、用事が済んだ頃、「ぶぶ漬けでもどうどす?」と聞いてきます。「はい。ありがとうございます。」と待っていてもぶぶ漬けは一向に出てきません。これは客人に対して遠回しに「帰って欲しい」と暗黙に伝えられている言葉で、正直に待っているのに「空気が読めない人だ」と非難を受けてしまう可能性があるのです。

「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言う言葉が建前の言語メッセージで、「そろそろ帰って欲しい」と言う本音がメタメッセージとなります。言っている言葉と思っている事に矛盾が生じていますよね。正直な気持ちでありがたく好意に従ったら非難を受けてしまうなんてとても酷いダブルバインドと言えます。

表情や仕草によるメタメッセージ

言葉に別の意味を持つものだけではなく、表情や仕草による非言語メッセージが矛盾しているメタメッセージがあります。仕事でミスをしてしまい、上司に対して「申し訳ありませんでした」と謝った時、上司がしかめっ面な表情で「大丈夫だよ」と言われたら、言葉では大丈夫と言っていても、全く大丈夫ではない表情をしているので、「やっぱり怒ってるんだな」と思ってしまいます。

また、プレゼントを渡したらひきつっている表情で「ありがとう」と言われても、「迷惑だったかな」と思いますよね。このように、言葉だけではなく非言語メッセージによる表情で矛盾している事を表しているメタメッセージもあるのです。

否定的ダブルバインドと肯定的ダブルバインド

ダブルバインドには、否定的なダブルバインドと肯定的なダブルバインドがあります。しかし、どちらかと言えば否定的な意味を持つダブルバインドが強い傾向にあります。

どのような事例があるのか見て行きましょう。

会社での否定的ダブルバインド

どのメッセージに答えても不正解だと導かれてしまう言語好意が否定的なダブルバインドです。それは家族関係、親子関係だけではなく、社会に出て会社などでの上下関係でパワーハラスメントやモラルハラスメントに繋がるのです。

例えば上司に「こっちの指示に従ってばかりじゃなく、ちゃんと自分の判断で動けよ」と言われたので、判断して動いたところ「なんで指示に従わないんだ」と責められたり、「理由を聞くから何故このような失敗をしたんだ」と言われ理由を話したら「言い訳するんじゃない」と言われたり、こうなると部下としては混乱し、やる気も無くしてしまいますよね。

このように矛盾している否定的ダブルバインドを受け続けていると、弱い立場の人は常に緊張と混乱で、自由な意思決定が出来なくなり心を病んでしまう可能性があるのです。上司としては部下の為と思いやっているつもりでも、知らないうちにパワハラやモラハラをしてしまっているので注意が必要です。

その他の否定的なダブルバインド

  • 洗脳…カルト宗教などでは、このダブルバインドを利用して洗脳している事が多いです。入団するとすぐに「今のままではあなたはダメになる」「今のあなたでは家族を救えない」など、現状を否定され今後の修行を勧められるのです。更に修行をしていても「その程度ではだめだ」と否定され、言う事に従わなければいけない気持ちになっていくのです。
  • ツンデレ…ツンデレは普段は冷たい言動なのに、たまに甘い言葉を言って好きと嫌いを何度も繰り返してきます。また優しく抱きしめながら「お前の事は好きじゃないからな」と言われ、この矛盾している言動の中、少しでも自分を好きでいてくれる気持ちを見つける事で安心感を得るのです。これにより、大事にされていないのにもかかわらず、どんどん相手にはまってしまうのです。
  • DV…DVでの被害者が、なかなか縁を切れない理由は、暴力的な事をされても「本当は優しくて弱い人なの。私がいないとだめだから。」と、お互いが依存してしまう状況に陥ってしまうのです。DVをしている人は暴力の後に「本当にごめん。こんなことしたくないんだ。お前しかいない。愛してるんだ。」と優しい言葉をかけ、受けた方は混乱からその異常さが麻痺してしまうのです。それが愛情表現なのだと思い込んでしまう事でダブルバインド状態に陥ってしまいます。

肯定的なダブルバインド

否定的なダブルバインドが多い中、どちらのメッセージに対しても正解に導くのが肯定的なダブルバインドです。これを利用して、催眠治療として行う事もあります。アメリカの催眠療法家で精神科医、心理学者のミルトン・エリクソンが発展させた催眠誘導技法です。

患者さんに対して「あなたには無限の可能性がある事を気付いていますか?」と質問します。「はい」と答えた場合は、「あなたは自分に無限の可能性がある事を自覚できていますね。」と言います。「いいえ」と答えても「あなたはまだ無限の可能性がある事に気が付いていないだけです。」と言うのです。

「はい」「いいえ」、どちらを答えても「自分には無限の可能性があるんだ」と自覚できるようになるのです。このような質問を何度も繰り返し、ミルトン・エリクソンは催眠治療を行っていました。

その他で活用するダブルバインド

この、ダブルバインドを日々のなかでうまく活用する方法があります。それはビジネスシーンや恋愛のシーンで使う事ができます。どのように上手く活用していくのか見て行きましょう。

ビジネスで使う事ができるダブルバインド

販売業などで商品を勧める時に、お客様にその商品が必要なのか不要なのかの選択をさせる事になりますよね。その時にこのダブルバインドを使うのです。

まず「この商品とこの商品でしたらどちらがお好みですか?」と聞くのです。このように購入する事を前提したメッセージで質問する事で、必要か不必要かの選択肢ではなく、どっちの商品を選ぶかの選択肢に変わるのです。

またファストフード店などで「ご一緒にお飲み物はいかがですか?」と聞くよりも「お飲み物は3種類から選ぶことが出来ますが、いかがなさいますか?」と聞くことにより、購入率が上がるとされています。このように選択肢を購入前提で選ばせることで、販売効果がアップすると言われています。

恋愛で使うダブルバインド

恋愛でもこのダブルバインドを利用する事ができます。「はい」「いいえ」の選択肢ではなく「はい」と答えさせる前提のメタメッセージで質問する事で受け入れてくれる可能性が高まるのです。

例えば「今度の週末遊びに行かない?」と質問しても「行く」か「行かない」の選択肢しかありません。なので「今度の週末、映画か遊園地に行かない?」と聞くのです。行くか行かないの選択肢がなく、どちらかを選ばせることで遊びに行くことは前提となります。その為、週末に遊びに行くお誘いが成功する確率が高まるのです。

また相手が好きな物を選択肢にあげ、どちらかを選ばせる方法も効果的です。相手が美術鑑賞やグルメが好きだったとします。それを質問に入れて答えさせるのです。「今度の週末、美術鑑賞か美味しいもの食べに行くならどっちがいい?」と聞くことで相手にとってはどちらも好きな事なので、マイナス要素が無く受け入れやすくなります。このように肯定的なダブルバインドを利用して、恋愛に活用すると成功しやすいと言われています。

ダブルバインドを活用する時の注意点

ダブルバインドを活用するには注意点があります。それは相手が「選ばされてしまった」と思われてしまうと効果が期待できなくなってしまうのです。あくまでも自分が決めたと思わせることが重要なのです。

また前提を含んだメタメッセージは、相手が選択しやすい質問内容である事が大切です。まだそんなに親しくなっていないのに、例え相手が好きな物事であっても「泊りで温泉か、朝まで飲みにいかない?」と聞かれても「行かない」と断られてしまいます。

ビジネスでも相手が選びやすい内容の質問でなければダブルバインドは成功しません。その相手との関係性や状況を上手く判断してダブルバインドを活用する事がポイントです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ダブルバインドは、矛盾している2つ以上のメッセージを受け取ってしまう事で、混乱してしまうことを言います。これを繰り返していると精神的にストレスを感じ、酷くなると精神疾患を患ってしまう場合もあるのです。

また自分で気が付かない間にパワハラやモラハラをしている可能性もあるので気を付けなければいけないコミュニケーションパターンなのです。しかし、仕事や恋愛ではマイナスなことだけではなく、プラスに働きかけるダブルバインドもあるので、上手く活用するようにしましょう。

この記事をきっかけに良いダブルバインドを活用し、豊かな人生を歩む事ができることを願っております。

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