皆さんは、兄弟姉妹のいない「一人っ子」として育った人にどのようなイメージを持っているでしょうか。
「マイペース」「わがまま」など自己中心的な面が何かとクローズアップされがちで、兄弟姉妹のいる人たちにとっては少々扱いにくい存在だと言われている一人っ子。
近年では少子化の影響で一人っ子が増えていると言いますから、皆さんもこれから一人っ子の友達や恋人ができる可能性が十分にあるでしょう。
そこで今回の記事では、一人っ子の性格の特徴や恋愛傾向などをまとめてみました。
一人っ子は意外と多い?
昔は珍しかった一人っ子ですが、少子化や晩婚化の傾向がみられる近年では、一人っ子の割合は年々増加しています。
国立社会保障・人口問題研究所がおよそ5年ごとに実施している調査によると、一人っ子の割合は、第12回調査(2002年)で8.9%、第13回調査(2005年)で11.7%、第14回調査で(2010年)15.9%、第15回調査(2015年)で18.6%と、ここ10年の間で2倍近くも増えていることがわかります。
皆さんの身近にも、一人っ子で育った人が意外と多いのではないでしょうか。ちなみに筆者も一人っ子です!
(※引用元:国立社会保障・人口問題研究所『出生動向基本調査』)
一人っ子の性格の特徴
「わがまま」や「マイペース」など、どちらかというとマイナスなイメージを持たれることが多い一人っ子。
しかし、実際に一人っ子として育った人からすれば「そんなことないよ!」と言いたい部分もたくさんあるのではないかと思います。かく言う筆者もその一人です。
ここからは、一人っ子の性格の特徴を、一人っ子である筆者のエピソードも交えながらご紹介していきます。
マイペースでのんびり屋さん
他に兄弟がいると、好きなおかずやおやつを取り合ったり、テレビのチャンネル権を奪い合ったりと、何かと争い事が絶えませんよね。
しかし、一人っ子の場合は、好きな食べ物はだいたい親が取っておいてくれますし、親の分を追加でもらえることもあります。テレビ番組も子どもの好きなものを選ばせてくれることが多いでしょう。
このように、常に自分の欲しいものが与えられる環境にいて、「人より先に行動しなくては自分が損をする!」と焦る経験をしてこなかった一人っ子は、大人になってからもマイペースでのんびり屋さんが多いです。
そのため、自分のペースを乱されたり、他人のペースに合わせることはとにかく苦手。急かされたりすると不機嫌になったりします。
争い事を好まない平和主義
一人っ子は、兄弟とおもちゃやお菓子などを取り合ったり、テストや習い事などの成績を兄弟と競った経験がありません。
そのため、大人になってからもおおらかでのんびりとした性格の人が多く、争い事や勝負事には消極的な傾向が見られます。男性は出世欲があまりない人も多いようですよ。
確かに、筆者も子どもの頃から「〇〇大会」の類は好きではなかったですね。たとえお遊びでも、勝負が絡むと一気にやる気をなくしてしまいます(笑)。
良くも悪くもお人好し
兄弟というライバル的な存在がいなかった一人っ子は、お人好しな性格の人が多いようです。
筆者も幼少期に、たとえば友達とお菓子を分け合うような場面で、相手から先に「私こっちがいい!」なんて言われると、どんなに自分が食べたいものでも譲っていました。
少しでも誰かと競うことになる可能性があると感じたら、サッと自分から身を引くんです。
小さいうちは、これで大体のことがうまくいきます。友達と喧嘩になることもありませんし、大人たちからは「偉いね!」なんて褒めてもらえますからね。
しかし、社会に出て仕事をするようになれば、少なからず他人と競う必要が出てきます。
お人好しな一人っ子は、ライバルにおいしいところをもっていかれたり、いいように利用されてしまうようなことも少なくないのではないでしょうか。
しかし当の本人は、そんなことがあっても「別にいいや」なんて思っています。物事にあまりこだわりを持たないのも、一人っ子の性格の特徴なのです。
金銭感覚がズレている?
親や祖父母など周囲の大人たちの愛情を独り占めできる一人っ子。兄弟が多い子に比べてお小遣いやお年玉をたくさんもらっていたり、誕生日やクリスマスなどのプレゼントが豪華だったという人が多いようです。
兄弟がいれば、自分の貰ったお金が多いのか少ないのかを比べることもできますが、一人っ子はそうした差を知るきっかけがほぼありません。小学生くらいの子どもでも、友達同士でお金の話をすることって滅多にないですからね。
そのため、一人っ子は大人になってからも周りの同年代と比べて金銭感覚がややズレていたり、何かと高級志向の人が多いのだそうです。
ただ、これは育った家庭環境によるところが大きいのではないでしょうか。
筆者は残念ながらそこまで裕福な家庭でもなかったので、お小遣いもお年玉も同世代の平均と変わりませんでした。大人になってからも「高級〇〇」より「プチプラ」とか「おトク」といった言葉のほうが魅力的に感じます(笑)。
自分なりのこだわりがある
一人っ子は他人と争うことは嫌うわりに、自分と争うのが好き。仕事でも家事でも”マイルール”みたいなものがあって、それを守ろうとして妙なところにこだわったりします。
そのルールって、他人からは理解されないものが多いんですよね。傍からみたら「何でそんなところ・・・」っていうようなことが、一人っ子にとってはかなり重要なんです。
身近に同世代がいなかったせいで、独自の価値観が出来上がってしまっているのでしょうね。
中にはルールにこだわるあまり、周りの人のことを気にせずに仕事をしたり、他人の意見にまったく耳を傾けようとしない困った人たちもいるようですが、一人っ子の筆者としては、よほど目に余ることでなければ、好きなようにやらせてもらえると嬉しく思います(笑)。
「一人っ子=わがまま」とは限らない!
「一人っ子は甘やかされて育っているからわがままだ」なんてよく言われますが、実際にはそれとまったく逆で、わがままを言わない一人っ子も意外に多いです。
一人っ子の家庭は、子どもが中心となりがちです。拗ねていたり寂しそうにしていたりすると、それだけで家の中の雰囲気が変わってしまうのです。
一人っ子は、幼いながらにそれにちゃんと気付いています。
そこで、大好きなパパとママに笑っていてほしくて、自分の本当の気持ちを隠してでも常にいい子でニコニコしていようとするのですね。
そんなふうに、大人たちの顔色をうかがいながら育ってきた一人っ子は、大人になってからも自己主張ができません。
「一人っ子は空気が読めない」なんて言われることも多々ありますが、実は周囲の空気に人一倍敏感のが一人っ子なのではないかと筆者は思います。
一人の時間が必要
兄弟がいる中で育った人は、常に近くに誰かいないとダメな寂しがり屋が多いようです。
一方、幼い頃から一人の時間を過ごすことに慣れている一人っ子は、一人でいても寂しいとは感じません。むしろ一人でいることを好む傾向すらあります。
もちろん、大勢で遊ぶのが嫌いというわけでは決してないのですが、周りの皆がワイワイ騒いでいる中でもふと「一人になりたいな・・・」なんて思ってしまうのです。
一人に慣れているせいか、賑やかな雰囲気がどうしても疲れるんですよね。そのため、適度に一人でいる時間を設けないとストレスが溜まってしまうのです。
この感覚は筆者もよくわかります。友達でも恋人でも、ある程度の距離感を保った付き合い方ができる相手ではないと、昔から長続きしません。
年上ウケが良い
これは一人っ子が自然に身につけた処世術と言えるでしょう。
周りに大人しかいない環境で育ってきた一人っ子は、自分がどのように振る舞えば目上の人から可愛がってもらえるかを心得ています。
そのため、社会人となってからも先輩や上司に気に入られることが多いです。
ちなみに筆者も結婚前の職場では「おじさんキラー」などと呼ばれていました。決してあざとく振る舞っているつもりはないのですが、なぜだか自分より一回りも二回りも年上の上司に目を掛けてもらうことが多かったですね。
家族を大切にする
一人っ子で育った人は、家族との仲が良いといいます。
確かに、筆者も母親とはお互い友達のように接していましたね。思春期以降は恋愛相談なんかも普通にしていましたし、母もわりとノリノリで娘の恋バナを聞いていたような気がします(笑)。
また、一人っ子は親に大切に育ててもらったぶん、老後の面倒は自分がきちんと責任を持とうと考えている人が多いです。
遠方に住んでいる親を自分の近くに呼び寄せたり、反対に親の住まいの近くに引っ越したり、といったことも厭いません。結婚後に親との同居を考えるのも、一人っ子が多いようです。
もし結婚を考えている恋人が一人っ子なら、ゆくゆくは相手のご両親と同居になる可能性があることを考慮しておいたほうが良いかもしれませんね。
自己肯定感が強い
「自己肯定感」とは、自分自身の存在価値を認め、自分のことを長所も短所も含めてまるごと大切だと思える心の状態のことをいいます。
0歳~6歳までの幼少期に土台が形成されますが、ここで培われた自己肯定感は大人になってからも仕事や恋愛、人間関係など生活の様々な面において大きな影響を及ぼします。
一人っ子で育った人たちは、兄弟がいる人と比べて、親に遊んでもらったり小さなことでも褒めてもらったりという経験が多いため、自己肯定感が育ちやすいそうです。
また、「お兄ちゃんはきちんとできるのに・・・」などと他の兄弟たちと比べられることもないので、「自分はダメだ」と否定的にならずに育ってこれたのも理由のひとつでしょう。
一人っ子の恋愛傾向
続いては、一人っ子で育った人の恋愛傾向をご紹介します。
引き続き、筆者の一人っ子エピソードを交えながらお話していきますので、よろしければお付き合いくださいね。
独占欲が強い
他に兄弟がいない一人っ子にとって、両親は常に自分だけのもの。お菓子もおもちゃも、全部が独り占め状態です。横から取られて悔しい思いをした経験もありません。
そのため、恋愛においても恋人は自分だけのものだという意識が強く、嫉妬したり束縛をしてしまうこともしばしばです。
もし恋人が異性の友人と食事に行くとでも言おうものなら、たちまち拗ねてしまうことでしょう。
わりとあっさりしている人も
一方、恋愛には淡白な一人っ子も少なくありません。
先ほど少し触れましたが、筆者がこのタイプですね。基本的にベタベタした付き合いが苦手で、束縛はするのもされるのも嫌です。
電話やLINEも自分からすることはあまりありません。相手から数日こなくても「まぁいいか」くらいにしか思っていないです。
筆者と同じようなタイプの一人っ子が彼氏・彼女だというあなたは、相手にあまりしつこくするのは控えるのがベター。お互いの時間を尊重できる、自立したお付き合いを目指すことをおすすめします!
意外と甘え下手
先ほどお話したように、小さい頃から大人の顔色をうかがうようにして育ってきた一人っ子は、なかなか自分の気持ちを素直に表現したがりません。
そのため、気を許している恋人にも、うまく甘えることができない人が多いようです。
甘えたい気持ちはあっても「こんなことを言ったら嫌われるかな・・・」という気持ちが先立ってしまうんですね。
一人の時間も大切
どんなに恋人のことが大好きでも、一人で過ごす時間はきちんと確保したいのが一人っ子。これは、独占欲強めタイプ・あっさりタイプどちらの一人っ子にも共通する特徴だと思います。
人によっては「愛情を感じられない」と思うかもしれませんが、これが一人っ子です。決して適当な気持ちで恋愛をしているわけではありません。
幼い頃から作り上げてきた自分だけの世界に踏み込まれると、それがたとえ恋人であっても落ち着かなくなってしまうのです。
一人の時間を過ごして気持ちが満たされればちゃんと戻ってきますので、一人っ子の彼氏・彼女がいる皆さんは、安心して待っていていただければと思います。
まとめ
今回の記事では、一人っ子として育った人たちの性格の特徴や恋愛傾向を、一人っ子である筆者のエピソードを交えてご紹介してまいりました。
世間のイメージとはまったく違う、意外な一面もあったのではないでしょうか?
一人っ子の友人や恋人がいる皆さんにとって、「取扱説明書」的にご活用いただけたら幸いです。
最後までご拝読いただき、ありがとうございました!
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