菜の花に込められた5つの花言葉とは?おすすめスポットを紹介!

「菜の花」は、日本の春の訪れを告げる花のひとつ。冬の寒さが少しずつ和らぎはじめ、日に日に暖かくなるのを肌で感じられる頃、河川敷や線路脇にその姿を見かけるようになります。

菜の花の鮮やかな黄色と、澄んだ青空のコントラストを眺めていると、なんだか元気が湧いてきますよね。まるで、進学や就職などで新たなる旅立ちを迎える人たちの背中をそっと押してくれているようです。

そんな菜の花に込められている「花言葉」をご存知でしょうか。多くの花には、花姿や古くからの言い伝えなどを基にした花言葉が与えられています。菜の花にも、その美しさにふさわしい素敵な花言葉があるんですよ。

今回の記事では、菜の花の花言葉についてご紹介してまいりたいと思います。

菜の花について

春の街を歩いていると、あちこちで目にする菜の花。皆さんも、その花姿についてはよくご存知かと思います。

しかし、身近だからこそ知らないことって、実は意外とあるものですよね。菜の花のことも、「何科の植物で、こんな由来があって・・・」なんて話せる人は、そう多くないのではないでしょうか。

そこで、花言葉についてお話する前に、菜の花の植物としての特徴や、ちょっとした豆知識をご紹介いたしましょう。

菜の花の基本情報

  • 科・属名:アブラナ科アブラナ属
  • 学名:Brassica napus
  • 英名:Field mustard、Rapeseed(セイヨウアブラナ)
  • 和名:菜の花(ナノハナ)
  • 別名:菜花(ナバナ)、花菜(ハナナ)、油菜(アブラナ)、菜種(ナタネ)
  • 原産地:北ヨーロッパ、西アジア
  • 開花期:2~5月
  • 花の色:黄、白、紫、オレンジ

菜の花とは、アブラナ科アブラナ属の花の総称です。菜の花の草丈はおよそ15~30cmほど。茎の上部にかけて枝が分かれ、先端に黄色の小さな花をいくつも咲かせます。

花が咲き始めるのは、寒さが和らぎ始めた2月頃から。春の陽気が感じられる4月には最盛期を迎え、まるで黄色のじゅうたんが敷き詰められたように一面に広がる菜の花畑を各地で見られるようになります。

菜の花の歴史

ヨーロッパ地方を原産とする菜の花が日本に渡来したのは、弥生時代のこと。当時の人々は「かぶら」や「あおな」などと呼び、花芽を食べていたようです。日本でもっとも古い歴史書「日本書紀」の中にも、「天下をして桑、梨、かぶら等を勧め植えしむ」という記述が残されていますよ。

室町時代に入ると、種を搾って油をとる方法が考案され、食用油や行灯の明かりとしての利用が主流になっていきます。さらに、使い終わった油かすは、畑の肥料として再利用されていたのだとか。日本人は昔から節約上手だったんですね。

江戸時代には、菜の花の栽培が全国各地で行われるようになります。以降、栽培面積はどんどん拡大し、昭和30年代には菜種油の最盛期を迎えました。

しかし、稲の早植え化や農産物輸入の自由化などの理由により、菜の花畑は徐々に減少していきます。かつては菜種自給率100%を誇った日本ですが、現在はわずか0.04%。日本の春の風物詩とも言える一面の菜の花を見られる場所が少なくなるのは、なんだか寂しいものです。

菜の花の種類

菜の花には観賞用、食用、油用と3つの種類があります。

春先に河川敷などでよく見かけるのは「セイヨウカラシナ」あるいは「セイヨウアブラナ」という種類で、食用としていたものが野化したものです。

「寒咲花菜(カンザキハナナ)」という品種は、京野菜としても知られています。本来、菜の花の旬は2~3月にかけてですが、春の訪れを告げる食材として料亭などの需要に合わせ、12月頃に収穫が行われる早生種です。

菜種油の原料となるのは、セイヨウアブラナを改良して作られた「キザキノナタネ」と呼ばれる品種。寒さや雪に強く、北海道や北陸地方で栽培されています。

観賞用としては、縮れた葉が特徴的な「黒川寒咲ちりめん」や、白い縁取りのある可愛らしい自花を咲かせる「春蕾」などが人気です。

菜の花の色

菜の花といえば、多くの人が黄色の花をイメージすると思いますが、実は黄色以外の花を咲かせる菜の花もあるんですよ。

◆紫色の菜の花

紫の花を咲かせる菜の花は、「紫花菜(ムラサキハナナ)」という中国産のアブラナ科の植物です。群雄割拠の後漢末期に活躍した蜀の天才軍師・諸葛孔明が、戦場でこの花を食料として植えたことから諸葛菜(ショカッサイ)とも呼ばれています。

◆白色の菜の花

白い花を咲かせる菜の花は、実は大根の花です。大根も菜の花と同じアブラナ科なんですよ。大根の種類によっては、薄紫色の花を咲かせるものもあります。

食用としての菜の花

菜の花の「菜」という文字は、実は食用を意味しています。つまり、菜の花は「食べられる花」という意味なんですね。2~3月にかけての旬の時期には、スーパーの野菜売り場にも並びはじめます。菜の花を使った料理が食卓に並ぶのを、毎年楽しみにしているという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

美味しいだけでなく、実は栄養も満点。良質のタンパク質やビタミン、ミネラル類が豊富で、特にカルシウムはほうれん草のおよそ3倍も含まれているのだそうです。ちょっぴり苦みがある大人向けの味わいですが、ぜひ育ち盛りのお子さんにも食べてもらいたい食材ですね。

文学作品に登場する菜の花

晩秋の季語として俳句に詠み込まれることも多い菜の花。

江戸時代中期に活躍した俳人・与謝蕪村は、菜の花にまつわる歌を数多く残しています。代表的な歌をいくつかご紹介しておきましょう。

  • 菜の花や 月は東に日は西に
  • 菜の花や 摩耶を下れば 日の暮るる
  • 菜の花を 墓に手向けん 金福寺

小林一茶、松尾芭蕉と並んで「江戸の三大俳人」と称される与謝蕪村ですが、実は俳人である前に画家でした。そんな与謝蕪村の歌からは、菜の花の美しい情景が感じられますよね。

誕生花としての菜の花

2月6日がお誕生日の人は、菜の花が誕生花です。鮮やかな菜の花のように、人々の心を晴れやかにしてくれるような明るい性格の持ち主なのではないでしょうか。

身近に2月6日生まれの人がいるならば、これからご紹介する花言葉を添えて、菜の花をプレゼントするのも素敵ですね。

菜の花に込められた5つの花言葉

さて、ここからは菜の花に込められた花言葉をご紹介してまいりましょう。

菜の花全般を指す花言葉としては、以下の5つがあります。

  1. 明るさ、活発
  2. 快活な愛
  3. 競争
  4. 豊かさ、財産
  5. 小さな幸せ

では、なぜこのような花言葉がつけられるようになったのでしょうか。その背景を一つ一つ見ていきましょう。

「明るさ」「活発」

「明るさ」そして「活発」は、菜の花を代表する花言葉です。春の訪れとともに鮮やかな黄色の花を咲かせて、人々の気持ちをパッと明るくしてくれることからつけられました。

冬の寒さで引きこもりがちになっていた人も、春の陽気を感じると自然にどこかへ出かけたくなるでしょう。人間だけでなく、動物たちも冬眠から目覚め、草木も芽吹きはじめます。たくさんの生命が動き出す春に咲く菜の花に、とても良く似合う花言葉です。

「快活な愛」

この花言葉から、皆さんはどんな愛の形を想像するでしょうか。

いつも冗談を言っては笑い合っている友達、お付き合いを始めたばかりの若い恋人たち・・・そんな明るい愛情でつながった人たちが寄り添うシーンには、鮮やかな黄色の菜の花がよく似合いますね。

いつも傍で笑顔を見せてくれる大切な人と一緒に菜の花を眺める機会があれば、この花言葉とともに日頃の想いを伝えてみてはいかがでしょうか。

「競争」

この花言葉は、たくさんの菜の花がまるで青空に向かって競争をするかのように咲く姿からつけられたと言われています。

競争という言葉の本来の意味は、勝ち負けや優劣を他人と競り合うこと。しかし、野に咲く菜の花たちは、誰がいちばん美しいか・・・なんてことを意識してはいないでしょう。同じ場所に咲いた花同士、手を取り合うように空を目指して美しく咲き誇っています。

そんなふうに、私たちも夢や目標に向かってともに前進できる素晴らしい仲間に出会いたいものですね。

「豊かさ」「財産」

広い野原一面に咲く菜の花の黄色は、眩しい太陽の光に照らされると、まるで黄金色に輝いているようにも見えますよね。「豊かさ」や「財産」という花言葉は、そんな美しい光景から与えられたものだと言われています。

風水においても、黄色は特に金運アップに効果があるとされている開運色。菜の花自体も縁起が良い植物だとされています。菜の花パワーを取り入れるなら、切花をお部屋に飾るのはもちろん、旬の時期に菜の花を使った料理を食べるのも良いでしょう。旬の食べ物は、体の中から運気を高めてくれるんですよ。栄養価も高いですから、春には積極的に取り入れたい食材です。

また、人が豊かさを感じられるのは、金銭的に裕福な時ばかりではありません。健康な身体、いつも支えてくれる家族の存在、未来を照らしてくれる夢や目標・・・これらも気持ちを豊かにしてくれるもの。日々の暮らしに物足りなさを感じてしまう時には、菜の花の咲く風景をぼんやりと眺めてみてください。豊かさの本当の意味を教えてくれるはずです。

「小さな幸せ」

菜の花には、バラやユリの花のような豪華さは決してありません。しかし、小さな花が寄り添うようにして咲くその姿からは、素朴な可愛らしさを感じられます。この「小さな幸せ」という花言葉は、そんな菜の花の持つ魅力からつけられたものなのだそうです。

雨上がりの空に虹を見つけた、信号に一度もひっかからずに会社まで行けた・・・大したことではないけれど、ちょっぴり気分が上がる。そんな小さな幸せは、毎日の暮らしをより楽しく豊かにしてくれます。心の感度を上げて、小さな幸せをたくさん集めていきたいですね。

色別の花言葉

色別の花言葉についてもご紹介しておきましょう。

◆白い菜の花

白い菜の花とは、大根の花のことでしたね。花言葉は「潔白」と「適応力」。「潔白」は白い花のイメージ、そして「適応力」は大根がどんな料理にも使える万能食材であることが、それぞれ由来となっています。

◆紫の菜の花

あの諸葛孔明が広めたという紫の菜の花には、「知恵の泉」「優秀」「聡明」という花言葉が与えられています。まるで、稀代の天才軍師と評された孔明をあらわしているようですね。

今が見頃!菜の花が美しいお出かけスポット

さて、皆さんは春の大型連休の予定はもうお決まりですか?「特に何も考えていなかったなぁ・・・」という人や、「どこに行こうかまだ迷っている・・・」という人は、ちょうど見頃を迎える菜の花を見に出かけてみてはいかがでしょうか。

ここからは、菜の花の美しさを堪能できるお出かけスポットやイベント情報をご紹介いたします。都会の喧騒にお疲れ気味の人は、大自然の中から癒しのパワーを分けてもらいましょう。

【秋田県】桜と菜の花ロード

秋田県・大潟村を走る県道298号線沿いには、約11kmにわたって桜の木と菜の花が植えられており、天気の良い日には桜と菜の花が織り成すピンクと黄色の美しいコントラストを楽しむことができます。

花の見頃は4月下旬からおよそ1ヶ月ほど。 菜の花ロードのほかにも、大潟村には総面積11ヘクタールを超える菜の花が咲き、ゴールデンウィーク期間は多くの観光客で賑わいます。

【長野県】いいやま菜の花まつり

「菜の花畑に、入日薄れ・・・」。菜の花というと、唱歌「おぼろ月夜」の歌詞を思い出す人も多いのではないでしょうか。この歌の情景は、長野県・飯山市にある「菜の花公園」付近がモチーフになっていると言われています。

菜の花が見頃を迎えるゴールデンウィーク期間には「菜の花まつり」も開催。およそ13ヘクタールもの広大な菜の花畑の中で、パレードや音楽祭などの各種イベントが行われます。

【愛媛県】翠波高原

愛媛県・翠波高原の菜の花は、ちょうどゴールデンウィークに見頃を迎えるように栽培されているのだとか。4月下旬頃には、およそ20万本もの菜の花が咲き誇ります。

畑には通路が巡らされており、菜の花を分け入るようにして散策を楽しめます。散策道の先にある展望台から見える、四国の山々の大パノラマも圧巻です。

【韓国】

大型連休ということで、海外の絶景スポットもご紹介しておきましょう。

日本でも人気となった韓国ドラマ「春のワルツ」。作中にたびたび登場する、美しい菜の花畑が記憶に残っているという人もいらっしゃるかと思います。

菜の花が印象的なシーンのロケ地は「青山島(チョンサンド)」。山、海、空が青いことから、青山という名前がついたのだそうです。菜の花が見頃となる4~5月にかけては、ドラマファンのみならず多くの観光客が訪れます。

なお、菜の花は韓国語で「ユチェ」、漢字表記では「油菜」です。

まとめ

今回の記事では、菜の花の花言葉についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

気持ちが前向きになるポジティブな言葉がいくつも込められている菜の花は、荒れた土地でも育つほど丈夫で、修景用としても使われることがあります。

現在、東日本大震災によって大きな被害を受けた地域では、農地として利用できなくなった土壌に菜の花を植えるプロジェクトが行われています。今年も間もなく見頃を迎える菜の花は、土壌の改善はもちろんのこと、地域に暮らす人々の心を勇気づけることでしょう。

最後までご拝読いただき、ありがとうございました。

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