ナズナ(ペンペン草)の花言葉や名前の由来を知ろう!

皆様はナズナというアブラナ科の植物をご存知でしょうか?別名でペンペン草と呼称されていることでも有名です。この植物は、西洋で表記されている名称「Shepherd’s purse」を直訳すると、日本語で羊飼いの財布となります。ナズナの形が名称の由来だそうですが、実際のところは定かではありません。

このナズナという植物は、実は古くより中国では止血剤として、またヨーロッパでは痛風や赤痢の薬として用いられてきたようです。日本人にとっては、七草粥に入っている草というイメージが強いんですが、実は日本国内でも古来より、薬草として親しまれてきました。季節的には4月ぐらいが最盛期だそうですが、冬から春にかけて咲きます。

ナズナの名称の由来

日本国内において、ナズナという名称の由来については諸説ありまして、1つは撫でていたい可愛い菜という意味から「撫で菜(なでな)」と呼ばれ、変化してナズナになったという説です。もう1つは、夏には枯れて無くなってしまうため「夏菜(なつな)」と呼ばれていたのが、変化してナズナになったという説です。

別名のペンペン草にも、名称の由来がありますのでご説明致します。ナズナの実際の形が、和楽器の三味線の撥(バチ)に似ていることから付いた別名です。三味線を弾いた時に出る音を、人が口頭で真似た時の擬音語「ペンペン」という発音との掛け合わせで、名付けられた名称だという説が最も有力です。

ナズナの花言葉

ナズナのフラワーランゲージは「I offer you my all」、日本語で「あなたに私のすべてを捧げます」という花言葉となります。それから、ナズナには誕生日がありまして1月7日となっています。花言葉の歴史を辿りますと、17世紀頃にトルコから発祥されたと云われており、それがヨーロッパへと広がりました。

花言葉が日本に持ち込まれたのは、19世紀頃の明治時代と言われています。ですので、まだ日本は花言葉の歴史が浅いと言えます。日本の文化に乗じて、日本独自の花言葉がつけられることも多かったため、日本の花言葉は日本以外では異なることがあります。現代では、日本国民の大半が花言葉を受け入れている状況です。

ナズナという草について

ここでは、ナズナという草についての詳細を各項目ごとに説明していきます。まず、ナズナは冬から翌年の春まで花を咲かせます。花を咲かせるのは2月から5月ぐらいで、花持ちの期間も約3日ほどと短い植物です。ですが、雨や風にも強く荒れた土地でも自力で成長する逞しさも備えています。

ナズナは、背丈は高めですが非常に小さな花でして、あらゆるところに咲いています。山道や道路の片隅などでも垣間見えます。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられています。別名ペンペン草という異名を持つナズナの特性や側面などを、各項目に分けて紹介していきたいと思います。

ナズナは春の七草の1つ

昨今では存在を潜めている風習で、耳にすることも随分と減りましたが、日本では毎年1月7日に七草粥を食べるという習慣がありました。七草粥の七種類の草の由来は、源氏物語の注釈書「河海抄」に春の薬草について「セリ、ナズナ、菘、仏の座、御形、すずしろ、はこべら」と書かれていたことから春の七草となりました。

七草の1つであるナズナを、昔の国人達は乾燥させて、焼いたり煎じたりしたものを生薬として用いていました。一般の民間療法でも使用されるようになり、発熱、下痢、風邪、腹痛を解消する効能を発揮し、庶民の方々を助けていたそうです。女性の生理不順や、便通を改善する効果もあるため多くの支持者が居ました。

ナズナの生息分布状況

ナズナという植物は、日本だけに留まらず温帯地域に広く分布する種類です。まず、日本のナズナは果実の幅と長さが殆ど同じぐらいで、ほぼ正三角形に近い形をしています。一方で、ヨーロッパ諸国などでは明らかに、細長い二等辺三角形状の変種が主流だそうです。名称も見たままで、ホソミナズナと言います。

ナズナは日本各地の、どこにでも生息している植物です。ごく自然に植木鉢の中にでも芽生えてくるほどです。畑地環境に多く見られる越年草で、梅雨入り前には種を落として枯れるというのがナズナの人生周期です。ちなみに、現段階では生命力の強い丈夫なナズナが絶滅するという心配は、世界のどの国にもありません。

ナズナは七草粥に不可欠

その医療効果も発揮する、七草の1つであるナズナは、食べ物の一環としても必要不可欠なものであります。先ほど記しました七草粥ですが、呼んで字の如く七草の若菜を入れたお粥の呼称です。江戸時代に入ってから、幕府が慣例行事として人日を祝日に定め、各々で七草粥を食べる風習が広まりました。

ナズナだけでも、充分なほど人間の身体に良い効能が含まれていますので、七種類の若菜が入った七草粥は最強の健康食と言えるでしょう。万病を遠ざける食べ物としても重宝されていたナズナですが、当時は基本的に葉と花の部分を食して、茎や根の部分は乾燥させて薬として使われていました。

ナズナに似た近縁種類

ナズナに似ている近縁種類の植物に、イヌナズナとグンバイナズナという花が存在しています。何故に近縁種類かと申しますと、パッと見ただけでは特定できないほど似ているからです。まずイヌナズナとの見分け方は、ナズナはハート形の実が付いていますが、イヌナズナは楕円形の実を付けています。

あと、グンバイナズナとの見分け方ですが、グンバイナズナは白い十字架のような花を春に咲かせます。そして付いている実の形が、大相撲の行司が手に持つ軍配に似ているのでナズナとの違いが判ります。グンバイナズナという名称は、そこから名付けられました。名付けられた方のセンスは、素晴らしいですね。

ナズナが持つ美容効果

これは女性の方に吉報かも知れませんが、実はナズナには美容効果もあるとされています。その効能ですが、顔や手足のむくみと便秘の改善が期待出来ます。まず、手っ取り早く摂取する方法は、ナズナをお茶として飲みます。市販もされていますが、簡単に出来ますので、自力で摘んで作っても良いかと思います。

次に、料理にナズナを取り入れて食べる方法ですが、これは色々とあります。例えば、天ぷらにしても食することが出来ます。ナズナをよく洗浄してから、水気を切って天ぷら衣を軽く付けて揚げるだけで出来上がりです。この場合は、天つゆより塩を付けて食べたほうが、ナズナの美味しさが際立ちます。

ナズナを飾りの一部にする

まず、ナズナは草丈が長く茎には果実も付着しているので、フラワーアレンジに動きを出すのにも似つかわしい植物です。シックな雰囲気の花束や、緑色の花々で包んだ束にナズナを入れるなどしても、他の花との相乗効果を伴って素敵な感じになると思います。

それから、ナズナをドライフラワーにすることも可能です。元来は2月から5月までしか見られないナズナも、ドライフラワーにすれば、開花時期や季節に関係なくナズナを身近に置いて活用出来ます。ナズナを乾かす過程で花は縮みますが、果実の部分は厚みが残り可愛いらしい感じになります。

ナズナが奏でるペンペン音

別名ペンペン草と呼ばれているナズナを用いて、ナズナが奏でるペンペン音を出してみましょう。まず、ナズナの果実の部分をそっと下側に引っ張って茎から少しだけ剥がします。そして、茎の下側を摘んで、指の腹を擦り合わせるようにしてナズナを回転させます。

ナズナの果実を多く剥がしたほうが、多少ですが大きめの音が鳴ります。実際はペンペンと三味線のような音が鳴る訳ではなく、シャラシャラ…といったような風情を感じる聞き心地の良い音です。まだ一度も作ったことがない方は、是非お試し下さいませ。

ナズナを用いた表現語句

現代では、もうあまり使わなくなった言葉で「〇〇が通ったあとは、ペンペン草の1つも生えてこない」という表現語句があります。例えば、ペンペン草が生えているという言葉の裏側には、ナズナは荒廃したところでも生育することから荒れ果てた様子を指します。

逆に、ペンペン草も生えないという言葉を使った人がいれば、その意味は荒れ果てた場所でも育つことが出来るナズナですら生育出来ない酷い有様や様子を指します。例として「あの人が圧し掛けた後の家や事務所に行っても、中のモノを根こそぎ掻っ攫うからペンペン草さえ残らない」などで用います。

ナズナと人間との関わり

少し先述で触れましたが、かつての日本では、ナズナは冬季の貴重な野菜でした。そして何より、人間たちが病気で困った時にナズナは大活躍しました。民間薬として、乾燥させた後に煎じたり、煮込んだり、焼いたりして、様々な当時の難病も改善したという記録が遺っているほどです。

ナズナの栄養成分を挙げますと、まずカルシウム、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2が、ホウレン草よりも多く入っていて、中でも鉄分は2.4gも含まれています。あと癌や皮膚病の予防にも適しており、他にも目の充血、骨粗鬆症、吐血、解熱、高血圧、便秘などの改善にも効果的です。

まとめ

今回は、ナズナことペンペン草の魅力と花言葉について綴らせて頂きましたが、いかがだったでしょうか。ナズナの花言葉は、これ以上はないと思えるほど素敵な言葉だと存じます。一定期間しか咲かない植物のナズナですが、花言葉に恥じない魅力を持つ花であると感じます。それから、どこからでも生えてくる生命力には必然的に惹かれます。

植物としてだけでなく、七草粥という食べ物の一環にもなるぐらいですので、ナズナ自体に多くの健康的な成分が含まれているのでしょう。撫でて汚れを取り除くと敬称されるほど、食材としても縁起が良いと言う方も多いそうです。私事ですが、毎年1月7日に近所の神社が催す、若菜祭で七草粥を頂いてます。

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