クレマチスの花言葉を知ろう!誕生日に贈る際の注意点は?

「ツル性植物の女王」として世界中で愛されているクレマチス。「鉄線(テッセン)」や「風車(カザグルマ)」という名前でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

ガーデニング愛好者からの人気も高く、多くの方が家々の庭先やフェンスなどでその美しい姿を目にしたことがあると思います。

わりとよく見かける花ではあるものの、クレマチスに込められた「花言葉」までご存知の方は少ないでしょう。姿や香りを楽しむのも良いですが、花言葉を知っておくと、大切な人に花のプレゼントを贈る時にも役立ちますよ。

今回の記事では、クレマチスの花言葉をご紹介したいと思います。

クレマチスについて

花言葉をご紹介する前に、クレマチスの植物としての特徴を簡単にご説明しておきましょう。

クレマチスの基本情報

  • 科名・属名:キンポウゲ科・センニンソウ属
  • 学名・英語名: clematis
  • 和名:仙人草(センニンソウ)
  • 原産地:日本、中国、ヨーロッパなど
  • 開花期:4~7月(最盛期は5月)
  • 色:赤、ピンク、白、青、紫、黄など

クレマチスは、キンポウゲ科のツル性多年草です。

センニンソウ属の植物は北半球全域に広く分布していますが、中でもクレマチスの原種とされるものはおよそ300種類ほど存在すると言われており、日本をはじめとした世界各国でその美しい姿を見ることができます。

花が見頃を迎えるのは、春から初夏にかけての暖かい時期。細いつるをぐんっと伸ばして咲く色鮮やかな大輪の花が、家々の庭先を彩ります。

クレマチスの花名の由来

クレマチスという名前は、ギリシャ語で植物の蔓(つる)を意味する「klema」に由来します。

ガーデニングが盛んなイギリスでは、バラとクレマチスを組み合わせて植えることが多く、バラは「キング」、クレマチスは「クイーン」と呼ばれています。大ぶりで豪華な花が咲くクレマチスにぴったりの呼び名ですね。

また、英語では「旅人の楽しみ(Traveller’s joy)」、イタリアでは「ごま塩ひげ」、フランスでは「乞食草」といった別名も親しまれているそうです。

「乞食」だなんて、その美しさには相応しくない名前のように感じますよね。この理由は、花言葉のご紹介の際にお話したいと思います。

クレマチスの歴史

クレマチスは主にイギリスで品種改良が行われ、近年では2,000種類以上もの園芸品種があると言われています。

品種改良の原種となっているのは、日本原産の「カザグルマ」や、中国原産の「テッセン」です。日本にテッセンが持ち込まれたのは16世紀以前と古く、桃山時代の書物にはその記録が残されているのだそうです。

テッセンやカザグルマといった園芸品種は江戸時代に作られたもので、出島のオランダ商館に医師として来日したシーボルトによってヨーロッパに渡ります。その後、品種改良が盛んに行われ、明治時代には「クレマチス」の名で日本に輸入されるようになりました。

クレマチスが人気の理由

◆色の種類が豊富

クレマチスの色のバリエーションはとても豊富です。庭先で見かけることがもっとも多いのは白や青~紫系ですが、他にも赤やピンク、黄色の花を咲かせる種類があります。

◆形も多種多様

ツル性植物であるクレマチスですが、中には真っすぐに伸びる木立性の種類もあるんですよ。また、ボリューム感のある大輪の花を咲かせるものや、可愛らしいベルのような形の花を咲かせるものなど、花の咲き方も品種によって様々です。

◆寒い時期にも楽しめる

クレマチスの開花期は春から初夏にかけての暖かい時期ですが、冬の寒い時期に美しい姿を見せてくれる品種もあります。冬咲き品種として代表的なのは、「カリシナ」「シルホサ系」「アンスンエンシス系」などです。葉も常緑で、すっかり寂しくなった冬の庭先を鮮やかに彩ります。

クレマチスの失われた「花びら」

クレマチスは、花びらを持たない花としても知られています。

クレマチスの花びらのように見える部分、実は萼(がく)なんですよ。実際の花びらは退化してしまったと言われていますが、その理由はまだわかっていないのだそうです。

クレマチスの花言葉

さて、ここからはクレマチスの花言葉をご紹介していきたいと思います。

クレマチスには、バラやチューリップなどのような色別の花言葉は存在しません。クレマチス全般を指す花言葉としては、以下の4つがあります。

  • 「精神の美」「心の美しさ」
  • 「旅人の喜び」
  • 「策略」
  • 「甘い束縛」

花言葉の由来や意味を、一つ一つ見てみましょう。

「精神の美」「心の美しさ」

「精神の美」そして「心の美しさ」は、いずれもクレマチスを代表する花言葉です。

一見すると、細くてすぐにでも折れてしまいそうなクレマチスのツルですが、大輪の花をしっかりと支える強さを秘めています。この花言葉は、そんなクレマチスの力強さを讃えて与えられたものなのだそうです。

内面的な魅力があふれる素敵な女性に、ぜひこの花言葉を添えてクレマチスの花を贈りたいものですね。

「旅人の喜び」

英語圏では「Traveller’s joy」の別名でも親しまれているクレマチス。イギリスの植物学者が、その名を与えたとされており、そのまま花言葉としても定着したようです。

かつてヨーロッパを旅する人たちは、木々などにツタを絡ませて生い茂るクレマチスの下で雨風をしのいだと言われています。また、ヨーロッパの宿屋では、玄関にクレマチスを植えて、疲れた旅人たちを迎えていたのだそうです。

その美しさに、旅人たちもきっと心癒されたことでしょう。とっても素敵な風習ですよね。

現代ならば、出張の多い旦那様に「ゆっくり休んでね」の意味を込めて、家の玄関にクレマチスを咲かせてお出迎えするというのも粋ではないでしょうか。

「策略」

「策略」という花言葉は、クレマチスのとある性質が関係しています。

実は、クレマチスを剪定した時に出る汁には、皮膚に触れると水疱やかぶれなどの肌荒れを引き起こす毒が含まれています。

その昔、ヨーロッパの貧しい人たちは、物乞いをする際にこの汁を体に擦り付けて肌を傷め、人々の同情を誘っていたのだとか。クレマチスがフランスで「乞食草」と呼ばれるのは、この言い伝えが由来となっているんですよ。

こうした人々のしたたかさから、「策略」の花言葉が誕生したと言われています。もし花言葉に詳しい人からクレマチスを贈られたなら、あなたはどこか小悪魔的な魅力を持っているということなのかもしれませんね。

「甘い束縛」

艶っぽさが感じられるこの花言葉は、クレマチスがツル性の植物であることに起因します。

咲いている様子を近くで見たことがある人はご存知かと思いますが、クレマチスの多くの品種は木々やフェンスなどにツタを絡ませるようにして繁茂し、色鮮やかな美しい花を咲かせます。

まるでクレマチスのように華やかな美女にまとわりつかれるなんて、まさに「甘い束縛」ですよね。伝え方次第では、愛情表現としても一役買ってくれそうなフレーズです。

西洋での花言葉

英語の花言葉についてもご紹介しておきましょう。

  • 「Mental beauty(精神の美)」
  • 「Beautiful mind(美しい心)」
  • 「Chastity(高潔)」
  • 「Traveller’s joy(旅人の喜び)」
  • 「Ingenuity(創意工夫)」
  • 「Artifice(策略)」

日本にはない「創意工夫」という花言葉は、クレマチスがツル性の植物であり、庭やフェンスの形状に合わせて自在に誘引できることから付けられたと言われています。

大切な人にクレマチスを贈ろう

春から初夏にかけて咲くクレマチスは、5月の母の日の頃にはちょうど見頃を迎えます。母の日のお花といえばカーネーションが定番ですが、「毎年のように贈られて少し飽きてしまった」なんてママさんも多いはず。今年は大ぶりで華やかなクレマチスの花を贈って、ちょっぴり驚かせてみてはいかがでしょうか。

クレマチスは多年草なので、うまく育てれば美しい花を毎年楽しむことができます。ガーデニング好きな人へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう。

クレマチスの代表的な品種や、クレマチスを誕生花とする日などをご紹介しますので、贈り物をする際の参考にしてみてくださいね。

クレマチスの種類

◆旧枝咲きグループ

冬の休眠期前からある枝に花を咲かせるタイプです。新しい枝から花を咲かせないため、開花は1年に1度きりですが、ボリューム満点の見事な花姿を見せてくれます。

主な系統としては、モンタナ系、パンテス系、アーマンディー系、早咲き大輪系、シルホサ系、フォステリ系、コナータ系、ベバエンセラ系などがあります。

新旧両枝咲きグループ

地上にツルを残して越冬し、古いつると新しいつるの両方に花が咲きます。

主な系統は、フロリダ系、ラヌギノーサ系、タングチカ系、早咲き大輪系などです。

◆新枝咲きグループ

新しく生えた枝からしか開花しないのが、このタイプの特徴です。

主な系統には、テキセンシス系、ヴィオルナ系、ジャックマニー系、インテグリフォリア系、ヴィチセラ系などがあります。

クレマチスを誕生日に贈るなら

クレマチスを誕生花とする日を、月別にご紹介します。

  • 4月:10日、27日
  • 5月:3日、5日、9日、10日、30日
  • 6月:5日、26日
  • 7月:1日、2日
  • 9月:12日、14日
  • 10月:22日

クレマチスが誕生花とされている日は、とても多いですね。この中で、6月26白は白色のクレマチス、7月2日は紫色のクレマチスと色が限定されています。

まとめ

今回の記事では、クレマチスの植物としての特徴や花言葉についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

よく目にする身近な植物ほど、その美しい姿に込められた花言葉については知らないものです。春の訪れとともに家々の庭先を賑やかにしてくれるクレマチスにも、とっても素敵な花言葉がありましたね。花言葉を知ると、一見か細く弱々しい茎の先に大輪の花を咲かせる様子は、私たちに「強く美しくあれ」と語り掛けているようにも感じます。

見て楽しむだけでなく、ガーデニングに興味のある方はご自分で栽培してみるのもおすすめです。クレマチスは比較的育てやすく、初心者の方でも挑戦しやすいそうですよ。

最後までご拝読いただき、ありがとうございました。

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