撫子の花言葉や名前の由来を紹介!誕生花はいつなの?

あなたは、撫子(ナデシコ)のお花にどんな印象を持っていますか?ナデシコといえば「ナデシコジャパン」を思い浮かべる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?ナデシコはピンク色の可愛らしい、健気にそっと咲いている姿が印象的ですよね。

ナデシコに限らず、お花にはそれぞれ花言葉や名前の由来、神話、特徴など色んな情報がありますが、今回は愛らしく咲く『ナデシコ』のお花にまつわる様々なことについてご紹介していきます。

ナデシコについて

なでしこは、平安時代から女性や子供の例えに用いられる花です。そして、みなさんもご存じのように、奥ゆかしく慎み深い女性のことを「やまとなでしこ」などという言葉で呼びますよね。

ナデシコはその名に相応しいお花で、かわいらしく控えめな印象の草花です。

ナデシコとは?原産地・学名など

【学名】Dianthus hybrids

【英名】pink・ gillyflower ・dianthus

【別名】ディアンツス・常夏・ダイアンサス

【和名】河原撫子(カワラナデシコ)

【科・属名】ナデシコ科 ナデシコ属(ダイアンサス属)

【原産地】東アジア

【開花時期】3月から5月・9月から11月

【花の色】ピンク・赤・白・紫・グラデーションなど5弁の縁に切れ込みが入っています。

ナデシコは‟大和撫子”という事から、日本の花という印象が強いのではないでしょうか?しかし、ナデシコは世界に300種ほど分布しています。

毎年、春と秋に花を咲かせる、多年草です。そして、丈夫で育てやすいことから、ガーデニングに人気で、花壇や鉢植えなど園芸で楽しまれる方が多いお花です。

ナデシコの名前の由来

ナデシコの学名「Dianthus」とは、ギリシャ語で‟神”を意味する「Dios」と花を意味する「Anthos」が合わさったものであります。ギリシャの植物学の父と呼ばれることで有名な学者、テオフラストスが命名したと言われています。

和名では「撫でたくなるほどに可愛いらしい」という花の姿に由来して、この名前がついたと言われています。

ナデシコと秋の七草

ナデシコは秋の七草のひとつで、古くから日本人に愛されてきました。春の七草のように食べることはできませんが、観賞用として愛でることができます。

秋の七草は他に、女郎花(おみなえし)・尾花(おばな)・桔梗(ききょう)・藤袴(ふじばかま)・葛(くず)・萩(はぎ)があります。

ナデシコの花

もともと、とても種類が多く、江戸時代に到来した園芸ブームによって、中国の常夏と自然交配が行われ、多くの園芸品種が生み出されています。ヨーロッパでは、15世紀に栽培されたものが、カーネーション元となり、17世紀にはイギリスで多数の品種が誕生しました。

そのことから、植える場所や品種によってはほぼ一年間、四季咲きで鑑賞することができます。常緑性で、日本に自生する植物であることから、日本の環境に馴染みやすく、ガーデニングや切り花に活用されています。

ナデシコは、古くから「古典園芸植物」として栽培されてきた一つです。江戸時代までは品種改良されたものばかりでしたが、最近はあまり見かけません。そして、ナデシコのお花は万葉集に数多くよまれたほか、枕草子や小林一茶の俳句にも登場しています。

ナデシコの花言葉

ナデシコの特徴についてお話してきましたが、ナデシコの花言葉はどんな言葉があるのでしょうか?

色によってそれぞれ意味が異なっていますので、ご紹介していきます。

なでしこ全般の花言葉

花の色に関係なく、ナデシコには「大胆」という言葉の意味があります。これは、西洋のなでしこの明るい花色から付けられているようです。

余談ですが、誰もがご存じの日本代表女子サッカーチームの名前に「なでしこジャパン」がありますが、あのネームの意味には「清楚で凛とした美しさをもつ日本女性をたたえる言葉」として、「大和撫子」の意味と世界に羽ばたけるようにという「ジャパン」を組みあわた名前だそうです。ナデシコの花は世界共通で、奥ゆかしい日本女性を思わせる名前として有名なのですね。

ピンク色のナデシコ

ピンク色のナデシコの花は「純粋な愛」です。ナデシコといえば、ピンク色!ですよね。あの愛らしいピンク色は、桜のように淡いピンクではなく、深い色合いで、確かにどことなく奥ゆかしさを感じさせますよね。

結婚相手や、恋人、パートナーなど女性に可愛らしいピンクのナデシコを贈ると、きっと喜ばれることでしょう。「純粋な愛」という意味からも、気持ちをストレートに表現でき、贈りやすいのではないでしょうか。

赤色のナデシコ

赤色のナデシコの花言葉は「純愛」です。特に八重咲きのものにあてられています。ピンクの花言葉とかぶるのですが、こちらは赤色という事から、より情熱的で親密な関係の人に贈る方が、適しているように思います。

お付き合いしてから長く愛を育んでこられたカップルや、結婚相手などに向ける言葉として赤のナデシコは喜ばれることでしょう。

白色のナデシコ

白色のナデシコの花言葉は「器用」「才能」です。まっさらな白い色をした、ナデシコはこれから何かの分野を極めていく方へのエールとして贈ると喜ばれるかもしれません。

混じりけのない純白の色合いからは、とても凛とした印象を持ちます。素敵な女性へのプレゼントにも良いでしょう。

ナデシコの種類・誕生花・育て方

ナデシコの種類はなんと世界に約300種類あります。カーネーションやカスミソウもナデシコ科の仲間です。

その中でも有名な品種と、誕生日の花としてのナデシコや、そのナデシコの育て方、漢方薬としてのナデシコをご紹介していきます。

ナデシコの種類

【カワラナデシコ】

日本・朝鮮・台湾・中国など東アジアを中心に生息しているナデシコです。ナデシコといえば、これ!というくらい代表的な品種です。「河原」に生息することからこの名前がついていますが、山や海岸でも見かけることがあります。

【ムシトリナデシコ】

ヨーロッパ原産のナデシコで、名前にもあるように、葉っぱの下から粘液を放出し、虫をとらえることが特徴です。これは、虫を食べることが目的ではなく、花の蜜を得るためにしているようです。

【ハマナデシコ】

別名「フジナデシコ」と呼ばれるこの品種は、日本の本州から沖縄・中国の海岸の岩の隙間や砂地に生息する品種で、花は紅紫色で茎が株状になり、下の方が木のようになる性質が特徴です。

【美女ナデシコ】

別名「アメリカナデシコ」という名前をもちますが、ヨーロッパからアメリカ、そして日本へと伝わってきたので、アメリカには咲いていません。その花姿はこんもりと盛り上がっていて、花の苞にヒゲのようなものが見られるため、「ヒゲナデシコ」とも呼ばれています。

【セキチク】

中国から平安時代に渡来してきた品種で「唐撫子(からなでしこ)」とも言われています。花色の発色が良く、開花時期の長い四季咲きの品種です。このセキチクの改良品種である「常夏(トコナツ)」は江戸時代に流行し、種子繁殖ができず、挿し芽で増やしていく方法があります。

【伊勢ナデシコ】

伊勢の名の通り、三重県の松坂地方で品種改良されたなでしこで、花弁が糸のように縮れて垂れているのが特徴となります。

【タツタナデシコ】

こちらは、地中海沿岸が原産のナデシコで、カーネーションなどの多くの園芸品種の元となる育種に使われてきました。銀緑色の葉を茂らせて、こんもりと敷物状に広がって育ちます。そして花には蛇の目模様があります。

【ヒメナデシコ】

‟姫”という可愛らしい名前が付くこの品種は、ヨーロッパ原産の園芸品種で、草丈が低く、秋に鮮やかな紫色の花を咲かせることが特徴です。発芽率が高く、こぼれた種でもよく繁殖していきます。欧米では人気の品種です。

ナデシコの誕生花

なでしこは7月22日と7月28日の誕生花です。主な花言葉は、上述した通り「無邪気」や「純愛」です。しかし他にも「長く続く愛情」や「いつも愛して」や「思慕」、「貞節」「女性の美」「大胆」「快活」などたくさんの意味を持ちます。

誕生花は同じ月日であっても別のお花も複数存在しています。ナデシコを贈るときは、一緒に花言葉も添えると喜ばれるでしょう。

ナデシコの育て方

ナデシコは丈夫で、ガーデニング初心者の方でも育てやすいお花です。気を付けることは、高温多湿の環境に置くことです。四季咲きの品種であれば、夏以外の季節はいつでもお花を楽しむことができます。

ナデシコの花姿は小柄なものばかりですので、色んな色の花を寄せ植えにして楽しむのもオススメです。ガーデニングを始める方は、是非ナデシコの花を育ててみてくださいね。

漢方としてのナデシコ

ナデシコは実は生薬として、漢方薬にも使われています。その名前は「瞿麦(くばく)」といい、ナデシコの全草を乾燥させたもので、生薬として使用する場合は、開花中の地上部の草全体を乾燥させたものを使います。

漢方は、生薬が何種類も合わさってできたもので、生薬単体で煎じて飲むような機会は少ないと思います。ナデシコの生薬のその効果とは、余分な水分を追い出す利水作用、余分な熱のこもりで体の火照りをとる消炎作用や、体を潤す利潤作用などがあります。ナデシコの花が薬としても使われているとは驚きですね。

まとめ

今回は、ナデシコのお花のご紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?ナデシコが古くから親しまれ、俳句にも登場するなど、奥の深いものでした。

お花を贈るときに、花言葉は気になるものですが、古くからのお花の意味や特徴までは、なかなか知る機会が少ないですよね。

今回はナデシコについてお話してきましたが、ナデシコに限らず、お花の意味やその歴史を知ると、より一層そのお花が素敵に輝いて見えます。このナデシコの記事をきっかけに他のお花のことも知りたいと思っていただければ幸いです。

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