日本を代表する花と言えば、桜という人がほとんどでしょう。その一方で、菊も皇族の紋である「菊の御紋」になるなど日本を代表する花と言えるでしょう。高貴な印象があり、お墓に備える「仏花」としても用いられています。そんな菊にはどのような花言葉があるのか知っていますか?
花言葉はキク科全体の花言葉もあれば、色別に花言葉があります。そこで今回は菊の花言葉や菊とはどのような花なのか、プレゼントに贈る花として向いているのかについてご紹介していきます。
菊について
ではまずは菊はどのような花なのかご紹介していきます。
菊の特徴について
菊はキク科キク属の植物植物です。菊には自生している菊や家菊、栽培菊など色々分類されています。日本で観賞用の多年草植物として栽培されている品種群のことを「和菊」と言い、西ヨーロッパで栽培されて生まれた品種群のことを「洋菊」と呼びます。
食用菊は「もってのほか」などの品種が有名です。日本ではバラやカーネーションとともに多く生産されています。
日本では元々中国から来た外来種で、薬草や観賞用として広まり始めました。平安時代には宮中で重陽の節句という菊を用いた節句が行われ、明治時代まで続きました。現在でも皇室園遊会として行われています。
稲の栽培と似ていたから広まった!?
日本で平安時代から現在まで菊の栽培が盛んに行われるようになったのは栽培のプロセスが稲の栽培に似ていることが理由だという説があります。
菊は冬に芽を取って、春に植えて、夏に成長させて、秋に鑑賞するなどというようなプロセスとなっています。現在では各地に愛好会ができ、秋には愛好会が主催した品評会が開かれています。
なぜ天皇家の紋章に使われるようになったの?
天皇家の家紋は菊なのですが、これは後鳥羽上皇が菊が好きだったことに由来しています。平安時代末期から鎌倉時代の初期の時期に即位していた第82代天皇である後鳥羽上皇は菊が大好きでした。衣服や刀など後鳥羽上皇ゆかりのものには菊紋章がついていたそうです。
それ以来89代の後深草天皇や90代の亀山天皇、91代の後宇多天皇が菊の紋章を引き継いでいきました。それにより「十六八重表菊」という菊花紋が皇室の紋章となったのです。
また、菊の原産地であった中国では、菊は「尊厳、権力、崇高」の象徴とされてきました、高貴で豊かな香りが日本でも皇室や貴族に愛されて来たのです。
1868年になると、菊が最高権威のシンボルと認定され、「十六弁八重表菊紋」が天皇家のみの紋章として規定されました。貴族で十六弁の菊紋章をしよう指定た場合は、「十六裏菊」や「十四裏菊」などに家紋を変えるなど重ならないようにされていました。
1871年になると、皇族以外の人間が菊の紋章を使用することが禁止されて、もしも一般人が菊の紋章を使っていたら、犯罪になっていました。(天皇から賜った場合を除く)
人々の間で菊紋章が大流行する!
菊紋章が天皇家だけの家紋になる前は数多くの家系で家紋として用いられてきました。例えば、公家なら広幡家や水瀬家、七条家、桜井家などの家系が菊紋章を使用していました。
武家なら、後鳥羽上皇に忠義を尽くした楠木正成の「菊水紋」が特に有名です。武家が使用した菊紋章は主に以下になります。
- 籬架菊
- 三つ盛菊
- 輪違いに菊
- 二つ雁に菊水
- 亀甲の内に菊
皇室から公家や将軍へ与えられ、公家から武家へ与えられ、武家から家臣へと与えられるなど、その功績を称えて菊紋を与えられました。功績や身分によって菊紋章が与えられていきました。
しかし、正式な順序を踏まないで、こっそり菊紋章を作って利用する人が続出し、1591年と1596年に菊紋章を乱用することが禁止され、取り締まられていきました。
そこから年を経て第二次世界大戦が終わった後に、菊紋章が自由に使えるようになりました。そのため、今でも菊紋章を家紋として使っているのには以下の理由が考えられます。
- 皇族
- 戦前に天皇から菊紋章を賜った
- 戦後に自分から菊紋章を作って使い始めた
また、家紋以外にもパスp-とや国会議員の記章、日本の勲章なども聞くがモチーフと言われています。国旗と同等の扱いに案っているので、似たような商標を登録することができません。
菊には高貴なイメージがあり、皇室や貴族だけでなく庶民に愛されて、日本の歴史とともに菊も歩んできました。そのため、国家を象徴する花だと言われています。
菊全体の花言葉について
菊全体の花言葉は以下になります。
- 高貴
- 高潔
- 高尚
このように気品が溢れる花言葉が、貴族や天皇家に愛され紋章にまでなったのです。
更に種類や色別によって花言葉が変わりますので、詳しく見ていく必要がありそうです。
種類別の菊の花言葉
菊は種類によって咲く時期が異なります。春夏秋冬に合わせて4月から6月は春菊、7月から9月は夏菊、10月から11月は秋菊、12月から2月は冬菊(寒菊)とそれぞれ呼ばれています。ここでは種類別の菊の花言葉についてご紹介します。
寒菊
寒菊は12月16日の誕生花とされており、以下の花言葉があります。
- 忍ぶ恋
- 芯の強さ
- けなげな姿
- 繊細
寒菊の花言葉は花が咲きにくい寒い冬で一生懸命育ち花びらを付けて色とりどりに咲く姿を「けなげな姿」としており、 冷たい風にさらされても折れたり枯れたりすることなく咲き続けるところから「芯の強さ」が花言葉となりました。
試合前や受験などの勝負時に「芯の強さ」などという花言葉を添えて送ることで、応援している気持ちがより伝わるでしょう。
スプレーマム(スプレー菊)
スプレーマム(スプレー菊)は10月20日の誕生花です。花言葉は以下になります。
- 気持ちの探り合い
- 私はあなたを愛する
- 逆境でもめげない
スプレーマムは枝の先に花をいくつも咲かせます。ここからこの花言葉が付けられました。
スプレーマムが晩秋に花をつけ始め、長く楽しむことができます。オレンジや黄色、ピンクや白、紅色など色々な色があります。恋人に愛の言葉とともに贈ったり、スポーツをしている人や頑張っている人に応援の花言葉とともに贈るのにもおすすめです。
ピンポンマム(ポンポン菊)
小さい花が何重にも重なって可愛らしい真ん丸なピンポン玉のような花をつけるピンポンマムの花言葉は「嬉しい夢」です。カラフルで可愛らしい姿をしたピンポンマムにぴったりの花言葉ですね。
色別の菊の花言葉
次は色別の菊の花言葉についてご紹介します。
紅色の菊
菊と言えば黄色のイメージがありますが、実は色々な花を咲かせます。濃い紅色の紅菊の花言葉は赤い薔薇など赤い花が持っている「愛情」です。
情熱的な紅色で愛の花言葉を持つ紅菊は恋人や気になる人、パートナーに贈るのにぴったりです。
また、紅色の菊は10月1日の誕生花で、前向きな花言葉が多く、さらに10月初めに花を咲かせるので、誕生日のブーケとして人気があります。
ピンク色の菊の
可愛らしく咲いているピンクの菊はその甘いフォルムの通り「甘い夢」という花言葉がついています。ピンクの菊は小さく淡い色合いの花をたくさんつける「セイアラベラSP」やガーベラのような「セイノリス」、コスモスのような「精ひなの」などの花があります。
初恋や付き合ったばかりのカップルを連想させますので、付き合いたてのカップルや片想いを成就するために贈るのがおすすめです。
白の菊
白の菊は11月23日の誕生花でもあり、以下の花言葉があります。
- 慕う
- 真実
- 誠実な心
小さな花びらが集まり可憐な花姿と、枯れにくいところから縁起の良さ、真実という花言葉から結婚式のブーケに白菊を用いて、永遠の愛という意味を込めて使われることがあります。
白菊は縁起が良い花なので、誕生日に贈るのもおすすめです。
黄色の菊
黄色の菊は見かけることも多い親しみのある花なのですが、花言葉に注意が必要です。黄色の菊の花言葉は「破れた恋」です。
恋人や好きな人に贈ってしまうと、別れや相手への気持ちを諦めると捉えられてしまうことがありますので、花束として贈るのはやめましょう。恋人や配偶者を失った人や、失恋したばかりの人に贈るのもやめましょう。
紫の菊
菊には紫色の品種もあります。紫色の花言葉は以下になります。
- 恋の勝利
- 私を信じてください
- 夢が叶う
上品で勝気が雰囲気のある赤紫色が由来になっているようです。またあまり見かけない紫色の菊はスプレーマムの「精若むらさき」や「精かじか」、ピンポンマムの仲間である「セイザック一輪仕立て」、一輪咲きの「精の京」などがあります。
オレンジ色の菊
オレンジ色の菊には花言葉がありません。そのため菊全般の花言葉である「高貴」や「高潔」「高尚」などの花言葉のみです。
陽気でポップな印象のオレンジ色の菊は、ピンポンマムの仲間である球体の「セイルアノオレンジ一輪仕立て」やスプレーマムの仲間である「セイキルシュ」やスイセンに似た花をいくつも咲かせる「レーガンエリートオレンジ」などがあります。
緑の菊
緑の菊もオレンジの菊と同様に花言葉がありません。そのため、「高尚」「高潔」「高貴」という菊全般の花言葉のみです。
濃い緑色の小さな花をたくさん咲かせる「セイマライアグリーンSP」や、大きな真ん丸な花を咲かせる「セイナダル」、花の中心になるにつれてて白から濃いグリーンへと色がグラデーションになっている「セイリベロー一輪仕立て」などがあります。
まとめ
いかがでしたか?今回は菊の特徴や花言葉についてご紹介していきました。菊は可愛らしい花なのでブーケーにもぴったりなのですが、うっかり違う品種を選んでしまうと悪い意味になってしまう場合があるので事前に花言葉について調べておくことをお勧めします。
菊は誰かを応援したときや、好きな人に気持ちを伝えたり、支えたいときにぴったリですので、菊の花言葉について調べてみてください。この記事を読んで、花について興味を持ってもらえればすごくうれしいです。
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