桃の花言葉の意味や名前の由来を紹介!英語圏で意味が変わる?

春の花の代表格の桃の花は、桜、梅と並んで、日本人に馴染み深く愛されている花です。梅の花が終わる3月頃に、桜とともに咲き始めます。桜の花と比べて、花弁の先がとがり気味で、花がくが短いのが桃の花です。

五節句のひとつ、上巳の節句には欠かせない花で、3月のはじめころには花屋にも切り枝や、盆栽のような鉢も並びます。3月3日の誕生花でもあります。

濃いピンクの桃の花の色から、「桃色」という名前は生まれました。桃の花について、解説します。

桃の基本情報

食べるとアレルギーがでるという人も多い桃ですが、花を愛でる観賞用として品種改良されたものは食べられません。園芸品種として改良されたのは江戸時代からです。

日本では福島、山梨、長野など、降水量の少ない盆地で生産され、海外では中国の他に、アメリカ、イタリアなどで育てられています。開花の最盛期は4月ころ、花持ちは3から4日と短めの花です。

  • 科・属名 バラ科モモ属
  • 和名 桃(もも)
  • 英名 Peach Blossom
  • 原産国 中国
  • 色 ピンク 赤 白
  • 樹高 2~5メートル
  • 開花時期 3~4月

桃は中国北部原産の小高樹ですが、日本にも弥生時代の遺跡から種子がみつかっていることや、古事記、日本書紀にもその名前があることから、古い時代に渡ってきたと考えられています。

その種類は豊富で、色も薄桃、紅、白、形は八重咲きや菊咲きなど、枝も柱条や枝垂れ、実に様々に庭木や公園、鉢植えなどに利用されています。

日本で桃の花は、旧暦の3月3日ころ、すなわち現在の4月3日ころが見ごろを迎えますが、鉢植えや切り花はもっとはやく、2月頃から市場にでています。花持ちは3から4日と短めですが、可愛らしい小さな花をたくさん咲かせます。

実を収穫する方の木は、植え付けから数年で成木となり、大きな実が収穫できます。が、病害虫に弱く、美味しい実をとろうと思うなら、手をかけることが必要です。極早生種から晩成種まで、さまざまな種類がありますが、初心者は早生種の方が栽培しやすいとされています。

木も花も邪気を払う力があるとされており、不老不死の力を与え、花桃の咲き乱れている理想郷「桃源郷」の伝説もあります。

また、たくさんの実がなることから、「子宝に恵まれる」という意味が与えられ、強い生命力の象徴とされてきました。

日本や中国、韓国などのアジア圏のみならず、ヨーロッパやアメリカなど、広い地域で愛される花のひとつです。

名前の由来

桃の花の名前の由来は所説あります。

たくさんの実をつけることから「百々」、「百実」と名付けられ、読みがももになった説。実に毛があるから「毛毛」(もも)また、桃の赤い実が「燃え実」と名付けられ、変化し「もも」になった説もあります。が、どれも定かではありません。

漢字で、木へんに兆と書いてももですが、これは兆という字が億の一万倍ということから、極めて数が多いこと、すなわち実をたくさんつけることに由来されています。

桃の果実の効用

桃は夏の果物の代表ですが、桃には様々な効用もあります。

漢方でも薬として用いられ、その他、水分と糖が豊富にふくまれているので、夏場の水分補給、ナイアシンやビタミンなどが含まれているので、疲労回復、夏バテの時に食されてきました。今のような栄養補助食品のない時代の、昔の人の貴重な栄養源であったと想像されます。

現代でも冷房による夏の冷えやむくみに、桃のポリフェノールが有効とされています。老化防止や美肌など、伝説だけではない効能がたくさん含まれています。

食用品種で有名なのは、

・黄桃

名前の通り黄色い桃です。世界的にはこちらの方が一般的に流通しています。

大きく果肉も豊富で味が濃いのが魅力で、生で食べるよりも加工され、デザートにつかわれるのが多いです。長野県が国内の半分以上を生産している、黄金桃(おうごんとう)がもっとも有名な品種です。

・白凰(はくおう)

日本で一番流通するのが信州桃という、長野県原産の品種です。酸味が少なく、さっぱりとしていて強い甘みが特徴です。

桃の花言葉

桃は3月3日の誕生花で、ひなまつりに代表される、女の子に関わりの深い花です。

桃の花の花言葉には、「天下無敵」「忍耐」などの他に、「あなたの虜」「気立ての良さ」「恋の奴隷」「チャーミング」など、女性に贈るのに相応しい花言葉がたくさんあります。

「天下無敵」の由来

女の子の節句である、上巳の節句(ひなまつり)に飾られる、とてもかわいらしい花なのに、勇ましい花言葉がついています。

桃は中国などで「不老不死の霊薬」として信じられていたことに由来しています。

桃は漢方でも花や葉が利用されます。花はむくみや便秘の解消、種は女性特有の病気に、葉は肌荒れ湿疹などの皮膚トラブルに効果ありとされ、現在でも漢方薬として使われています。

また、桃は邪気を払うとも信じられていました。厄除けの意味を持ち、節句に飾ったことから、「天下無敵」の花言葉となったといわれています。

日本の古事記では、日本の神様の祖であるイザナギノミコトが、死者の国にくだったイザナミノミコトを迎えにいったものの、逃げ帰ったとき、この世と死者の国との境にある、黄泉平坂に成っていた桃の実を三つ、追っ手に打ち付けたところ、追っ手が死者の国に逃げ返ったという話があります。

また桃にちなむお話しとして、日本で一番有名な昔話「桃太郎」の話もあります。桃太郎に天下無敵の旗印は、とてもお似合いですね。

「あなたのとりこ」の由来

桃は女性の性の象徴とされていいます。濃いピンクの花びらと、桃の実の色と形が女性のお尻に似ていることから、性と豊潤の象徴とされてきました。

また、桃の花はたくさんの実をつけるので、多産の象徴ともされており、縁起がいいものでした。

そのことから、女性性の象徴となり、「あなたのとりこ」という花言葉になったとされています。

「気立てのよさ」の由来

桃の花の咲き方に由来があると言われています。桃の花は、枝に沿う、小さな花を咲かせます。一つ一つの花が、枝にしっかりとついているさまが、自立している女性を連想させ、そのイメージから「気立ての良さ」という花言葉につながったとされています。

白い桃の花

ピンクから赤色のイメージが強い桃の花ですが、白いものもあります。桃の花の白いものだけに与えられた花言葉もあります。上記の花言葉に加えて、「純真」「人柄のよさ」です。

花の色や姿から、イメージた言葉なので、白い桃の花の、小さく可憐な様が、「純真」や「人柄の良さ」を表しているのでしょう。

通常の桃は3月3日が誕生花ですが、白い桃は3月5日の誕生花になります。

ちなみに「源平桃」という花桃の種類もあります。これは紅白の花が混じって咲く一本の木です。さきわけもも、日月桃の別名もあります。なんとも風流で美しい名前ですね。

英語圏での桃

英語圏でも、桃は長く愛される花の一つです。アジアと比べてどのような意味を持つか、簡単ご説明します。

桃の意味

Peachの語源は、古代の地名「ペルシア」から来ていると言われています。ペルシアから伝わってきた果物だと考えられたためです。ラテン語でペルシアのリンゴと呼ばれ、そこから時代の流れで転訛し、ピーチになったという説です。

また、可愛らしく美味しい果物であることから、Peachは「瑞々しい魅力的な女の子」を表し、意味が転じて「ふしだら」や「乳房」「お尻」の意味でスラングとして使われています。

英語圏での花言葉

桃は英語で「PeachBlossom」と呼ばれ、花言葉は「わたしはあなたの虜」「比類なき素質」です・

比類なき素質は、比べるものがないほど素晴らしいという意味なので、天下無敵と同じような意味になります。英語圏でも同じような意味合いになっているのが面白いですね。

バラ科の植物の花言葉

桃と同じ、バラ科の植物は種類が豊富で、女性に贈るのに相応しい花言葉のものが多いです。

バラや、同じバラ科サクラ属のような有名なものではないけれど、プレゼントにふさわしい花言葉のものを紹介します。プレゼントの参考にしてください。

サンザシ

原産国中国の、バラ科サンザシ属、和名は山査子。かわいらしい白い花で、花言葉は「希望」「慎重」です。「希望」は一年で一番楽し時期(5月頃)に、花が咲くことに由来し、「慎重」は枝に棘があることからとされています。

キリストが処刑されたときのいばらの冠は、セイヨウサンザシの枝でつくられました。この植物は旅人を守る不思議な力を持っていると言われています。

カリン

バラ科カリン属、和名は花梨、女の子の名前にもありますね。別名、安蘭樹、実に含まれる成分は、のどの炎症を鎮めてくれることで有名です。かつてはボケと同じく分類されていましたが、現在はカリンはカリンのみの一属一種のカリン属に分類されます。

花言葉は「唯一の恋」「豊麗」です。

ナナカマド

バラ科ナナカマド属、原産地は日本・朝鮮半島、街路樹に使われる樹で、馴染みのある樹かと思います。ヨーロッパ各地に、ナナカマドの枝で十字架をつくり、魔除けとした風習がありました。英語ではROWANと呼ばれます。北欧後が語源で「お守り」を意味していると言われています。

花言葉は「私はあなたを見守る」「賢明」です。

ボケ

バラ科ボケ属、和名もボケ(木瓜)ですが、名前のイメージがよろしくないので、最近はカラモクコウ(唐木瓜)と呼ばれるようです。花が終わると瓜(ウリ)に似た良い香りの実がなります。果実酒の材料として使われ、木瓜酒は疲労回復に効果があると言われます。

花言葉は「先駆者」「早熟」です。

ワレモコウ

バラ科ワレモコウ属、和名・吾亦紅です。そんなタイトルの歌もありました。もこもこした面白い形をした花は、メインにはなりにくい花ですが、花束やドライフラワーのアクセントに人気です。

花言葉は「愛慕」「物思い」です。

ヤマブキ

バラ科ヤマブキ属、北海道から九州まで、広く分布しています。和名・山吹、別名・面影草と呼ばれ、黄色に咲く花の色から、小判のことを山吹色と呼ぶこともあります。

谷底に落ちた金貨が花になったという伝説から、花言葉は「気品」「崇高」「金運」です。

まとめ

桃の原産地の中国では、バレンタインには男性が女性に桃を贈る風習があります。

風水でも桃の花は、恋愛や開運の意味を持つ、良い植物とされています。特に玄関の外や庭木にあればそれだけで運気アップ、もし植える場所がなくても、桃の花を飾ることで運気をあげることができると言われています。特に恋愛運アップには、寝室に飾ると効果的です。

ひなまつりをはじめ、女性に関わりの深い花です。

見た目も美しい魅力的な花ですが、こめられた意味や伝説なども、頭にいれてから、お花見をすると、一層楽しめます。

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