水仙の花言葉の意味や名前の由来ってなに?

皆さんは水仙の花に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか。とても可愛らしく、可憐な姿の水仙は人気もあり、プレゼントや贈り物にしようと考えている人もいるかもしれません。

しかし、実は水仙の花言葉はネガティブなイメージが多いので、事前に知っておく事が大切です。また、水仙はギリシャ神話から由来している事が多く、沢山の物語に出てくる花の一つです。

今回はそんな「水仙」の基本情報、そして花言葉の意味を徹底解説していこうと思います。

可愛らしく可憐な「水仙」とは?

花に詳しくない人はもしかすると水仙を知らないかもしれません。

まずは水仙の基本情報を詳しく紹介していこうと思います。また、水仙はギリシア神話に多く由来しており、沢山の説があります。

「水仙」の基本情報

まずは水仙の基本的な情報を紹介します。

  • 水仙 ヒガンバナ科スイセン属 / クロンキスト体系ではユリ科
  • 別名 ナルシサス・雪中花
  • 原産地 北アフリカ含むヨーロッパの地中海浴岸
  • 開花期 12月~4月
  • 色別 黄色・白色
  • 香り ジャスミンに似た強い香り。女性が好む様な甘い香りに、葉の香りがプラスされている。
  • 切花流通品種 10月下旬~2月上旬=日本水仙 / 12月下旬~4月中旬=ラッパスイセン
  • 植物形態 球根植物
  • 誕生花 1月2日(黄)1月4日(白・黄)1月13日(白)4月3日(黄)

基本的な情報は以上です。また、水仙には毒があるとされています。死亡例もあるほどの強力な毒であるので取り扱いには注意が必要でしょう。

水仙には毒はあるの?

水仙は球根だけでなく、葉・茎・花に毒があるとされているので取り扱いには注意が必要となってきます。水仙の毒の成分は「リコリン」「シュウ酸カルシウム」であり、それぞれの毒に特徴があります。水仙の毒にやられてしまうと、食中毒や皮膚が痒くなる症状が現れ始める接触性皮膚炎を起こすでしょう。

「リコリン」…水仙はニラに似ている事から間違えて食べられてしま例があります。しかし、熱に強く、茹でたり炒めても毒は消えません。

一方で水溶性は高いので水に長時間さらす事で解毒できたとおいう話もありますが、注意したほうが良いでしょう。毒がある状態で食べてしまうと食中毒などを起こしてしまい、最悪死に至る危険性がある強い毒です。

「シュウ酸カルシウム」…日本では劇物という扱いをされている程の強力な毒の一つ。少量であっても、痒みを引き起こしたり、呼吸困難などの恐ろしい状態になると言われています。また、尿路結石の主成分であるので万が一、口にしてしまうと一命をとりとめたとしても尿管結石などの病気にかかってしまう可能性が高いです。

致死量は10gといわれておりますが、基本的には強力な毒の一つであるので取り扱う際には十分に気を付ける様にして下さい。

水仙の花言葉

水仙の花言葉は、花の色により変化してきますが以下の言葉があります。

  • 自己愛・うぬぼれ
  • 私の元へ帰ってきて
  • 神秘
  • 尊敬
  • すてきな装い

現在、品種改良により白・黄色以外にピンクや赤などの色があるとされています。基本的には以上の言葉がスイセンの花言葉であるので、贈り物をする際には事前に知っておくと良いでしょう。

海外での水仙の花言葉は「希望」

海外では水仙は「希望」というイメージが強いです。欧米で、ガン患者の人を精神的に支えるための団体が「希望」を象徴している水仙を送ったという話はとても有名です。他にも、古代ギリシャ時代では水仙を神殿などの神秘的な場所に装飾していたり、葬儀といった神聖な儀式の際に使われていたとされています。

この「希望」というイメージは海外だけでなく日本にもあります。1995年に起きた阪神淡路大震災の時、皇后陛下が皇居で摘まれた水仙を17本ほど献花しました。

この様に、ネガティブな花言葉のイメージを持たれやすい水仙ですが、広い視野でみると「希望」の象徴である光の様な花ともされているのです。

「水仙」のギリシャ神話とは?

スイセンはギリシャ神話と深く関係しており、花言葉もギリシア神話から由来しているといわれています。今回は水仙とのつながりが濃いギリシャ神話を2つ紹介したいと思います。

ギリシャ神話「ナルキッソス」

ギリシャ神話の美少年ナルキッソスの話です。ナルキッソスはとても美しく、沢山の女性から愛されました。森の妖精エーコーもナルキッソスの美しさに魅了され、心から愛したといいます。

一方でナルキッソスは性格に問題がありました。沢山の女性から愛され、エーコーから愛されたとしてもナルキッソス自身は誰かを愛する事はなく、冷たく傲慢な態度で接していました。その態度に対して反感を持つ人も多く、次第にナルキッソスは恨まれてしまう様になっていきます。

ナルキッソスはエーコーに対しても冷酷かつ傲慢な態度をとりました。彼のそんな態度に絶望したエーコーは森の奥深くに身を隠し、衰弱してしまい、最後にはエーコーの声しか残らなくなったといいます。

沢山の女性を不幸にしたナルキッソスに対して怒りを覚えた女神ネメシスは恐ろしい呪いをかけます。それは「自分自身に恋をしてしまう」という呪いです。ナルキッソスが自分に本気で恋をする事で報われない女性の気持ちを分からせようとしたのです。

ナルキッソスはふと見た泉の水面に映っている自分自身の姿に一目ぼれをしてしまいます。激しい恋心を始めて感じたナルキッソスはその場から動く事ができず、最後にはその場で亡くなってしまいます。

彼の葬儀を行おうとした人々が遺体を探したけれど、彼が死ぬまで動かなかった場所にいたいはなく、変わりに水仙の花だけが咲いていました。彼は水仙の花になってしまったのかもしれません。

ギリシア神話「ペルセポネ」

次にギリシア神話「ペルセポネ」を紹介します。ギリシア神話に登場する女神デメテルは大地に実りを与える女神です。デメテルは全ての神であるゼウスとの間に子供が授かります。その子供の名はペルセポネ。ペルセポネは女神デメテルからの愛情を受けて育ち、美しく人に優しく接する事ができる素敵な女性へと成長していきます。

ある時、ペルセポネは妖精たちニンフと一緒に花を摘みに出かけます。花を摘んでいると自分の手元の少し先に何よりも美しい水仙の花を目にしてしまいます。

彼女が妖精たちニンフの元を離れ、水仙の花に触れようとした瞬間に大地がいきなり二つに裂け、地面から黒い馬に乗った冥王ハーデスが現れたのです。冥王ハーデスはペルセポネを自分の妻にするために冥界へと連れ去ってしまいます。

娘を奪われた女神デメテルは冥王ハーデスに対して強い怒りを覚えます。そして、大地に実りを宿す事をやめてしまい、土地は急激に枯れていきました。

女神デメテルの復讐に対して冥界は混乱に陥り、ゼウスの解放しろという交渉を受けます。そしてペルセポネは解放されますが、ペルセポネは冥界で空腹に耐えかねてしまい、口にしてはいけない果実を食べてしまった事を女神デメテルに話します。

冥界の食べ物を口にした者は冥府の住民とならなければならない定めがありましたが、ペルセポネの状況はどうしようもなかったため、食べてしまった果実の数だけ冥府の元で暮らす事になります。一年間のうち、およそ3分の1の時期であったでしょう。

ペルセポネが女神デメテルの元にやってくる時はとても大地が実り、華やかで美しい世界になったと言われています。この時期の事を「春」と呼ばれているのです。

一方でペルセポネが冥界に行ってしまう時期は悲しみと寂しさに暮れてしまうため、大地に実りはありませんでした。この時期の事を「冬」と呼ばれているのです。

スイセンの花言葉の由来、意味とは?

スイセンの基本的な情報、そして由来しているギリシャ神話に関して解説してきました。それでは具体的に水仙の花言葉はどの様な事に由来しているのでしょうか。また、水仙の花言葉にはどんな意味が含まれているのでしょうか。

花言葉 「自己愛・うぬぼれ」

白色の水仙に対しての花言葉でよく使われるのが「自己愛・うぬぼれ」です。この花言葉はギリシャ神話「ナルキッソス」に由来しており、ナルキッソスが自分の美しさに恋をして最後亡くなってしまった自己愛の強さからきていると言われています。

自己愛やうぬぼれと聞くとマイナスなイメージを持たれやすいですが、自分をもっと愛しなさい。というプラスのメッセージを含む事もできます。プレゼントや花束にする際には渡す相手の事を想像し、「自己愛・うぬぼれ」という意味が含まれていても失礼ではないかと考えてから行動するようにして下さいね。

花言葉「私の元へ帰ってきて」

黄色の水仙に対してよく使われる花言葉が「私の元へ帰ってきて」です。ギリシア神話「ペルセポネ」に由来してると考えられます。女神デメテルのペルセポネへの愛情や、冥王ハーデスから取り戻したいという気持ちの表れでしょう。切ないイメージが強い花言葉です。

遠く離れている大切な人や、不本意に別れてしまった相手に対して直接気持ちを伝えず、水仙を送ってみるのも良いかもしれません。相手がスイセンの花言葉を知った時に貴方の本当の気持ちを伝える事ができるでしょう。

花言葉「神秘」

白の水仙に対してよく使われる花言葉が「神秘」です。白の水仙はとても美しく可憐な存在であり、直接みると神秘的なエネルギーが伝わってきます。そんな水仙の美しさから「神秘」という花言葉が生まれたのでしょう。

美しくしすぎてその存在を言葉にできない様な人に対して贈ると、言葉で伝えるよりも相手に魅力を感じてる事を伝える事ができるでしょう。

花言葉「尊敬」

ラッパスイセンという水仙の種類に対してよく使われる花言葉が「尊敬」です。ラッパスイセンは一般的な水仙に比べて副花冠が長く、ラッパ状になっているためラッパスイセンという名前がついています。

元々水仙とは中国の「仙人」を読んだ時に「すいせん」という言葉を名付けられたと言います。そんな中国の仙人に対しての尊敬の気持ちが込められているため花言葉になったのかもしれませんね。

自分自身が尊敬してる相手に感謝の気持ちを込めて贈ると素敵なプレゼントになるでしょう。

花言葉「すてきな装い」

クチベニスイセンという水仙の種類に対してよく使われる花言葉が「すてきな装い」です。クチベニスイセンは縁取りがクチベニのようである事からクチベニスイセンという名前が付けられたといいます。

美しく、常に綺麗な格好をされている方に対して尊敬の念を込めて贈ってみるのも良いでしょう。また、観賞用をしても他の水仙よりもオシャレですので飾ってみるのもオススメですよ。

まとめ

いかがだったでしょうか。水仙は見た目の美しさや可憐さとは反対にネガティブな花言葉が多いと感じられてしまいがちですが、実はいい意味をもった素敵な花です。ギリシャ神話にもでてくるため、それほど神秘的な存在であるのは間違いないでしょう。

贈り物として水仙を選ぶ場合には、きちんと花言葉や水仙のギリシャ神話を知る事で失礼のないようにする事をお勧めします。もちろん、美しく綺麗な花ではありますが誤解されない様に注意して下さいね。

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