シャクナゲの花言葉や誕生花としての意味を知っておこう!

花木の王様ともいわれる、シャクナゲ。漢字で石楠花と書き、英語ではロードデンドロンと呼ばれています。

春から初夏にかけてのお花屋さんで、ピンクや赤紫などのダイナミックな花をつけるシャクナゲをよく見かけますね。

ヨーロッパでプラントハンターと呼ばれる職業の人々が活躍していた17世紀から20世紀半ばころ、シャクナゲは彼らによって中国からヨーロッパにもたらされました。

今でこそ改良され、目にする機会も多いですが、もともとは高山の奥地にしか咲いていなかったことから、ミステリアスな印象もあります。

そんなシャクナゲについて紹介します。

シャクナゲの基本情報

シャクナゲとは、枝頂部に手毬状に大きな花をつける常緑樹です。

花の色、葉の形、樹の姿に様々なバリエーションがあり、迫力のある彩りどりの大きな花と樹木により、花木の女王と称されています。葉は常緑で、光沢のある倒披針型、4月から5月にかけて、枝頂に漏斗状の花を10個ほどつけます。

  • 植物名:シャクナゲ
  • 科・属:ツツジ科・ツツジ属
  • 学名:Rhododendron subgenus Hymen
  • 和名:石楠花・石楠花
  • 英語名:Rhododendron
  • 色別:赤紫・ピンク・黄色・白など
  • 開花時期 4月~5月
  • 原産国 アジア

ツツジに非常に近い種類で、欧米ではツツジと同じものとして大雑把に扱われていますが、花が枝先に咲くものを日本ではシャクナゲと呼んで区別しています。

シャクナゲはツツジ科の中では、トップクラスに大きな花をつけます。

ツツジ科の仲間として、ブルーベリーに代表されるツツジ科スノキ属、アメリカシャクナゲの別名をもつカルミアに代表されるツツジ科カルミア属、曙馬酔木のツツジ科アセビ属、 ヒースの別名を持つ蛇の目エリカのツツジ科エリカ属、満天星躑躅のツツジ科ドウンツツジ属、どれも花束や庭木にふさわしい綺麗で可憐な花実をつけますが、シャクナゲほど豪奢で目を惹く花はありません。

まさに「花木の女王」の名にふさわしい姿です。

プラントハンターによる分布範囲の広域化

ヨーロッパに台頭していたプラントハンターは、食用や薬として使える植物はもちろん、世界を股にかけ新種の草花を発見することを目的としていました。

そのプラントハンターたちが中国から持ち込んだシャクナゲの壮麗な美しさに、ヨーロッパは虜になり、品種改良や交配によりさまざまな園芸品種が誕生しました。その数はおよそ5000種ともいわれており、今や地球上の極めて広範囲に分布しています。

原種は亜寒帯から熱帯山地に分布し、特にヒマラヤや中国の雲南省のエリアには多くの種があります。

日本にも固有種が自生し、その自生地域は、高山から里山近くまで及びますが、基本的に寒いところが好きな品種です。園芸種はヨーロッパの冷涼な地域で多く品種改良がおこなわれました。そのため、日本の高温多湿の平地での栽培は難しいと言われていました。

確かにお花屋さんでは美しく咲き誇っていたシャクナゲが、家に持って帰って植えてみたら、根付かなかったというのはよくある話ですね。

名前の由来

名前の由来は所説ありますが、漢名の「石南花」は、本来は中国産の別のバラ科の植物の名前でしたが、間違って使用されたようです。「石南花」を日本語読みで「しゃくなんげ」となり、徐々に転訛してシャクナゲになったと言われています。

また背丈が低く、一尺に満たない樹木であることから、「尺なし」が訛ってシャクナゲになった説、また、葉は薬としてもちいられ、癪を防いでくれるからという由来もあるそうですが、俗説であるようです。

学術名の属名「Rhododendron(ロードデンドロン)」は、ギリシャ語で、バラや赤を意味する「rhodon」と樹木を意味する「dendron」から由来しています。

シャクナゲは、漢字で石南花と書くことから、漢方に用いられる「石南(オオカナメモチ)」と混同されやすく、煎じて飲むなどの事故がおこるので注意が必要です。シャクナゲの葉はロードトキシンという痙攣毒性があり、嘔吐や痙攣、下痢、ひどくなると昏睡状態ひきおこすこともあります。

日本に分布するシャクナゲの種類

シャクナゲはツツジ科に属する花で、日本シャクナゲと西洋シャクナゲに大別することができます。

日本シャクナゲは日本に自生するシャクナゲですが、高山に自生していて平地で育てるのは困難で、日常生活で見かけることは少ないようです。

一方西洋シャクナゲは、中国のシャクナゲがヨーロッパへもたらされ改良され、夏季の日本の暑さにも適応させた種もあります。

現在日本で栽培されているシャクナゲは、西洋シャクナゲが主です。ピンク・赤紫色・黄色に白と、色彩豊かでダイナミックな花弁が特徴的です。

何千種類と言われるシャクナゲの中の、日本に自生するシャクナゲを紹介します。

日本固有種や天然記念物、希少種もあります。

ヤクシマシャクナゲ

日本の最も南に自生しているシャクナゲの種類で、日本における品種改良のもとに使われているため、有名な種類です。

標高1200メートル以上にのみ生息する希少な種で、6月初めころからピンクから淡い白い花を咲かせます。

葉裏が茶色で綿毛があるのが、ヤクシマシャクナゲ、葉の裏が白く、綿毛がないのがオオヤクシマシャクナゲです。

ホンシャクナゲ

日本にのみ自生しています。

四国・中国地方、近畿・中部地方の岩場などで見ることができます。

岐阜県にある「一之瀬ホンシャクナゲ群落」と、滋賀県「鎌掛谷ホンシャクナゲ群落」は国の天然記念物に指定されています。

ツクシシャクナゲ

紀伊半島から九州まで、暖かい地域に自生している種類です。

淡いピンクの花を咲かせ、樹木の高さが大きいもので4メートルほどにもなり、見た目のインパクトも大きい種類です。

ハクサンシャクナゲ

北海道から四国まで、広範囲に自生する種類です。

高地に自生すると、樹木の高さは3メートルほどに伸びますが、家庭などに植えると、小さく育つのが特徴です。

ホソバナシャクナゲ

静岡県と愛知県の県境付近に自生します。分布範囲が非常に狭く希少で、天然記念物に指定さています。

この種のシャクナゲの葉だけがなぜか細長く、他のシャクナゲとは簡単に区別できます。

美しい花顔は野生とは思えないほどの美観です

マダム・マッソン

日本では「清涼殿」の名前で呼ばれる、古くから栽培されている種類です。

白色の花弁の上に、黄色の斑点があるのが特徴です。非常に丈夫で、鉢植えでも育てやすいので、園芸種で人気です。

黄花石楠花

稀に赤みかかった花もありますが、基本的に名前の通り、淡黄色の花を咲かせます。

北海道の高山帯など、日本のシャクナゲの中でもっとも高い位置に自生しています。

分布息が非常に高地であるため、生息環境が厳しく、樹木が低くしか育たず、40センチほどにしかならない種類です。

シャクナゲの花言葉

シャクナゲはネパールの国花です。ピンクや赤、黄色などいろいろな色がありますが、ネパールの国花とされているのは、ラリーグラスと呼ばれる赤い色のシャクナゲです。

豪華で人目を惹く華やかさをもつシャクナゲの花言葉を紹介します。

「威厳・荘厳」

重々しく程堂々とした、立派な様を表しています。良い意味での近寄りがたい存在感であるという意味でしょう。

シャクナゲが風格のある堂々とした花を咲かせることから生まれたようです。

今でこそ身近に花を見ることができるシャクナゲですが、もともとは高い山の奥深い、人が容易に立ち入ることができないような場所にしか自生しない植物でした。

威厳や荘厳といった花言葉は、そうした人を寄せ付けない場所で自生してきた頃を偲ばれる花言葉でもあります。

「警戒・危険」

前述したとおり、高い山の奥深い場所に自生していたシャクナゲを得ようと思ったら、険しい山道を命がけで登らなければ見ることができませんでした。

そのことから、危険・警戒という花言葉が付けられました。

さらにシャクナゲは有毒植物です。摂取すると危険である、警戒すベしという、危険は植物であるという一面も意味しています。

英語での花言葉

英語圏の表現で見てみると、「DENGER」(危険)「CAUTION」(用心)「BEWARE」(注意)などです。

西洋におけるシャクナゲのイメージは、美しさよりも危険性が重要視されているようです。

誕生花としてのシャクナゲ

シャクナゲは、2月20日、5月8日、8月2日の誕生花です。

もし誕生日に贈りたいと思ったとき、誕生花は一種類ではありませんので、他の誕生花と合わせて贈るのもいいかもしれません。

・2月20日…カルミア、黄梅、紫のストック

中でも紫のストックはかわいらしく花言葉も「愛情」なので、大切な人に贈るのに相応しいですね。

・5月8日 …黄水連

水面に咲く水連は、プレゼントに適してないと思われがちですが、アイスフラワーなど、生花ではない状態で贈ることができます。「清純な心」「信頼」そして「信仰」です。友人やビジネスパートナーに贈るのに適した花です。

・8月2日…ひまわり、桔梗、かんな、ワックスフラワー

ひまわりは良い意味が多いので、是非贈りたい花です。

桔梗は「変わらぬ愛」「誠実」やかんなは「情熱」「快活」という元気の良いイメージなので、明るい友人に贈るといいでしょう。

ワックスフラワーは「気まぐれ」「かわいらしい」「繊細」という意味がありますが、見た目もかわいらしくシャクナゲと花束にしても映えるので贈り物におすすめです。

ちなみにシャクナゲは「高嶺の花」の由来になった花と言われています。

高嶺の花とは、眺めているだけで実際には手の届かない存在であること、あこがれだけで終わってしまうことを意味しています。この手の届かない、高い嶺の上に咲く花が、シャクナゲであったと言われています。

そのため使い方次第では誉め言葉になるのですが、悪い意味にとられてしまう可能性もある花言葉です。シャクナゲの花を贈る場合は、注意が必要かもしれません。

まとめ

シャクナゲの開花時期は、4月から6月頃です。春から初夏にかけ、風が心地よい頃合いに、見ごろを迎えます。

北アメリカやヒマラヤ山脈などが原種のシャクナゲは、耐寒性に優れていますが、一方で暑さに弱いとされています。ですが日本に今ある種類の多くは、改良されて暑さにも強いく、そして栽培易いように樹木の高さも低めになっています。

花屋には切り花も多く並びますが、鉢植えも管理がしやすいため、長く楽しみたい人にとってはこちらもおススメです。

また、日本には天然記念物に指定されるような有名なシャクナゲ園もいくつかありますし、登山が趣味の方は、見ごろに足を運んでみるのも面白いかもしれません。

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