クローバーの花言葉や名前の由来を紹介!四葉のクローバーを見つける方法は?

暖かくなると、野原や公園では丸くて愛らしいシロツメクサの花が咲いているのを見かけるようになりますね。皆さんも小さい頃に花冠を作ったり、四つ葉のクローバーを探したりして遊んだ経験があるのではないでしょうか。

こうした子供時代の思い出からも、四つ葉のクローバーの「幸運」という花言葉は、皆さんもよくご存知だと思います。しかし、三つ葉にも花言葉があることや、四つ葉の「幸運」以外の意味については、知っている方はそう多くないでしょう。

クローバーはどこにでも生えている身近な植物ではありますが、実は花言葉が生まれるきっかけとなった背景には、非常に奥深いものがあるのです。

そこで今回は、クローバーに込められた花言葉を、誕生のエピソードとともにご紹介していきたいと思います。

クローバーについて

春の訪れとともに可愛らしい姿で私たちを楽しませてくれるクローバーですが、身近な植物だからこそ詳しく知る機会というのはないものですよね。

そこで、花言葉のお話をする前に、クローバーの植物としての特徴についてご紹介していきたいと思います。

クローバーの基本情報

  • 学名:Trifolium repens
  • 科名・属名:マメ科トリフォリウム属(シャジクソウ属)
  • 英語名:Clover
  • 和名:白詰草(シロツメクサ)
  • 日本での別名:ツメクサ、ウマゴヤシ、オランダゲンゲ
  • 原産地:ヨーロッパ
  • 開花時期:4~7月

クローバーという名前は、マメ科シャジクソウ属の植物の総称です。主に北半球を中心とした世界中の広い地域に、約260種が分布しています。

皆さんもご存知のとおり3枚の小さな葉をつけるのが一般的ですが、人や動物に踏まれるなどの環境的な要因によって遺伝子の突然変異が起こりやすく、まれに四つ葉や五つ葉を見つけることもできます。

2009年には、岩手県でなんと56枚もの葉を持つクローバーが発見され、「世界でもっとも多い葉を持つクローバー」としてギネス記録に認定されました。

クローバーの種類

一般的にクローバーというと、白い花を咲かせる「シロツメクサ」を指しますが、近縁種として赤紫色の花を咲かせる「ムラサキツメクサ(アカツメクサ)」があります。こちらも暖かくなると、あちこちで見つけることができる花ですね。

シロツメクサとよく似ていますが、ムラサキツメクサのほうが背丈も高く花もやや大きいのが特徴です。また、シロツメクサは地面に近いところに葉をつけますが、ムラサキツメクサは花のすぐ下に葉をつけます。

実は働き者のクローバー

公園や河川敷などのあちこちに自生しているクローバーですが、田んぼや畑などに植えられているのもよく見かけますよね。実はクローバーには土壌を肥やす作用があり、休耕期の緑肥として植えられることが多い植物です。

クローバーなどのマメ科植物の根には「根粒」と呼ばれるコブのようなものがあり、この中にいる根粒菌は、植物の成長に欠かせない窒素を作り出すことができるのです。

つまりクローバー自体が窒素を蓄えた肥料のようなもので、農家の人々は刈り取ったクローバーを土に混ぜ込み、作物を植える際の堆肥としても活用しています。

クローバーの名前の由来

ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスは、棍棒の使い手としても知られています。オリーブの木を削っただけの棍棒も、腕力の強いヘラクレスが持つと一撃必殺の武器と化し、多くの敵を倒してきました。

ヘラクレスの棍棒は先端に3つの突起があり、クローバーの形とよく似たものだったと言われています。このことから、棍棒を意味するラテン語の「Clava」、英語の「Club」が変化し、「Clover」という名前が生まれたのだそうです。

また、属名の「Trifolium(トリフォリウム)」は、ラテン語の「tres(数字の3)」と「folium(葉)」を由来とします。

和名の「白詰草(シロツメクサ)」については、江戸時代にオランダから贈られたギヤマンと呼ばれるガラス製品に、クローバーの花が緩衝材として詰められていたことからその名がつけられたと言われています。

さらに明治時代以降になると、クローバーは日本でも牧草として栽培されるようになり、馬が肥えることから別名「ウマゴヤシ」とも呼ばれるようになりました。

本当は怖い?クローバーの花言葉

さて、ここからはクローバーの花言葉についてご紹介いたします。

クローバーは種類別、さらに葉の枚数によってそれぞれ異なる花言葉が込められています。まずは先ほどお話したシロツメクサ、ムラサキツメクサの種類別に花言葉を見ていきましょう。

シロツメクサの花言葉

シロツメクサの花言葉には、次のようなものがあります。

  • 幸運
  • 約束
  • 私のものになって
  • 復讐

広く知られている「幸運」のほか、シロツメクサには「約束」「私のものになって」という花言葉があります。子供の頃に、シロツメクサの花冠を編んで好きな子にプレゼントした、あるいはされたという微笑ましい思い出をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、こうして花言葉を知ると何だかとても意味深いものに感じてしまいますね。

その一方で、シロツメクサには「復讐」という何とも恐ろしげな花言葉も存在します。このような意味が込められた理由としては、他の3つの花言葉との深い関係があると考えられます。

もし「私のものになってね」という「約束」をした愛する人に裏切られ、得るはずだった「幸運」が打ち壊されてしまった時、相手を愛おしく思う心はいつしか怒りや憎しみへと変わるでしょう。復讐心とは、相手に対する強い怒りや憎しみから駆り立てられるものです。

そう考えてみると、「復讐」という花言葉も決して不似合いなものではありませんよね。まさに「愛と憎は紙一重」を表す花言葉と言えるのではないでしょうか。

ムラサキツメクサの花言葉

ムラサキツメクサの花言葉には、次のようなものがあります。

  • 勤勉
  • 実直
  • 善良で陽気

シロツメクサが地面を這うようにして葉をつけるのに対し、ムラサキツメクサは花に寄り添うようにして葉をつけ、そこから茎を伸ばします。花言葉はこの花姿を人間に見立てたものだという説がありますが、はっきりとした由来は定かではないようです。

葉の枚数別・クローバーの花言葉

クローバーの葉の枚数ごとに花言葉が異なるのは、キリスト教と深い関わりがあると言われています。由来となっているお話を、簡単にご紹介しておきましょう。

432年頃、司教聖パトリックはキリスト教の布教のためにアイルランドを訪れました。彼はクローバーの三つの葉で「父(神)」と「子(キリスト)」と「聖霊」の三位一体を、四つの葉をキリストが掛けられた十字架を表現し、教義を広めていったと言います。

当時のアイルランドでは、三つ葉のクローバーは「シャムロック」と呼ばれ、幸運のお守りとして親しまれていました。そのためキリスト教はアイルランドの人々に受け入れられ、クローバーはやがてアイルランドの国花となりました。

なお、アイルランドの聖人となった聖パトリックの命日である3月17日は「聖パトリックの日」と呼ばれ、クローバーの葉を胸に飾ったり、緑色のものを身に付けて祝う習慣があります。近年では、日本でもパレードなどの催しが行われるようになりましたよね。

【三つ葉】愛情、希望、信仰

三つ葉のクローバーの花言葉の意味は「愛情」「希望」「信仰」です。これらの意味は、先ほどお伝えしたキリスト教の「三位一体」に由来すると言われています。

【四つ葉】幸運、復讐

クローバーといえばやはり「幸運」ですが、これは発生確率がおよそ10万分の1と言われる四つ葉の希少性が関係しているようです。

また、フランス革命の英雄として知られるナポレオンが四つ葉のクローバーを見つけ、珍しいからと摘み取ろうとしたところ、頭の上を銃弾が飛んで行ったという逸話も残っており、こちらも「幸運」の花言葉が誕生する由来だと言われています。

一方、「復讐」の花言葉については、先述の聖パトリックによる布教活動と関わりがあるとされています。

聖パトリックは、三つ葉で「三位一体」を、四つ葉は「十字架」を表現しました。十字架は祈りの象徴であるとともに、キリストを磔刑に処すために作られた刑具でもあります。このことから、人々のマイナスな思考や復讐心につながったと考えられているようです。

さらに、4枚の葉それぞれにも意味が込められており、日本においては「愛情」「希望」「信仰」そして「幸福」の象徴とされています。アメリカでは「wealth(財産)」「fame(名声)」「faithful lover(満ち足りた愛)」「glorious health(この上ない健康)」のシンボルで、この4つを集めて「true Love(真実の愛)」の象徴とされています。

【五つ葉】財運、経済的繁栄

五つ葉のクローバーの発生する確率はおよそ100万分の1と言われており、出会うのは四つ葉よりもさらに困難です。

五つ葉も5枚の葉それぞれに意味が込められており、「愛」「希望」「健康」「知恵」「財運」の象徴とされています。

また、ヨーロッパでは五つ葉を見つけた際には「隠し持っていると不幸になるが、人に贈ると受け取った人にも幸運が訪れる」という言い伝えがある他、「五つ葉を見つけるとすぐ病気になる」として嫌煙される地域もあるのだそうです。

葉の枚数別の花言葉まとめ

実は、クローバーには一つ葉から十つ葉までに、それぞれ花言葉が存在します。

  • 一つ葉のクローバー:困難に打ち勝つ、始まり、初恋
  • 二つ葉のクローバー:出会い、平和、調和
  • 三つ葉のクローバー:愛、希望、信仰
  • 四つ葉のクローバー:幸運、復讐
  • 五つ葉のクローバー:財運、経済的繁栄
  • 六つ葉のクローバー:地位、名声
  • 七つ葉のクローバー:無限の幸福
  • 八つ葉のクローバー:家内安全、子孫繁栄
  • 九つ葉のクローバー:神の運
  • 十つ葉のクローバー:完成、成就

なお、六つ葉の発生確率は1600万分の1、さらに七つ葉の発生確率は2億5000万分の1だと言われています。見つけることができた方は、本当に地位や名誉、そして無限に続く幸福を手にすることができるほどの強運の持ち主なのかもしれませんね。

四つ葉のクローバーの見つけ方

先ほど、四つ葉のクローバーが発生する確率はおよそ10万分の1だとお伝えしました。さらに五つ葉、六つ葉と、葉の数が多くなるほど、発生確率もどんどん低くなります。

では、どうしたら幸運の四つ葉のクローバーに出会うことができるのでしょうか。見つけ方のコツをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

人通りの多いところをチェック

四つ葉など葉の枚数が多いクローバーが発生する原因の一つに「若葉の頃の外傷」があります。若い三つ葉のクローバーが人や動物に踏みつけられることによって葉の成長点に傷がつき、その箇所が分裂して別の葉が出てくるのだそうです。

つまり、人が通らないような草の深いところよりも、人がよく歩いている公園や道端、牛や馬などの動物が踏んだりかじったりする牧場などの方が、四つ葉のクローバーが出現する確率は高いと言えます。

見つけた場所の近くも探してみよう

また、四つ葉のクローバーを1つ見つけたら、その周辺も探してみると良いでしょう。

クローバーの株ごと突然変異で四つ葉が出てくることもあるため、近くでたくさんの四つ葉のクローバーを見つけられるかもしれません。

たくさん見つけたら、幸運をお裾分け

上記のような方法で、たくさんの四つ葉のクローバーが見つかったら、大切な人にプレゼントして幸運をお裾分けしてみてはいかがでしょうか。押し花にしても可愛らしいですよね。

なお、クローバーは以下の月日の誕生花とされています。

  • 1月16日
  • 3月3日(シロツメクサのみ)
  • 4月2日(四葉のみ)
  • 5月9日(シロツメクサのみ)
  • 5月27日
  • 6月17日(四葉のみ)
  • 8月29日
  • 8月31日(シロツメクサのみ)
  • 11月16日(四葉のみ)

自分でも栽培できる

最近では品種改良が進んでおり、四つ葉以上の出現率が非常に高い園芸用の品種も販売されています。野生では滅多にお目にかかることのできない、六つ葉や七つ葉が出ることもあるようですよ。

まとめ

今回はクローバーの花言葉についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

幸運の象徴として広く知られているクローバーですが、実は少々怖い意味の花言葉も隠されていましたね。大人になってからその意味を知ると納得できますが、無邪気に幸せを探す小さな子供たちには内緒にしておきたいような気もします。

とはいえ、出現率のきわめて低い四つ葉やそれ以上の葉を持つクローバーに出会えるということは、やはり幸運の証ということでしょう。

さて、もうすぐクローバーが次々と顔を出す季節です。皆さんも幸運のクローバーを探しに出掛けてみませんか?

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