ライラックの花言葉の意味を紹介!色別の意味は?

厳しい寒さも少しずつ和らぎ、新聞やTVでは桜の開花予報が伝えられる時期になりました。日本の春を象徴する美しい桜に彩られた風景を、毎年楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

日本での桜と同じように、ヨーロッパでは「ライラック」が春の訪れを告げる花として愛されています。街路樹や家々の庭先で一斉にライラックが咲き始める4~5月頃は、1年でもっとも良い季節だと言われているのだそうです。

日本では限られた地域でしか自生しておらず、あまり馴染みのない花ではありますが、ライラックは小さな花が穂のように集まって咲く姿がとても印象的で、甘くやさしい香りは香水の原料としても使われています。

さて、皆さんもご存知のとおり、花はそれぞれを象徴する「花言葉」を持っています。バラは「愛情」、白ユリは「純潔」などといった一つ一つの花が持つ意味は、大切な人に花束を贈る際の参考になるものですよね。

そこで今回は、まもなく見頃を迎えるライラックの花言葉をご紹介したいと思います。

ライラックってどんな花?

冒頭でも触れたとおり、西洋の国々では街路樹や庭木として盛んに植えられているライラックですが、日本ではあまり馴染みのない花です。

そこで、花言葉のお話をする前に、ライラックの魅力を皆さんに感じていただけるよう、花の持つ歴史や特徴などをお伝えしておきたいと思います。

ライラックの基本情報

  • 学名:syringa vulgaris
  • 科・属名:モクセイ科・ハシドイ属
  • 英名:Lilac
  • 和名:紫丁香花(ムラサキハシドイ)
  • 原産地:ヨーロッパ南東部
  • 開花時期:4~5月

ライラックは、ヨーロッパを原産とする落葉樹です。1~6mほどの小高木で、春から初夏にかけて薄紫色や白、ピンクの花を咲かせます。

一つ一つの花は小さいものですが、房状に寄り集まったその姿はとても美しく印象的です。

ライラックの名前の由来

ライラックは英語で「Lilac」と言いますが、これはフランス語の「lilas(リラ)」に由来します。この「lilas」は、サンスクリット語で紫がかった青色を意味する「Nila(ニラ)」が語源となっており、ライラックという名前が花の色の美しさからつけられたものだということがわかりますよね。

また、学名の「syringa(シリンガ)」は、ギリシア語で「笛」や「パイプ」という意味を持つ「Syrinx」 が語源となっています。古代ギリシャの羊飼いたちは、ライラックの枝をくり抜いて笛を作っていたのだそうです。

和名である「ムラサキハシドイ」は、「端に集う」ことを意味する木曽地方の方言「ハシドイ」に由来し、ライラックが枝の先端に向かって集うように花を咲かせることからこう呼ばれるようになったと言われています。

日本におけるライラックの歴史

ライラックが日本に伝わったのは明治時代のことで、北海道札幌市にある北星学園の創設者サラ・C・スミスが故郷のアメリカから持ち込んだ苗木が始まりだとされています。湿気の少ない冷涼地を好む品種であったことから、その後札幌のあちこちに植えられたのだそうです。

現在でもライラックは北海道の初夏を彩る花として親しまれており、特に発祥となった札幌市では「札幌の木」としてお祭りが開催されるほど、多くの市民がライラックの開花を心待ちにしています。

ライラックの花の色

様々な色の花を咲かせるライラックですが、中でも明るい紫色は日本工業規格におけるJIS慣用色名でも「ライラック」と定義される代表的な色です。

同じように花の名前を由来とする紫色に「ラベンダー」がありますが、暗めで落ち着いた印象のラベンダー色と比べて、ライラックは透き通るような明るさと淡く可憐な風合いが特徴的で、見る人の心を和ませてくれるような優しい色をしています。

また、紫以外には白、赤、ピンクなどの色があり、色ごとに異なる花言葉を持っています。

ライラックの香り

ライラックの花の魅力は、その美しさだけではありません。ライラックは香水やアロマオイルの原料として用いられるほど、良い香りの花としても知られています。

とはいえ、日本ではあまり馴染みのない花であるだけに、北海道以南の方には想像しにくいかもしれませんね。同じモクセイ科の植物である「キンモクセイ」の甘い香りを思い出すと、何となくおわかりいただけるかと思います。

ライラックの香りの成分には、気持ちを落ち着かせてくれる効果があると言われています。その甘く柔らかな香りは、心を曇らせている不安を和らげ、気分をリラックスさせてくれるでしょう。さらには新陳代謝を高める作用もあり、ダイエット効果も期待できるようです。

特に女性にとっては嬉しい効果をもたらしてくれるライラックですが、香料を生産するのが非常に困難なため希少価値が高く、その香りを楽しめる機会は少ないかもしれません。

色別・ライラックの花言葉

さて、ここからはライラックの花言葉についてお話していきたいと思います。

特に色を指定しない、ライラック全体としての花言葉には次のようなものがあります。

  • 青春の思い出
  • 友情
  • 大切な友達
  • 純潔
  • 初恋
  • 謙虚

ライラック全体の花言葉には、若々しさを連想させる意味が多く見られますね。これは、ライラックの小さな花びらを良く見ると、可愛らしいハートの形をしていることに起因すると言われています。こうした花言葉にちなんで、欧米では卒業式など新たな門出を迎える際に、友情の証として友達同士でライラックの花束を贈り合うのだそうです。

なお、「謙虚」という花言葉は、特に野生のライラックに向けた意味であるとされています。

【紫色】初恋・恋の芽生え

さらに、ライラックの花言葉を色別に詳しく見ていきましょう。まず最初はライラックの花の色としてもっとも代表的な紫色からご紹介します。

紫色のライラックは、「初恋」「愛の芽生え」という意味を持っています。これは、ロシア文学の黄金期を代表する小説家トルストイが、ライラックをモチーフとした恋物語を書いたことが始まりとされています。

確かに、小さく可憐なハート形をしたライラックの花びらは、いつの日か心に芽生え始めた淡い恋心を思い出させてくれるものです。

卒業などの門出の時をきっかけに、意中の相手に告白したいと考えている方は、花言葉を添えた紫色のライラックの花束とともに思いを伝えてみてはいかがでしょうか。

【白】青春の喜び・無邪気・若者の純潔

みずみずしく爽やかな白色のライラックは、フランスでは青春のシンボルとして親しまれており、「青春の喜び」「無邪気」といった花言葉もこれに起因します。

もう一つの「若者の純潔」という花言葉ですが、こちらはイギリスの古い言い伝えから誕生したものなのだそうです。

その昔、イギリスの貴族の男性が、とある田舎に住む素朴な町娘に一目惚れをしました。ほどなくして恋人同士となったふたりは、結婚の約束をします。しかし、そんな幸せも束の間、貴族の男性は都会の女性へと心変わりしてしまい、町娘との婚約を解消してしまいました。

貴族の男性の身勝手なふるまいを嘆き悲しんだ町娘は、可哀想なことに、やがて自分の命を絶ってしまいます。これを哀れに思った友人は、彼女の墓前に紫のライラックを手向けました。すると、紫色だったライラックは、なんと一夜にして真っ白に変わっていたのだそうです。

この娘にとって、貴族の男性は初めて恋心を抱いた相手だったのかもしれませんね。彼女の純粋で一途な思いが、紫のライラックを白に変えたのでしょう。現在でもイギリスの教会には、白いライラックが植えられていると言います。

【ピンク】思い出

ピンク色のライラックについては、花言葉が誕生するきっかけとなった物語は特に存在しないようです。ライラック全般の花言葉である「青春の思い出」と同じような意味と捉えて良いでしょう。

ライラックの原産国であるヨーロッパでは、春になると街路樹や家々の庭先に植えられたライラックが一斉に花を咲かせると言います。ヨーロッパの恋人たちは、ライラックに彩られた春の街を眺めながら、出会った頃の思い出を語り合っているのかもしれませんね。

【赤】愛の芽生え

ピンク色と同様、赤いライラックについても由来となる物語は特にありません。

紫のライラックには「恋の芽生え」という花言葉がありましたが、赤色が「愛」や「情熱」のシンボルカラーであることから、こちらはより深い愛情を意味していると言えるでしょう。

【番外編】恋が叶う「ラッキーライラック」

花言葉とはずれますが、ここでライラックの花びらを使った素敵な「恋愛のおまじない」についても触れておきましょう。

ライラックの花びらは通常4枚なのですが、まれに5枚のものが見つかると言います。これは「ラッキーライラック」と呼ばれており、誰にも見つからないように飲み込むことができたなら、好きな相手と永遠に結ばれるという言い伝えがあるのだそうです。

5枚の花びらを持つライラックは見つけただけでも縁起が良いとされていますので、ライラックの花を目にする機会があれば、ぜひ花びらの形にも注目してみてくださいね。

誕生花としてのライラック

青春や初恋など、若々しくピュアな印象を感じる花言葉を持つライラックは、大切な方へのバースデープレゼントとしても喜ばれるのではないでしょうか。

ここからは、誕生花としてライラックを贈るのにふさわしい日や、贈る際の注意点などをお伝えしていきたいと思います。

ライラックを誕生花とする日は?

ライラックは、以下の月日を誕生花とされています。いずれもちょうど開花時期と重なる、ライラックの最も美しい時期ですね。

  • 白色:5月12日、6月26日
  • 紫色:5月30日
  • 色不問:6月12日

ライラックを贈る際の注意点

青春や友情などといった花言葉を持つライラックは、大切な友達の誕生日や新たな門出を祝福するシーンにふさわしい花ですが、贈る相手によってはあまり良くない意味となってしまう場合もあるため注意が必要です。

■独身の女性

ヨーロッパでは、紫色は悲しみを連想させる涙色と捉えられており、独身の女性が紫色を身につけると婚期を逃してしまうという言い伝えもあるのだそうです。そのため、これから結婚を控えている若い女性に紫色のライラックを贈るのは避けたほうが無難です。

■恋人や婚約者

現在では友達同士の絆をイメージさせる花言葉が一般的となっているライラックですが、かつては「婚約解消」を申し出るための花として用いられていたという歴史もあるようです。現在お付き合いをしている恋人にも、ライラックは不向きと言えるでしょう。

ただし、ライラックには「思い出」という花言葉もありましたね。結婚している夫婦が、記念日などに恋人時代を懐かしむような場面には、ライラックが彩りを添えてくれるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

ライラックはその美しい姿や柔らかな香りだけでなく、爽やかで甘酸っぱい青春時代の恋や友情を連想させる素敵な花言葉も魅力的です。大切な人にライラックの花束を贈る際には、ぜひ花言葉を書いたメッセージカードを添えてみてくださいね。

また、ライラックの花の美しさに触れてみたい方は、毎年5月下旬から開催される「札幌ライラックまつり」を訪れてみてはいかがでしょうか。札幌の澄んだ青空の下で咲き誇る、約400本の見事なライラックを楽しむことができますよ。

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