貴方は蓮という花を知っていますか?水生植物として多くの人に知られている花の一つであり、水に浮かんでいる様な花姿といった神秘的なイメージから人気も高いです。
蓮はとても古い歴史を持っている花です。そのため、世界の宗教や神話との関係が強く、その神秘性も世界各国から認められています。英語名の「Lotus」は、有名なアーティストの楽曲のタイトルになったりもしていますよね。
今回はそんな神聖な花「蓮」について、基本情報や特徴そして花言葉を紹介していこうと思います。
蓮の基本情報・特徴
蓮についてまずは基本情報・特徴を紹介していこうと思います。蓮の花は、風情があり美しい花というイメージが強く、大人の世代の人たちから人気が高いです。
蓮の基本情報・特徴
蓮の基本情報・特徴は以下の通りです。蓮の花の見頃は、夏なのでお祭りなどのイベント開催時期に当てはまります。「蓮のイベント」を開催している地域もあるので、調べてみるのも良いかもしれませんね。
- 花名前 蓮
- 別名 水芙蓉(すいふよう)池見草(いけみくさ)
- 英語名 Lotus
- 属名科名 ハス科ハス属
- 開花時期 7月~8月
- 季節 夏
- 色別 白色 ピンク色
- 誕生花 7月3日 7月8日 8月15日 9月26日
- 原産地 インド亜大陸
以上が蓮の基本情報・特徴です。蓮はギリシア神話やエジプト神話に出てくるなど、とても神秘的なイメージが強いです。
また、「蓮」という花名由来は蓮の花床・花托の形が「蜂の巣」に見える事から「はちのす」が「はす」になったと言われています。
蓮の歴史
とても古くから存在している蓮は、約一億年以上前から化石で見つかっています。また、「大賀ハス」は「二千年蓮」とも言われており約2000年以上前の地層からも発見されています。
日本では弥生時代の地層から蓮の実が発見されており、江戸時代では蕪村の俳句にも蓮の名前が出てきます。食用として有名な蓮根(レンコン)は、鎌倉時代に中国からやってきました。
この、蓮根(レンコン)は海外でも深い歴史があります。インドではおよそ500年前に作られたといわれている「ハスの女神像」があり、食用としても利用されていました。中国でも、蓮は大切な花として古くから存在しており、「君子の花」と呼ばれて尊く清い花で有名です。
蓮の品種・種類とは?
ハスの品種・種類とはどんなのでしょうか。蓮の植物特徴に加えて、品種を紹介していこうと思います。
蓮の品種とは?
ハスの特徴は「地中の地下茎から茎が伸びて、水面に葉をつける水生植物」という事が第一に挙げられます。蓮の花はスイレン科スイレン属の睡蓮の花を指して「蓮華」(れんげ)とも言われていますが、種から育てる事も可能で家庭栽培もおすすめします。
品種ごとに花びらや花色が変化し、八重咲き品種・一重咲き品種といった様々な特徴があります。もしも栽培するならどの品種の蓮が好きか、育てる前に調べてみると良いでしょう。
蓮の利用方法とは?
蓮の利用方法は様々です。家庭栽培や観賞用としての栽培だけでなく、食用のレンコンに加えて「象鼻杯」というものがあります。
象鼻杯とは、イベントや行事などでよく使われている蓮で作られた飲むものです。蓮の茎を途中で切り落として、葉に酒などの飲みものを注ぎ、反対側の茎から注がれてきた飲み物を飲むものです。この場合、注いだ酒の事を「蓮酒」と呼びます。
蓮の花言葉
続いて、蓮の花言葉とその意味を紹介していこうと思います。蓮はとても神秘的な存在である事は解説しましたが、その神秘性は花言葉にも関連してきます。
蓮の花言葉とは?
蓮の花言葉は以下の通りです。蓮の花言葉は、品種や花色に関係せず全般に使う事が出来ます。全てが良い意味というわけではなく、「怖い」「悲しい」と捉えてしまう花言葉もあるので蓮をモチーフにしている物や蓮をプレゼントする場合は注意しましょう。
- 「清らかな心」
- 「神聖」
- 「雄弁」
- 「沈着」
- 「離れ行く愛」
- 「救って下さい」
- 「休養」
以上が蓮の全般的に使われる花言葉です。蓮の花言葉の由来は、蓮の花の特徴だけでなく仏教やヒンドゥー教といった宗教に深く関係しており、「怖い」と感じてしまうひとも多いため注意しましょう。次に、蓮の花言葉の意味や由来を紹介していこうと思います。
「清らかな心」
「清らかな心」という花言葉は、蓮の花の特徴からきています。通常、花は綺麗な水を与える事で美しい花を咲かせますが蓮は違い、「泥水」でないと大輪を咲かせる事が出来ません。真水の様なキレイな水で栽培しても、小さく儚い花しか開花する事ができないため、泥水で育てるのが蓮の栽培方法です。
そんな蓮の花の特徴を、「人間」そして「人生」に例えてみるととても仏教の思想に当てはまってきます。人生に起こる「試練」や「困難」、そして「苦難」は人間にとって「泥水」を表します。
人間は試練や困難を乗り越えるからこそ、人間的に成長する事が出来て素敵な人生を送る事ができます。蓮も泥水があるからこそ、美しい大輪を咲かせる事ができるのです。
泥水の中で耐えてキレイな大型の花を咲かせる蓮は人間に例えると、「清らかな心」の持ち主なのかもしれませんね。
「神聖」
蓮の花は、先ほども述べた通り仏教にとって「神聖な花」でありますが、これは仏教に限った事ではありません。世界の数ある宗教で、神聖な花として認められており丁寧に扱われています。
インドでは死後の世界「極楽浄土」は蓮の花が最もふさわしい存在であり、蓮の花を象徴しているといわれています。同じく極楽浄土の考え方を持つ、仏教国の「チベット」では生まれ変わるさいに蓮の花の上に身をおくようにすると極楽の地にいくことが出来るともいわれているのです。「一蓮托生」という言葉は、このチベットの極楽浄土の考えからきています。
「雄弁」
雄弁という言葉の意味は、「説得力が強く、力強く話す事。話す姿」です。なぜこのような意味をもつ「雄弁」という花言葉が蓮にあるのかというと、エジプト神話の「オシリス王」から由来しているからです。
オシリス王に捧げられたと言われている花は「蓮」です。蓮を捧げられていたオシリス王は、とても雄弁な王様であると有名でした。そのため「蓮」はオシリス王の「雄弁」というイメージに当てはまります。
他にも、エジプトではツタンカーメン王といった偉い人のお墓の装飾品にも使われています。この様な理由から、蓮の花に凛々しくて雄弁な姿をイメージする事ができるため、「雄弁」という花言葉がつけられました。
「沈着」
蓮の花は古代中国では「君子の花」を言われており、そこから「沈着」という花言葉がつきました。君子とは俗に染まる事がなく、人徳や知識に恵まれた人の事を表します。
なぜ、君子の花と呼ばれているのかというと、蓮の花はどんなに濃い泥水だったとしても枯れる事が無く、むしろ立派な大輪を咲かせる事が出来ます。そんな蓮の花姿や特徴が冷静で落ち着いている「君子」の姿そのものだから「君子の花」と呼ばれるようになったのでしょう。
「冷静沈着」という言葉は、この「君子」が由来しています。君子にイメージする沈着という言葉がそのまま蓮にイメージする事ができるため、「沈着」という花言葉がつきました。
「離れ行く愛」
蓮の花言葉の中でも、切ないイメージが強い「離れ行く愛」という花言葉は蓮の花の特徴から由来しています。蓮の花は、3日間は早朝の太陽が昇り始めた時間帯には花を咲かせて、午後の日が落ちてくる時間帯から閉花していきます。
そして四日目になると、花びらは一枚一枚儚くも散ってしまい、最後には枯れてしまうのです。三日という短い期間の中でも、開花する事が出来るのは「早朝から午後まで」という時間帯に限られているだけでも切ないのですが、一枚一枚散っていく姿は美しくも脆いイメージをかき立たせます。
そんな蓮の散りゆく姿から、「離れ行く愛」という花言葉がついたのでしょう。
「救ってください」
蓮の花言葉の中では、「怖い」イメージが強い「救って下さい」という花言葉は仏教に関係しているといわれています。
仏教の教えでは、「人生というのは苦しみを表す」というものがあります。苦しみや痛み、そして心からの辛さを知っている人だからこそ成長する事が出来て悟る事ができるのです。悟りの世界とは、欲が無く心が安定している「無心」の状態を表しています。
そんなお釈迦様のような人間になることが救われる方法であるため、「救って下さい」という言葉が生まれました。つまり、お釈迦さまの様に悟る事ができる人間になりたいという気持ちが「救って下さい」という言葉に込められているという事です。
「休養」
今まで紹介してきた花言葉の中でも、最も身近な言葉である「休養」という花言葉の由来は蓮の花の特徴からきています。
蓮の花言葉「離れ行く愛」の由来として紹介しましたが、蓮は早朝の日が昇り始める時間帯から開花して午後の日が落ちていく時間から閉花していく特徴を持っています。この、規則正しい開閉の仕組みはとても珍しく、蓮の花がいつまでも開花せず「休養」しているというイメージがもたれるようになりました。
つまり、「休養」という花言葉の由来は蓮の花が一日中開花しておらず、午後から閉花する事からきています。
まとめ
いかがだったでしょうか。水の上に浮かんでいる様な花姿はとても美しく、神秘的なイメージをもつ事ができます。品種も八重咲き品種や一重咲き品種といった多様な種類があるため、いくつかの蓮を見つけてみるのも面白いでしょう。
睡蓮の花とよく間違えられてしまいますが、それぞれに特徴があり色や花びらにも美しさがあります。蓮の花は基本的には白色・ピンク色ですが、睡蓮の花には黄色の花もあるのでいくつか鑑賞してみるのも面白いかもしれません。
もしも蓮の花に興味があるのならば、この記事を参考にしてみて下さいね。
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