手相を診断するうえで基本中の基本と言われる掌線の一つである「生命線」。名前の通り、その人の生命力のほか、体力の有無や健康状態などがわかる線です。
よく「生命線が長い人は長生きする」という話を耳にしますが、実は「生命線の長さ=寿命」というわけではありません。生命線が手首近くまで伸びている人の方が稀で、それほど長さがなくても元気で長生きしている人はたくさんいるんですよ。
生命線を見る際には、長さよりも線の濃さや形状のほうが重要だと言われています。それでは、先端が枝分かれしている生命線は、どのようなことを意味しているのでしょうか。
生命線とは?
まずはじめに、生命線が手のひらのどこに位置するのか、そして生命線からどのようなことがわかるのかについて、簡単におさらいしておきましょう。
生命線とは、親指と人差し指の間を起点として、手首の方向にカーブを描きながら伸びる線のことです。ちょうど親指の付け根にあるふくらみ(金星丘)を囲んでいるような線ですね。
冒頭でも触れたように、生命線からは生命力や体力の有無、健康状態といった、その人の身体に関わることを主に診断します。さらに、大まかな性格や生き方までも生命線で読み解くことができるため、手相占いでは最も基本となる掌線とされています。
生命線の長さからわかること
生命線の長さからは、その人の生命力の強さがわかります。
■生命線が標準より長い
手首に到達するほどの長い生命線は、人よりバイタリティに富んでいる証拠。気力体力ともにエネルギーに満ち溢れています。性格も明るく積極的で、行動力のある人が多いとされています。
■生命線が標準より短い
生命線が短いからといって、決して短命というわけではありませんから安心してくださいね。ただ、普通の人に比べて少々体が弱い傾向があるので、日頃から健康管理に気を付けておきましょう。性格はどちらかというと内向的なようです。
生命線の起点からわかること
生命線の起点は、その人の内面的なことを診断する部分です。起点の位置は、親指の付け根と人差し指の付け根のちょうど真ん中あたりが標準とされています。
■起点が人差し指に近い
標準よりも人差し指に近いところに生命線の起点がある人は、上昇志向が強く地位や権力にもこだわる野心家です。自分磨きに余念がなく、周囲からは「意識高い系」だと思われているかもしれませんね。夢を叶えて成功を勝ち取れるタイプではありますが、独善的な行動を取りがちで人と衝突することが多いのが難点です。
■起点が親指に近い
標準よりも親指に近いところに生命線の起点がある人は、人と競ったり争うことを嫌う平和主義者です。性格も穏やかで、組織や集団の中ではムードメーカー的な立場として重宝されるタイプでしょう。周囲とうまくバランスを取れる一方で、やや主体性に欠けるところがあるので、華々しい舞台とは縁遠くなりがちです。
生命線のカーブの形からわかること
生命線は、手首に向かって緩やかなカーブを描くのが一般的です。中指の付け根から手首に向かって真下に1本の線を引いて、カーブがこの線に達しているのが、標準的な形状とされます。この形状には、その人の性格や人生の傾向が表れます。
■カーブが急
中指から垂直に引いた線より張り出して急カーブを描く生命線を持つ人は、心身ともにとにかくエネルギッシュ。じっとしていることは苦手で、常に動き回っていたいアクティブなタイプです。体力自慢で病気知らずの人も多く、体育会系の職場や肉体労働などに向いています。
■カーブが緩やか
中指から垂直に引いた線に達しない緩やかなカーブの生命線は、女性に多く見られます。疲れやすく、あまり無理のきかないタイプでしょう。カーブが直線的であるほどこの傾向が強いようです。性格もおとなしく控えめです。
右手と左手、どちらで診断する?
手相占いでは、左右というよりも「利き手か、利き手と反対側の手か」でそれぞれ意味が異なるため、両方の手を見て総合的に判断する必要があります。
- 利き手:これまでの人生経験で培われた、後天的な性格や能力
- 利き手と反対の手:生まれつき備わっている、先天的な性格や能力
今回の記事でご紹介している生命線を例とすると、「利き手の生命線が長く、利き手と反対の手の生命線が短い」という場合は、「もともとはあまり体が丈夫ではないけれど、環境やライフスタイルの変化とともに健康的でエネルギッシュになった」といったような判断をします。
パターン別・枝分かれした生命線が意味すること
生命線の基本的な見方については、おわかりいただけましたでしょうか。続いては、枝分かれした生命線にどのような意味があるのかを、形状別に詳しくお話していきたいと思います。
パターン①生命線の末端が大きく二つに分かれている
生命線が末端付近で枝分かれして、パッと見てわかるほど大きな二股になっている手相は、生命力が強く健康運にも恵まれていることを示しています。回復力も高く、少々の病気やケガをすることはあっても大事には至らないでしょう。
さらにこの手相の持ち主は、転居あるいは転職が普通の人より多い傾向があるようです。住居や仕事が変わりやすいというと、一般的にはあまり良いイメージではないことが多いですが、この相を持つ人にとっては決して悪いことではありませんよ。自分から人生の可能性をどんどん広げていくことで、運が開けてくるでしょう。
特に、枝分かれの片方が小指側のふくらみ(月丘)に向かって大きく伸びているのは「旅行線」や「海外進出線」と呼ばれ、生まれ故郷を遠く離れた土地や海外で成功を収める可能性を秘めています。アメリカ大リーグで活躍するイチロー選手や、タレントとして人気のボビー・オロゴンさんにも、この相が見られるそうですよ。
旅行運も良く、旅先で幸運な出来事に遭遇したり、旅行が運気アップに繋がる人も多いと言われています。
パターン②生命線の末端が小さく二つに分かれている
生命線の末端付近に、開き具合が小さく目立たない枝分かれがある手相は、晩年に健康面のトラブルを抱えてしまう可能性が高いとされています。
特に、若い頃の無理や過労による影響が大きいようですので、この相が見られる方は今のうちからオーバーワークや不摂生を避け、規則正しい生活を心掛けておいた方が良いでしょう。
パターン③生命線の末端が房状に枝分かれしている
生命線の終点が房状に枝分かれしているのは、不規則な生活や過労によって体力が消耗しているサインです。これといった自覚症状がなくても、実は知らず知らずのうちに疲れを溜め込んでしまっているのかもしれません。大事になる前に、自分の生活パターンを見直してみましょう。
また、加齢にともなって気力や体力が衰え始めた人にも、この相が見られることがあります。
パターン④生命線の起点が枝分かれしている
生命線の起点が枝分かれした手相の持ち主は、とても短気で怒りっぽい人です。一見すると世話好きで頼れるタイプに見えますが、ひとたび冷静さを失うと、まるで人が変わったように激しく怒り出してしまうでしょう。
他人に対して攻撃的な態度を取ることもしばしばで、そうした本性を知っている人たちからは、密かに「要注意人物」として認定されているかもしれません。
何かにつけて愚痴をこぼすことが多い人にも見られる手相とも言われています。
パターン⑤生命線の内側に短い枝分かれがある
生命線の途中から親指側に向かって伸びる2mm~1cmほどの短い線は、「二股短線」と呼ばれる良相です。結婚線の一種で、パートナーと深い愛情で結ばれることを示します。結婚を望んでいる人にとっては、とても嬉しいサインですね。
ただし、この二股短線がくっきりと濃く出ることは稀で、たいていは目を凝らして見なければ気付かないほど薄いようです。また、単独で出ることはほとんどなく、恋愛や結婚と関係のあるその他の線と同時に出ることが多いとされています。
パターン⑤生命線から上向きに伸びる支線がある
生命線から上向きに出ている支線は、すべて「努力線」や「開運線」と呼ばれています。努力が実を結んで成果を得られることを示す線ですが、線の長さや伸びる向きによって、得られるものや努力する過程で注意すべきことなどが異なります。
■短い支線がたくさんある
様々な能力に恵まれた多彩な人です。真面目で努力家でもあるので、何をやっても人並かそれ以上には結果が出せるはず。ただし、あれこれと欲張るよりは、やりたいことを一つに絞ったほうが、より充実感のある人生を送ることができるでしょう。
■支線の終点が頭脳線上にある
地位や名誉、あるいは財産を手にする運勢にありますが、結果を急ぐあまりに判断ミスを起こしてしまう可能性がありそうです。慎重な行動を心掛けるようにしましょう。
■支線の終点が感情線上にある
地位や名誉、あるいは財産を手にする運勢にありますが、一時の感情に左右されて失敗する可能性があることを示します。特に人間関係において、情に流されないよう注意が必要です。
■支線の終点が人差し指の下(木星丘)にある
名誉や権力を手に入れる相です。社長や組織のリーダーなど、人を牽引する立場にある人に多いとされています。ただし、この線だけでは財力はともなわず、納得のいく収入を得ている人は薬指の下の縦線(太陽線)や小指の下の縦線(財運線)が見られます。
■支線の終点が薬指の下(太陽丘)にある
努力をすることで名声を得て、幸せな人生を歩むことができる相です。どんな分野で成功するのかは、他の線も詳しく見てみる必要があります。
■支線の終点が小指の下(水星丘)にある
努力することで金運が上昇し、やがて財産を築くことができる相です。頑張った分だけの成果が期待できるでしょう。この調子で、努力を重ねていってくださいね。
パターン⑥生命線から下向きに伸びる支線がある
生命線から下向きに出ているたくさんの支線は「疲労線」と呼ばれています。心配性や神経質などといった、慢性的に疲労やストレスを溜め込みやすい性格の人に現れやすい傾向があるようです。あまり細かいことを気にせず、楽観的に考えるようにすると良いでしょう。
また、この相が出ている時は、胃腸系の疾患を抱えていることも多いとされています。思い当たる症状のある方は、早めに病院で診察を受けてみてくださいね。
パターン⑦生命線上に島(アイランド)がある
手相占いでは、掌線上に出現する楕円形のような模様を「島(アイランド)」と呼びます。こちらも一見すると、一本の線が途中で分岐しているように見えますね。
基本的に、島はどの掌線上にできても不運な出来事に対する暗示です。どんなに良相でも、島があることによって運が半減してしまいます。
生命線上にできた島は、体力や気力の衰えを意味します。実際に自覚症状のある方は、早めに病院を受診するようにしてくださいね。
掌線の途中に島があっても、その先の線がしっかりと伸びているようであれば、病気を克服して健康を取り戻す可能性が高いですので、さほど心配はいりません。ただし、生命線の終点に島がある場合は、長患いとなったり持病を抱えてしまうこともあるようです。
また、一見島のように見えるものでも、端に尾がついている場合は「魚紋(フィッシュ)」という幸運のサインです。生命線上に現れる魚紋は、心身の健康もたらすとされています。
パターン⑦生命線が鎖状になっている
島が連続して出現すると、まるで鎖のような形の掌線になることがあります。生命線の場合は、鎖状になっている位置によって解釈が異なります。
■起点付近が鎖状
幼少期に虚弱体質だったか、あるいは気力不足で学校を休みがちだったり学力に不安がある人に現れることが多いと言われています。
■途中が鎖状
一時的な体調不良を示します。大まかな時期は、後ほどご紹介する「流年法」という方法で判断することができますので、参考にしてみてください。
■終点付近が鎖状
壮年期に体調を崩す恐れがあります。ただし、現段階で健康管理に取り組むことで消える可能性もあります。
■全体的に鎖状
気力および体力が不足していることを示します。常にどこかしらに不調を抱えているという人も少なくないでしょう。積極的に健康管理に取り組む必要がありますが、本人にはあまりその気が見られず、生活面も誰かに依存しがちです。
生命線でライフイベントの時期がわかる
生命線上に現れる枝分かれは、心身の健康状態を示すばかりでなく、人生で起こる様々な出来事の暗示であることも少なくありません。それらは一体、いつ頃起こるのでしょうか。大まかな時期を把握できれば、努力を積み重ねるうえでの励みにもなりますし、予期せぬトラブルを回避することもできそうですよね。
出来事が起こる時期は、「流年法」を用いて知ることができます。以下に流年法の解説と見方をまとめましたので、皆さんもご自身の年齢を当てはめて、自分の身に起こる出来事の時期を予測してみてください。
流年法とは?
流年法とは、掌線に年齢の目盛りを割り当てて、その人の身に起こる何らかの出来事のおおよその時期を読み解く方法です。主に生命線、運命線を診断する際に用いられます。
今回ご紹介している生命線であれば、枝分かれや支線、島の位置などから、体調の変化する時期や努力が実を結ぶのがだいたい何歳頃なのかを知ることができるでしょう。
生命線の流年法
まず、親指と人差し指にある生命線の起点を「15歳」とします。
起点から、人差し指の付け根の長さと同じ長さの地点が「21歳」です。これを同じ長さで「29歳」「40歳」「55歳」「81歳」と区切っていき、手首がちょうど「100歳」になります。
生命線を同じ長さで区切っていますが、一区切りごとの年齢の数は一定ではないですよね。さらに細かい年齢を割り出すためには、一区切りごとにその年齢数で割る必要があります。例えば15歳と21歳の中間地点は「18歳」、21歳と29歳の中間地点は「25歳」です。
まとめ
今回の記事では、手相占いにおける生命線の見方、特に掌線上の枝分かれについて詳しくご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
世間でよく言われる「生命線の長さ=寿命」というのは、決してその通りではありませんが、生命線が心身の健康に深い関わりがあるということはお分かりいただけたかと思います。
占いで運勢を診断する際には、どうしても恋愛運や仕事運、金運などを優先してしまいがちですが、健康運も見逃してはいけません。愛する人のために何かしてあげるのも、お金を使って旅行や買い物を楽しめるのも、健康な体があってこそです。女性でしたら美容にも直結しますね。
生命線を日頃からチェックしておくと、ご自身の健康のバロメーターとなりますよ。気になる線がある時は、食事や睡眠の質、運動量などを見直してみてください。
最後までご拝読いただき、ありがとうございました。
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