朝顔 (アサガオ)と言えば子供の頃夏休み前に重い思いをしながら持って帰り、夏休みには自由研究や観察日記の宿題が出されていて毎日絵日記と共に書いていた人も多いのではないでしょうか?朝顔 (アサガオ)は成長スピードも速いのが特徴なので、観察日記としての宿題には最適だったのでしょうね。
暑い夏の日に縁側やバルコニーなどに置くことで涼しさも感じ、日本人の多くの人が夏の風物詩として感じています。今回はそんな涼しげで美しい朝顔 (アサガオ)の特徴や花言葉について解説していきたいと思います。
朝顔 (アサガオ)について
朝顔 (アサガオ)は日本の風物詩と思われる方も多いようですが、原産国は日本ではなく中国です。朝顔についていろいろな視点からご紹介していきます。
朝顔が日本へ来たのは
花名の朝顔はヒルガオ科サツマイモ属の植物です。花姿は大きく開いた円錐形で葉っぱは広三尖形で細毛があります。
そんな朝顔は日本古来よりあるとされていて日本人にとても馴染み深い花ですが、原産国は日本ではありません。朝顔の原産国は中国で薬用の植物として扱われていました。
日本へ伝わってきたのは奈良時代末期か平安時代と言われています。日本へ入ってきた時も長い間薬草として扱われて来ましたが、現代の朝顔の姿とは違い、丸くて小さな花を咲かせていました。
アサガオの名前の由来
アサガオの名前の由来は早朝に咲く様子からアサ(朝)ガオ(顔)、朝の美女との意味があるのですが、一方では早朝に開花してお昼にはしおれてしまう特徴から、朝の美人の顔にたとえた朝の容花(かほばな・かおばな)の意味とも言われています。
薬用として扱われていた
朝顔 (アサガオ)の原産は中国で別名、牽牛花(けんごか)と呼ばれています。中国の4世紀頃とかなり昔から認知されていて、その時代から薬用の植物として扱われていました。牽牛花(けんごか)という名前の由来は、当時高価であった種子が手に入ると牛を牽いて謝礼にしたという事から由来しています。
また日本では奈良時代頃に薬草(下剤)として持ち込まれました。そののち、その朝顔の美しい花から観賞用として栽培されるようになったのです。
牽牛子(けんごし)とは
生薬になるのは朝顔の綺麗な花ではなく、種の方でその生薬名を牽牛子(けんごし)と言います。牽牛子は黒牽牛子(黒丑)と白牽牛子(白丑)があります。色による使い分けや効能については不明ですが牽牛子を粉末にして下剤として用いられていました。
瀉下作用のあるファルブチンと言う成分を含んでいるので使用に関しては専門の医師などの指導により服用します。
日本に朝顔ブーム到来
朝顔は古典園芸植物の中でも唯一、一年草(春から秋にかけての季節)の植物でその特徴からほかの古典園芸植物よりも多く品種を作り出すことが出来ました。
品種を競う朝顔番付なるものもあり、数千種類の品目が生み出されたのです。日本での朝顔ブームの歴史を少しご紹介します。
第一次朝顔ブーム
江戸時代末期の文化文政時代(1804~1830年頃)に第一次朝顔ブームが来たとされています。1806年に起きた江戸大火で現在の東京都台東区あたりに大きな空き地ができました。そこに品種改良させた様々な種類の朝顔を植木職人などが栽培し民衆の注目を集めたことが発端と言われています。
また江戸時代後期には黄色の朝顔が作られていて、珍しい朝顔は菊などと共に高値で取引されていました。そしてこの朝顔の人気に目を付けたのは収入が低かった下級の武士たちです。朝顔の品種改良と栽培を独自に行いコツコツと内職していました。このブームにより沢山の収入を得る事が出来た下級の武士たちの朝顔熱は相当の物だったと言えますね。
第二次朝顔ブーム
嘉永、安政時代(1848~1860年頃)に第二次朝顔ブームが再び到来します。1000種類以上の朝顔が作られたと言われるため、その人気はまだまだ冷めていなかったことがわかります。朝顔図鑑なる物が出版されたり、品種を競い品評会が行われたりしていました。
この第二次朝顔ブームを盛り上げたのは植木屋の成田屋留次郎さんです。自分の事を朝顔師と名乗っていたほどでいつも朝顔の品質改良に力を入れていました。また植木屋の傍ら園芸の本などの出版も行っていました。留次郎さんは花合わせ会という朝顔の品評会を開き更に朝顔ブームを盛り上げていったのです。
朝顔(アサガオ)の種類
現代の朝顔は様々な種類がありますよね。ピンクや赤、紫や青、中には複色が混ざったグラデーションになっている鮮やかな朝顔もとても美しいです。
また「朝顔」「昼顔」「夕顔」「夜顔」などがあり、それぞれ花が咲く時間帯が名前の由来になっている一日花の植物もあります。それぞれどんな特徴があるのか解説していきますね。
朝顔(アサガオ)
朝顔は属名ヒルガオ科サツマイモ属の一年草です。熱帯アジアやヒマラヤ山麓なども原産国とされているツル性の植物です。朝早くから青、紫、白、水色の花を咲かせ、花びらが薄い特徴から午前中のうちにしぼんでしまう一日花が一般的とされています。
現代の日本では観賞用の園芸の植物として認知されていて改良品種されたものが数多くあります。
昼顔(ヒルガオ)
昼顔はヒルガオ科ヒルガオ属の多年草です。日本やアジア太平洋諸島、ヨーロッパなどが原産地とされているツル性の植物です。午前中に淡いピンク色の花を咲かせて夕方にしぼんでしまう一日花が一般的です。
可愛く可憐なピンクの朝顔のイメージとは裏腹に、地上では毎年ちゃんと枯れるのですが、地下の茎が増殖していてとても駆除が難しく雑草として扱われてしまうことが多いようです。
夕顔(ユウガオ)
夕顔はウリ科ユウガオ属の一年草です。インドや北アフリカなどが原産地とされるツル性の植物です。夕方から白色の花を咲かせて翌日の午前中にしぼんでしまう一日花が一般的です。
同じウリ科のヒョウタンに似ている大きな実を付ける事が特徴です。その果実はお馴染みのかんぴょうの材料になっています。
夜顔(ヨルガオ)
夜顔はヒルガオ科サツマイモ属の一年草です。熱帯アメリカが原産地とされるツル性の植物です。夜からその白い花を咲かせて、翌朝にはしぼんでしまう一日花が一般的です。
熱帯の原産地では多年草でありますが、日本では一年草の植物です。朝顔と同様で観賞用の植物として認知されています。
日本アサガオ
日本アサガオにはノアサガオ(琉球朝顔)があります。ノアサガオは亜熱帯地域に自生しているツル性の多年草です。沖縄の海岸付近で沢山咲いている事が多いです。色味としてはオーシャンブルーが有名なのですが、今は白やピンクなども流通しています。
そして近年温暖化が進み、家の窓や壁を覆い強い夏の日差しを遮り柔らかで自然の日陰を作ってくれる事から、緑のカーテン(グリーンカーテン)のブームにより注目されている植物の一つです。
朝顔のツルは支柱に絡みつき成長します。一年草の朝顔に比べてとても強く10メートル以上のツルを伸ばします。また10月上旬ころに花の数がどんどん増えて最も美しくなり、霜が降りる11月まで咲き続けてくれます。
西洋アサガオ
西洋アサガオは葉の表面に毛が生えていないのが特徴です。そして絞り柄が特徴のフライングソーサーや青がとても美しいブンリーブルーが有名です。
また日本アサガオが7月頃に咲くのに対して、西洋アサガオは開花時期が1か月ほど遅く8月頃から開花を始めるようです。朝顔の歴史はとても深く現在でも様々な品種が出回り、その数は計り知れないほどの種類があると言われています。
今ではアフリカ系朝顔などが交配して出来ているものもある為、日本アサガオや西洋アサガオ以外の品種も多く出回っています。
朝顔の花言葉
朝顔についていろいろ説明してきましたが、一日花の朝顔にはどんな花言葉があるのでしょうか?それぞれ色別に花言葉の意味を紹介していきます。
白い朝顔の花言葉
- 固い絆
- あふれる喜び
白色の朝顔の花言葉はあふれる喜びや固い絆です。白には純粋で清楚可憐な印象がありますよね。その清楚な印象から純粋で素直な喜びをイメージしてあふれる喜びになったと言われています。
また白色は潔白や無実、清廉潔白との言葉の意味がある事から後ろめたい事が無く清い絆、やましい事が無いと言われるように朝顔のツルも固く結ばれている様から固い絆と言う花言葉になります。
青い朝顔の花言葉
- 短い愛
- はかない恋
朝顔は早朝に咲きはじめ、昼過ぎには花を閉じてしまいます。そんな朝顔のはかない時間を恋愛にも例え、短い愛、はかない愛を象徴しています。1日でしぼんでしまう花の特性にちなんだ花言葉だと思われますが、ギリシャ神話に青い朝顔が出てくる悲しい話もあります。
青色の清潔感や透明感で、思い出さえも残す時間がなく短く散った青春時代の若い恋人たちのはかない愛情を連想して出来た花言葉なのです。とても切ない花言葉ですよね。
紫の朝顔の花言葉
- 冷静
紫色は古来より高貴な色の象徴でした。飛鳥時代に聖徳太子が冠位十二階にて紫色は最高位の人だけが身に着ける色と定めました。その時代からの名残からなのか現代でも紫色は高級感があり神秘的、高貴なイメージがあります。
身分の高い人だけが紫色を身に着けていた事から近寄りがたく、冷静と言う花言葉になったと言われています。また紫は癒しの色の効果もある為、精神を落ち着かせ冷静になる事からこの花言葉になったと言ういわれもあります。
ピンクの朝顔の花言葉
- 安らぎに満ち足りた気分
ピンク色の朝顔の花言葉は「安らぎに満ち足りた気分」です。ピンク色には女性的で柔らかく優しいイメージがありますよね。また若々しく愛らしく見え緊張も和らげると言われています。心や体を満ち足りた気分にしてくれる事からこの花言葉になりました。
赤色の朝顔の花言葉
- はかない情熱的な愛
赤色には情熱、炎や太陽など活発的、燃えるような恋愛を連想させるイメージがあります。そして朝顔の花は早朝に花が開花して午後にはしぼんでしまう、はかないイメージと掛け合わせはかない情熱的な愛を意味しています。
いずれにしても朝顔の花言葉には少し寂しげな意味が多いですね。はかなくも情熱的な愛情だなんてとてもロマンティックな表現です。
朝顔の誕生花
誕生日によって誕生花があり朝顔は7月の生まれの人に意味があります。いったいどんな意味があるのでしょうか?
朝顔は7月6日生まれの誕生花
7月6日生まれの人の誕生花は朝顔で「偉大なる友情」を意味しています。7月6日生まれの人は人を楽しませることが好きでとても魅力的なので周りの友人たちの心をつかむでしょう。水星の影響からいつも新しく変化のあるものを求めています。
若い頃は思い立ったらすぐに行動し、沢山の失敗をしてしまいがちですが、その失敗が将来の成功に繋がるチャンスでもあります。たくさん積んできた人間関係などを大切にし、偉大なる友情の支えで助けられることに感謝をしましょう。
白い朝顔は7月21日生まれの誕生花
7月21日生まれの誕生花は白い朝顔です。「喜び溢れ」を意味しています。この日が誕生日の人はたくさんの喜びと共に多くのトラブルも経験する事が多いです。
しかし、ユーモアセンスのある人なので困難も難なく乗り越えていく事が出来るでしょう。人前で楽しませることが好きな反面、争いごとや戦いなどのスリルを好む傾向もあるので気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?日本の風物詩でもある朝顔は実は海外からきていた歴史がありました。そしてより珍しい朝顔を作る事に魅了される人がたくさんいたようですね。現代では様々な品種もあり、多くの華やかな朝顔を楽しむ事が出来るのも、そんな昔の人が作り上げて品種改良してきてくれたおかげなのです。
また朝顔の花言葉も切なく儚いイメージの言葉が多かったのも、少しの時間で咲き、すぐにしぼんでしまう一日花の切なさからきていましたね。そんなところが何となく日本人らしさを感じたりもします。この記事をきっかけに少しでも朝顔の素晴らしさに気付いて頂けたら幸いです。
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