馬は古くから人間の生活と密接に関わり、人間とともに歴史や文化を築いてきた動物です。一度信頼した人のことはいつまでも忘れないと言われるほど、馬は記憶力に優れており、農作業や移動手段、時には戦場において、人間の良きパートナー として活躍してきたに違いありません。
現代においては、そんな馬たちと日常的に触れ合う機会はごく限られていますが、時として夢に現れることで、あなたに必要なメッセージを伝えているようなのです。
今回は、馬が登場する夢について、どのような意味があるのか詳しく解説していきたいと思います
馬の夢が意味することとは?
力強く大地を蹴って疾駆する姿から、馬は生命力や情熱など「エネルギーの強さ」「運命を切り拓く力」の象徴です。
ここで言うエネルギーは、時として性的な意味合いを持つ場合もあり、特に女性にとっては逞しい男性であったり、夫や恋人などパートナーの象徴として夢に登場することもあります。
また、馬の賢さは「理性」を、毛艶は「財力」を示すとされています。
このほか馬の夢には「恋愛」「性欲」「仕事運」の意味もあるとされており、夢の中でどのように馬と接していたかや馬の見た目によって、その解釈が異なります。
体の色や種類から見る馬の夢の意味
まず、夢に登場した馬の姿を思い出してみましょう。基本的には、馬が美しく立派であるほど、もたらされる幸運が大きいとされています。
白い馬
白い馬が印象的な夢の場合、これまでの努力が実を結び 、願望が達成されることをあなたに告げる吉夢です。
特に、収入が増えたり良縁に恵まれるなど、金銭面や恋愛面での嬉しい出来事が期待できそうです。絶好のチャンスを確実に手にするため、いつもより積極的に行動してみると良いかもしれません。
黒い馬
夢占いにおける黒色は、悲しみや不安、孤独、絶望、病気、死の象徴とされています。
このことから、黒い馬は病気や事故、あるいはトラブルなど災いが起こる前触れとしてあなたの夢に姿を現すことがあります。普段より慎重な行動や発言を心掛けたい時です。
しかし、あなたが夢の中で馬に対して良い印象を抱いた場合には、凶夢である可能性は低くなるため、気にする必要はありません。黒い馬が死ぬ夢ならば、抱えている悩みや問題から解放されるという良い暗示になります。
赤毛の馬
赤い馬はこの世に実在しませんが、夢にはしばしば現れることがあります。
夢占いにおいて、明るく美しい赤色は生命力や情熱の高まりを意味しますが、派手すぎる赤色はそれらが激しく高ぶりすぎていることを暗示しています。
つまり派手な赤馬の夢は、感情が高まりすぎるあまりに、気持ちが先走って物事が裏目に出てしまう可能性があることをあなたに教えているのです。特に異性関係には注意が必要です。
また、赤い色は炎や血の象徴とも言われています。夢の中で赤馬が暴走したり危害を加えているような場面は、火災や怪我に注意するよう暗示しています。
なお、黒い馬の夢と同様、馬に良い印象を持ったり馬が死ぬ夢であった場合には、凶夢となることはありません。
シマウマ
シマウマの夢は、まさにその特徴的な模様のように、どっちつかずの曖昧な状況になっている物事に「白黒をつける」、決断の時がきたことを暗示しています。
判断を先送りにして曖昧な態度を取り続けていては、余計に物事が拗れて深刻化することもあります。自分の考えを明らかにし、はっきりした態度を示すべきであると、夢があなたに警告しているのです。
ペガサス
背に翼を持つ馬の幻獣であるペガサスは、架空の生き物であることから、現在あなたの想像力が高まっている状態であることを示しています。
普段は難しく思える仕事や課題も、この時期はイマジネーションを駆使することで乗り越えていけそうです。
また、その翼で自由に大空を翔ける姿から、あなたの「自由への憧れ」を表すものとして、ペガサスが夢に登場することもあります。
馬の様子や仕草から見る馬の夢の意味
続いて、夢の中に現れた馬が何をしていたか、どんな様子だったか思い出してみてください。
基本的には、馬から良い印象を受けた場合は吉夢、反対に嫌な印象を受けた場合には警告夢として判断することができます。
走っている馬
風を受けて心地良さそうに走る馬の夢は、あなたを取り巻く運気が全体的に上昇していることを表す吉夢です。
心身共に充実し、順風満帆な日々を送ることができるほか、思いがけない良縁や吉報が舞い込むこともありそうです。何事も自信を持って取り組むことで、運の流れにうまく乗ることができるでしょう。
また、馬が一頭だけでなく群れを成して走っている場合には、あなたの夢や目標に賛同し共に歩む仲間や、バックアップしてくれる頼もしい協力者が現れる事を示しています。
暴れている馬
先に触れたとおり、夢占いにおいて、馬は「理性」の象徴でもあります。本来賢く従順な動物である馬が暴れている様は、あなたが理性を失っている状態にあることを示しています。
情熱や欲望が強く周りが見えなくなっている時には、正しい判断ができずに誤った道を進んでしまいがちです。その結果、周囲から孤立したり、取返しのつかないような失敗をすることも少なくありません。
また、この夢には性的な衝動の意味もあるため、許されぬ恋や危険な恋に足を踏み入れてしまう可能性もあります。
こうした事態を招かぬよう正しい判断をするために、少し冷静になるべきだと夢が教えてくれているととらえましょう。
元気がなく弱っている馬
不規則な生活やストレスなどで、気力が失われている可能性を示す警告夢です。
特に健康状態の悪化を示唆している場合が多いので、生活習慣の改善を心掛けてみてください。心身ともにリフレッシュできる機会を設けるのも良いでしょう。
荷物を背負っている馬
馬が背負っている荷物は「重圧」や「心の負担」を意味しており、あなたが周囲からの過度な期待や失敗が許されない状況にプレッシャーを感じていることを示しています。
荷物が大きいほどその重圧も大きく、馬が前に進めないほど大きく重い荷物であれば、あまりにも強いプレッシャーに、今にも圧し潰されそうな状態にあるのかもしれません。
また、女性がこの夢を見た場合には、夫や恋人などパートナーに対して負担をかけ過ぎている可能性を示唆しています。特に馬が疲れて弱っていたら、パートナーの心労は相当なものかもしれませんよ。
パートナーに対して高圧的な態度を取ったり、わがままを言い過ぎているなど、思い当たるところがないか一度見直してみたほうが良さそうです。
繋がれている馬
繋がれて行動を制限されている馬の夢は、今の待遇や環境に対して納得がいかず、不満を募らせているあなたの心理を示しています。
さらにこの現状に対して何か行動を起こすことも叶わないなど、精神的に抑圧され不自由を感じている場合もあるでしょう。
誰かに理不尽な扱いをされていると感じたら、思い切って伝えることも必要かもしれません。
小屋にいる馬
馬小屋に馬がいる夢は、あなたに協力者が現れることを示しています。その人はあなたの良きパートナーとして、物事を良い方向に進めてくれそうです。
現在あなたが婚活中である場合には、未来の配偶者となる人物とのご縁に恵まれるかもしれません。
ただし、馬小屋が壊れかけていたり汚れているなど粗末な印象だった場合には、疲労やストレスを抱えて健康状態が悪くなることへの警告であり、注意が必要です。
馬が死んでしまう
あなたによく懐いていた馬が死んでしまった場合は、良運をキャッチできずに逃してしまうことを意味しています。
また、馬が生命力やエネルギーの象徴であることから、あなた自身が病気になったり、災いに巻き込まれるなど心身が消耗してしまうような出来事を暗示する警告夢でもあります。
ただし先ほども触れたように、死んでしまったのが黒馬や赤毛の馬だった場合には、運気が回復傾向である良い暗示です。暴れ馬など、印象の良くない馬が死んでしまう場合も同様です。
馬が言葉を話している
夢の中の馬が人間の言葉で語りかけてくる時は、何か良くない出来事が起こる前触れであると言われています。
特に部下や後輩など目下にあたる人からの反抗や裏切りにあう可能性を示唆しており、今のうちに日頃の態度や接し方を振り返っておいたほうが良さそうです。
馬の話した言葉が何かしらのヒントとなっている場合があるので、胸に留めておくとトラブルを回避することができるかもしれません。
子馬が生まれる/親子の馬
馬が赤ちゃんを産む夢は、現在あなたが身を置いている環境が急激に変化していくことを示しています。
目まぐるしく変わっていく環境に、あなたは戸惑ったり混乱したりするかもしれません。しかし、実はこの変化は人生が好転することを意味しています。後になって振り返った時には、「これで良かった」と心から頷ける結果となっているはずです。
また、あなた自身の魅力が高まっている暗示でもあり、人間関係もうまく築ける時です。意中の相手や、あなたに魅了された人物と結ばれ、幸せな変化を体験することになるのかもしれません。
さらにあなたが女性であれば、その変化は「子宝に恵まれる」ことを暗示している可能性もあります。「ひとりの女性から母親になる」という変化を経て、幸せな人生を歩んでいくのかもしれません。
親子連れの馬の夢についても同じように、喜び事の前触れとされる吉夢です。あなた自身や身近な人の結婚や妊娠、出産に関する嬉しい知らせであることが多いとされています。
あなたの行動から見る馬の夢の意味
馬は身近な動物ではないぶん、現実に出会った際にはどう接していいのか戸惑ってしまいそうですね。
夢の中ではいかかでしたか。あなたと馬が良好な関係であるほど、嬉しい出来事の訪れが期待できそうです。
馬に乗る
馬に乗る夢は、あなたの手綱さばきによって吉凶が分かれます。
上手に乗りこなせていた場合
現在取り組んでいる物事が思い通りに進み、良い結果を出せることを暗示しています。乗っていた馬が立派であるほど、順調に運ぶと考えてよいでしょう。
また、馬に乗って出掛けた先の景色が美しく印象的だった場合には、何かドラマティックな出来事が起こる予兆です。まるで映画のような恋愛や、心躍るようなラッキーハプニングを体験するかもしれません。
馬に乗って山に登っている場合は、成功を収めたり名声を得て出世するなど、大きく飛躍する出来事の訪れを示しています。
うまく乗れなかった場合
何らかのトラブルで物事が停滞したり、計画倒れになったり、挫折してしまうことを意味しています。特に乗った馬が激しく抵抗したり暴れ出してまったら、相当な苦戦を強いられるかもしれません。
ただし、危うい場面を乗り越え、最終的に振り落とされずに済んだ場合は、苦難があってもそれを糧にして前進できるという良い意味合いになります。
馬を飼う/手に入れる
古来より馬は高価な動物であり、ごく一部の人しか保有できなかったことから、富や財力の象徴とされていたそうです。
夢占いにおいても、馬を手に入れたり馬を飼っている夢は金運の上昇を意味しており、商売繁盛や財を成すことを暗示する吉夢であると言われています。
また、あなたが女性であれば、恋愛運が高まっていたり、婚期が近付いていることを暗示している場合もあります。恋人からプロポーズを受けたり、理想の相手との出会いがあるかもしれませんね。
馬を撫でている
あなたの願望や目標がもうすぐ達成されることを示しています。
現在は先の見えないような苦境であっても、自信を持って堂々と歩んでいて下さい。乗り越えた先には、輝かしい未来があなたを待ち受けているはずです。
また、目上にあたる人や実力のある人からの助けや後押しがあることを意味している場合もあります。その人の力や知恵を借りることで、願いを叶えることができるのかもしれません。
馬の背中に鞍をつける
馬の背に鞍を置く様子は、商談など仕事上の契約事がまとまることを暗示しており、営業職や自営業の人が見た場合には大変嬉しい夢と言えます。
あなたが女性であれば、婚約が成立するという暗示でもあります。
馬に危害を加えられる
馬に蹴られる、噛まれるなど危害を加えられた場合は、痛みの感じ方で吉凶が分かれます。
痛みを感じなかった場合
滞っていた物事が進み始めたり、抱えている問題が解決するなど、明るい兆しが見えていることを示しています。
痛みを感じた場合
良い関係を築いてきたの恋人や友人が急に冷たくなったり、順調だった物事が停滞したり、急な体調不良に陥るなど、予想外のトラブルへの警告となります。
落馬してしまう
思いもよらないトラブルに遭遇したり、致命的な失敗をするなどで、周囲からの信用を失ったり、孤立するなどの事態を警告しています。
日頃の言動に、油断や慢心はないでしょうか。慎重さを心掛けることで、災いを避けることができるかもしれません。
馬を食べる
馬を食べる夢は、馬の持つエネルギーやをあなたの身体に取り込むことを意味しており、あなたが力強いエネルギーに満ちているという良い暗示となります。
また、夢占いでは、「食べた動物の特徴=自分に足りないもの」であり、食べることでそれを取り入れたいという願望の表れであるとも言われています。
馬であれば、賢さや強さ、逞しさなどが挙げられるかと思いますが、あなたが本当に欲しているのは何なのか、馬の姿や仕草を思い浮かべながら考えてみると良いかもしれません。
馬糞を踏んでしまう
あまり目覚めの良い夢ではありませんが、実は金運の上昇を告げる吉夢です。
夢占いにおいて、排泄物は金運の象徴とされており、排泄物が身体に付着する夢は金運が身に付くことを暗示する嬉しい知らせなのです。
馬蹄を拾う
馬蹄とは馬のひづめを補強するU字形の金具で、西洋では古くから魔除けや幸運のお守りのモチーフとして愛されています。
馬蹄を拾う夢は、思いがけない利益や幸運をつかむことを予兆する吉夢です。拾った馬蹄が磨かれていたり、美しく光っているものであれば、なお良い暗示となります。
まとめ
「人間万事塞翁が馬」という言葉をご存知でしょうか。
人はいつ幸せが不幸せに、不幸せが幸せになるかわからないのだから、安易に一喜一憂すべきではないという意味合いになりますが、これは馬の夢を見た時にも同じことが言えるのではないかと思います。
吉夢は嬉しいものですが、運頼みするばかりで慢心したり努力を怠るようなことを続けていれば、せっかく恵まれたチャンスも逃げていくかもしれません。また、凶夢であってもも落ち込むのではなく、問題を乗り越えるためのアドバイスや自分を見直す機会として前向きにとらえることで、運が開けてくることもあります。
馬からのメッセージを受け取ったあなたが、より幸せな毎日を送れることができれば幸いです。