夢の中で夢を見る明晰夢とは?その意味や見る方法を知ろう!

夢の中で夢を見たという体験をしたことがある人は多いはずです。まるでマトリョーシカのような構造で夢という箱の中にもう一つの夢が入りこみ、無限ループになることもあります。

夢の中で夢を見ていたり、夢と気付いていることを明晰夢と言ったりしますが、ここには不思議なメカニズムが隠されています。

はっきりした根拠はいまだわかっていませんが、人間の精神状態と睡眠状態が深く関わっているようです。夢の小箱を開けてみることで、何らかのメッセージが読み取れるかもしれません。

フロイトとユングが研究した心理学における夢の意味

普段何気なく見ている夢ですが、心理学の見地からは大きな意味を持つことがわかっています。

心理学の二大巨匠であるフロイトとユングが研究した夢診断からその意味を紐解いていきましょう。

まずは夢を理解する!フロイトの夢診断とは?

心理学者フロイトが夢診断を心理療法として取り入れたことから、夢がストレス対策や意識の軌道修正に役立てられることがわかりました。

はっきりした科学的研究結果ではないため、霊的研究やオカルト、占いの一種といわれることもあります。

脳は情報をストックしている

人は日常生活を送っている中で、意識に上った情報だけで脳が働いていると思いがちです。しかし、実際には意識の下には膨大な無意識(潜在意識)という領域が広がっており、その分野も人の脳の活動に関わっているといわれています。

一日の生活の中で外に出ると様々な光景を目にしたり、人と会って会話を交わしたりするでしょう。その中で意識して記憶に残しているのはごく一部の情報です。あとは無意識がほかの情報をとらえて、脳の中にストックしているのです。

夢は記憶の断片映像

意識がとらえきれなかった情報の中で、その人にとって重要なことを無意識がピックアップし、夢として伝えているといわれています。見た人に警告を与えたり、願望が叶う予兆を表したり、恋愛相手が見つかるサインを示したりと様々な伝え方をします。

夢がメチャクチャな映像の断片だったり、脈絡のない会話だったりするのは、情報を整理しているから。その中に、人生に影響を与えるような情報が含まれており、意識に対して「この情報に気付いてほしい!」と訴えているのです。

夢は深層心理を表現しているため、その情報を拾って現実で生かすことで、人生に大きく役立てることができます。

ユングの集合的無意識で人とのつながりがわかる!

フロイトと同じく、心理学の巨匠C・G・ユングが提唱した理論に個人的無意識と集合的無意識というものがあります。

集合的無意識の領域には人類が共通してもっている意識の原型が存在し、万人が共有することで協調性を生み出しているといわれています。人類みな兄弟といわれるゆえんはここにあり、夢の中で稀にその原型が表れることがあるのです。

集合的無意識が伝えるヒント

日常生活ではまったく無関係だった抽象的な図柄が夢に表れてきたという経験はないでしょうか?これが集合的無意識のシンボルといわれ、ユングは仏教における曼荼羅にその関係性を見ていました。

人が見る夢には様々な情景や人物、図柄などが表れてきますが、その中には特別な意味を持つものがあるのです。人類共通の精神を暗示したもので、複雑な解釈ができ、世界そのものを表すとも言われています。

まずは夢を紐解いていくことで、自分の人生に関わる重要なヒントが見つかるかもしれません。

夢の中の夢は深海への入り口

ユングの集合的無意識が表すように、夢は無意識から意識へのアクセスです。無意識という領域は膨大な空間といわれており、地球で例えるなら海面に出ているのが意識で、海中の領域すべてが無意識です。

夢はこの海中からのメッセージですから、夢の中にまた夢が表れるという現象は、心の深い部分に意識が向いていると言い換えることができるでしょう。夢の中で夢を見ると不思議な感覚に陥り、幻覚でも見てるのでは?と思うこともあります。

海の中は潜れば潜るほど光が届かなくなりますが、そこに棲む深海生物は人の目に触れることなく生き続けています。古代から続く生命体と言え、人間が生きている以前から生態系を維持してきたといえます。

夢の中の夢は、深海へのアクセスですから、この未知の生物に触れるチャンスなのです。地球誕生以来、進化の過程を経て地球おろか人間の存在をも知っている偉大な生物。その生物が伝えるメッセージとは、膨大な知識と経験といえるでしょう。

深海からのメッセージでわかること

夢の中にもう一つ夢を見たり、マトリョーシカのように2つ3つと夢がループしていくのは、意識が無意識という深海に潜り続けている現象かもしれません。

その夢の内容がどんなものであるかは個人によって違ってきますが、見えた情景には重要なメッセージが込められているのです。

  • 万人に共通するアイディアが生まれてくる
  • 他者の気持ちに気付かなかった新しい発見ができる
  • 予知夢が出てきて的中する
  • モノを生み出すインスピレーションを得る

深海へのアクセスで言えることは、万人にウケる共通パターンを知り、膨大な経験と知識を積んだ宇宙とのつながりを持つチャンスを掴めるということ。夢の中の夢が、現実に大きな影響を与えるかもしれません。

夢の中の夢から脳と意識に表れる意味を理解しよう!

夢に伴う映像と感情には大きな意味があります。カラーかモノクロか、好感か嫌悪感かなどで、夢の意味が変わってくるのです。中には恐怖体験を感じたり、恍惚感を感じる人もいます。

夢の中で夢を見ることは、現実の意識への影響もあり、明晰夢との関係性も見えてくるのです。

夢のポイントはカラーと感情です

夢の中にさらに夢を見るのは無意識領域へのアクセスであり、大きな意味につながる可能性があります。そこで、段階的に無意識の領域に向かって夢の階段を降りていく上で、それが吉夢か凶夢かの判断もできるでしょう。

夢の内容は個人によって千差万別なので、ここでは一般的なパターンで紹介します。

カラーで見る夢は自分にとって良いこと

カラーで見る夢は吉夢とされており、その人にとって良い方向に進むときに表れることです。現実でも視野が広がる方向に物事が進んでいくときです。

感情的に嫌悪感を伴う夢でもカラーで見ることもあり、気持ちの上では嫌なことでも、状況は良くなるという意味になります。

モノクロの夢は自分の意志が阻まれていること

夢の中の夢のパターンで、最初の夢がモノクロで嫌悪感がある夢だったとします。しかし、次の夢がカラーで気持ちのいい夢だった場合は、無意識の領域の中で深く突っ込んで接していくと良い方向に進むことの暗示となるでしょう。

占いで言えば、現実に起きることの表面上は自分にとって悪い印象だったとします。その物事とつきあっていくうちに、新しい発見ができ、「やってヨカッタ」と思えるような事に進化していくという内容です。

夢見たときの気持ちで意味が変わる

次に、感情を伴う夢で、気持ちの良い夢はそのまま現実が良い方向へ進むこと、悪い気持ちの夢は自分の意志とは反対方向に進むことを表しています。心地よいという感情は、夢=無意識が本来自分が進むべき人生に沿っていることを表しています。

逆に気持ち悪い感情を伴う場合は、無意識が「現実の選択が人生に沿っていない」というメッセージを与えているのです。

夢のパターンは「カラーと感情」の2つが大きく関係しています。夢の中の夢は重要度が増していくため、カラーと感情がどのようなものかを注視してみましょう。

夢の小箱に入っていたもう一つの夢は自分の真意とコンタクトを取っている状況です。起きたときにメモし、夢のカラーと感情から内容と合わせて調べてみることで、現実世界へのメッセージが読みとれるかもしれません。

明晰夢との関係

夢の中で夢を見るということは、「今見ているのは夢だ」と気付くことです。このことを明晰夢といい、夢の中で夢を見ていることを俯瞰して認知することができる状態です。明晰夢はレム睡眠の中で表れることが多く、脳が半分覚醒している状態で起きる現象と言われています。

これは金縛り状態とよく似ていて、体は寝ているのに意識の一部が起きていることから、一部覚醒または半覚醒を表しています。

明晰夢はコントロールできるか?

訓練によっては明晰夢をコントロールすることができるとされていますが、それを実現するためには頻繁に明晰夢を見る経験が必要になるでしょう。

夢が出てきたときに、意識が夢であることを認知するわけですから、冷静な意識が必要になります。科学的に物事を考える必要があり、目の前の情景にとらわれず視野を広げて「これは夢」と冷静に判断する。

それができると、自分が見たい夢を寝る前に思い描き、実際に見ることができるとされています。現実的には難しい技術ですが、夢の中の夢は、明晰夢という不思議な現象が関わっているのです。

意識が拡大する前兆としての夢

夢の中で夢を見ることは「夢だと気付く」ことから明晰夢との関係も考えられます。これは意識が物事を俯瞰して見ることができるようになるということの表れともいえるでしょう。

第一の夢が現実を表現しているとするなら、第二の夢に入ったときに、第一の夢から冷静に判断して次の夢を見られていることになります。

このことから、現実で起きていることを意識しているいつもの自分を、もう一つの意識で見ることができると言いかえることができるでしょう。

仕事や学業における意識の拡大の予感

今まで意識していたことを、もう一歩踏み込んだかたちで大きな視点で判断することができる。これは現実世界での意識を意味し、視野が拡大していくことの前兆ととらえられます。

仕事や学業などで、自分だけの意識で判断していたものが、もう一つ別の視野でとらえることができるようになる。

仕事において、関連する要素を絡めて総合的に判断することがきたり、学業で複合的な問題の解き方ができたりします。

夢の中の夢には、現実の意識に影響を与えることも含まれているため、自分の意識への未来予知の一面もあるでしょう。

映像の積み重ねとしての夢

夢の中で見る夢は深い意味もある一方で、脳の情報整理としての意味も持っています。物理的な意味が大きいため、夢としての意味を持たず、脳機能の働きが映像として見せている部分があります。

例えば、1日24時間ゲームをし続けていて、頭の中に映像がそのまま残り続けていたという場合です。疲れて眠ったときに本来の夢として見る映像の中にゲームのワンシーンが表れてくるということもあります。

夢が二重に出てきているのではなく、夢の中に脳の情報整理としての映像が流れているのです。1日の記憶を整理するという脳の働きで、夢が映像化されることが多いため、このゲームの例は典型といえます。

  • ゲームの中のインパクトのあるシーン
  • 映画のクライマックス
  • 自然災害などの危機的状況のシーン
  • 人との関わりで感動した場面
  • 旅行中での鮮烈な光景

ゲーム以外でも、他に鮮烈な印象を受ける光景を目にしたときも同じことが起きるかもしれません。本来の夢の中に、一番印象に残った現実の光景が重ねて表れてくることです。

人の心理状態が大きく影響してくるといえ、夢の小箱の中にもう一つ映像が入っているといえます。

まとめ

夢の中に表れたもう一つの夢は、無意識の領域に向かって階段を降りていく重要なものと考えられます。

個人によって見る夢の内容は違いますが、カラーと感情を伴うことで、その夢の吉か凶かを予測することができます。

深海に潜って見えた景色は、その人の人生に沿っているかを判断する材料にもなるでしょう。

また、明晰夢との関係や脳の働きとしての情報処理としての側面もあるため、よく夢の内容を確認してみることで色々なパターンが見えてきます。

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